二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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暗殺教室 お姉さんの時間【修学旅行展開中!】
日時: 2016/05/14 21:05
名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)

「エンドのE組」に、アメリカから帰国してきたカルマの姉・赤羽神影がやって来た!
カルマの姉とは思えないほど破天荒+天真爛漫さは、あのカルマでさえ「苦手なひと」と称するほど。
暗殺でもその他でも、とにかく明るい神影にE組メンバーは振り回される。
しかしその一方で、神影を中心とした巨大な「謎」も現れて————!?

「だれかの命が戻るなら。自分にとって大切なひとを、自分と引き換えにでも助ける事ができるなら————私は一人だけ、助けたい人がいる」
「だれかを助けられるなら。自分にとって大切なひとを、この手で救う事ができるなら————俺は一人だけ、助けたい人がいる」

その者達が選ぶのは—————謎を解く鍵か、はたまた愛か?



ちょっとシリアス(って言ってもほぼギャグ)入りの暗殺教室です!
カルマのキャラが壊れないように頑張っていますが…あれ?気づいたらツッコミキャラに(汗)

それから、本作は「渚カエ」や「カル渚」、「カル愛」などには全くふれるつもりはありません。
本作でそんな感じの会話やシチュエーションが出て来ても、それは偶然かたまたまだと思ってください。

では、よろしくお願いします!

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第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.32 )
日時: 2016/03/21 15:18
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

「そんな……銃を、捨てた!?」
「暗殺終了かよ!?」
カルマの行動に、絶句する生徒達。
しかし渚達は忘れていたのだ___殺せんせーの背後に立ち、ナイフを握るもう一人の暗殺者を。
「…!!そうか、まだ一人__!!」
渚達が彼女の存在に気づいた瞬間__神影のナイフが動いた。
___ビュン!!
「にゅやっ!?」
空気を切り裂く音とともに、何度も斬りかかる神影。
それはカルマが銃を撃つ前と同じ、ナイフを繰り出し続ける攻撃だ。
「どうする気なんだ、神影さん……さっきと同じ方法なら、さっきと同じ結果で終わるだけじゃ……」
磯貝の言葉通り、このままではさっきと同じ結果__殺せんせーに避けられて終わる結果と同じになってしまう。
(せっかくカルマ君が乱射で隙を作ったのに、これじゃ何も変わらない。ここからどうやって触手を獲るのか……いや、この状況じゃもう…諦めるしか)
渚がそう思いながら時計を見上げると、休み時間も残り僅かとなっている。
そんな中___
「__くっ!!!!」
「惜しいですねぇ、神影さん」
神影の何度目かの攻撃が、超生物にかわされ空を切った。
当の神影も、流石に体力を消耗するのか肩で息をしている。
おそらくこのままでは、触手を獲るのは不可能だろう。

___皆がそう思った直後だった。

「とぉっ!!」
神影のナイフを殺せんせーが軽々と避けた瞬間__
・・・・・・・・・・・・
殺せんせーの触手が溶けた。

Re: 暗殺教室 お姉さんの時間 ( No.33 )
日時: 2016/03/19 16:11
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)


「にゅやーっ!?」
驚いた殺せんせーが床に目をやると————無数の銃弾が、足元から触手を溶かしている。
「…!あの弾丸…!」
(そうか…あの時の!)
カルマが銃を撃ったのは、殺せんせーに「あてる」ためではなく、「床に落とす」ことが目的だったのだ。
のちに触手を溶かすことをあらかじめ計画していて———————!
「でも、この手段って…」
「そ。俺が前にやったやつの応用」
杉野のつぶやきに、投げ捨てた銃を拾い直したカルマが答える。
「同じ手にひっかからないはずの殺せんせーがひっかかったのは———————弾をばらまいたんじゃなく、ちゃんと撃ったからだよ」
カルマはしっかり、殺せんせーを標的に撃っていた。
だから、皆は殺せんせーを撃つために乱射していると思い込んでしまったのだ。

そして———神影の役割は、「弾丸が多く落ちた場所まで攻撃しながら“誘導”する」こと。

確かに神影は、斬りかかりながら少しずつ前進し、弾丸が落ちた地点まで徐々に追いつめていた。
そう、



全ては始めから計算ずみだったのだ。






第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.34 )
日時: 2016/03/31 18:25
名前: あねさま (ID: btsyIDbw)

渚達がそんなことを考えたのは、神影とカルマの暗殺が終わってからのことである。
そんなことを考えるヒマは、実際なかったのだ。
———そして、殺せんせーが弾丸に気づいた瞬間。
「殺せんせーが弾丸に気づいた」ことは、必然的に「殺せんせーの意識が床にそれた」という事を意味している。
(そうか、神影さんはこの一瞬にすべてを…!!)
渚が神影に目を向けるまもなく、神影が華やかに微笑んで———ナイフをきらりとひらめかせた。
殺せんせーが振り返るより先に、カルマが笑みを浮かべて———拳銃を再び構えた。
「「————————つっかまーえた」」
神影のナイフと、カルマの銃が同時に動く。


————————————————————ギン!!



————二人の暗殺者が放った最後の一撃は、

ナイフと銃で、合計2本の触手を破壊した。

第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.35 )
日時: 2016/03/21 11:06
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

そうして時は過ぎ、転じて今は放課後である。
(…………あれ)
渚が下駄箱に着くと、ひとりで靴をはく先客————カルマがいた。
「———カルマ君」
渚の声に、靴をはきおえたカルマがふり返る。
「何ー、渚君」
「今日の暗殺、すごかったね」
「え?」
「ほら、休み時間に神影さんと殺ったアドリブ暗殺」
「ああ………」
カルマの妙にあいまいな反応に、渚は違和感を覚える。
「どうしたの?本当にすごかったよ、あれ。アドリブで二本も獲っちゃうなんてさ」
「…………」
カルマはそんな渚の言葉にもしばらく黙っていたが、不意に顔を上げて渚を見た。
「……ねえ、渚君」
「…なに?」
「ちょっとこれ、見て」
そう言ったカルマがおもむろに自分のカバンを開け、中からなにかを取り出し渚に投げる。
あわててキャッチすると、それは拳銃———アドリブ暗殺の時に神影がカルマに投げた拳銃だった。
「ああ、これ。神影さんの銃だよね…これがどうかしたの?」
「それ、ひっくり返してみ」
言われたとおり渚が銃をひっくり返すと———銃身に、小さなメモ紙がはりつけられている。
その文面は———————


『 カルマへ!
お姉ちゃんの暗殺、手伝ってくれない?大丈夫、流れはちゃんと考えてあるよ〜☆

1 私が呼んだら、カルマは殺せんせーに向かって銃を撃ちまくってね。
2 そのあと、私が弾丸が落ちた地点まで殺せんせーを追いつめる。
3 そうすると、最終的に殺せんせーに隙が出来る時があるから、その時に二人でばばーんっとやっちゃおう!!

以上だよ!急に巻き込んじゃってごめんね〜。
あと、このメモの事は皆には内緒にしといてね☆
 神影より 』


(このメモ、まさか———!!)
驚く渚に、カルマが静かな声で問いかける。
「———これが、ミカゲ姉にもらった時からもう貼ってあった。つまりどういう事だと思う、渚君?」
「二人でやったのが、アドリブ暗殺じゃなかったって事…?」
渚の言葉に、カルマはわずかに首を振った。
「それもあるけど、それだけじゃない。…そのメモ、ていねいに書いてあるよね。あの時あの場で、そんなもん書くヒマなんかなかった。つまり———ミカゲ姉は、俺を巻きこむ事も、この銃を俺にわたす事も、
・・・・・・・・・・・・・
全て計画のうちだったんだよ」

第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.36 )
日時: 2016/03/21 15:19
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

(ああしてカルマ君に頼んだのも、全部計画していたこと!?)
———『だ、だってだって!さっきあんなハッキリと触手もらうとか言っときながら失敗するってハズいじゃん!!』
嫌がるカルマを、必死で説得していた神影のすがたがよみがえる。
(カルマ君があの時、銃を見て絶句していたのは…目の前で自分を説得している姉のすがたが、全て“見せかけ”だと知ったから…!!)
銃にはられたメモと、目の前で必死に主張してくる姉。
真実と虚構を同時に突きつけられたカルマは、一体なにを思って絶句していたのだろう。
「あの人はただの無計画なバカじゃない。本当はたぶん———もっと機転がきくタイプだよ」
策略家の弟と、自由奔放な姉。
二人は正反対などではなかった。
神影もまた、策略家な一面を持っていたのだ———弟をも超えるほどのものを。
(正反対だなんてとんでもない…神影さんは、間違いなくカルマ君のお姉さんだ!!)
ぼうぜんとする渚から、カルマが楽しそうに笑って銃をとりあげる。
彼は、この展開を楽しんでいるらしかった。
「ミカゲ姉もなかなか、面白いとこあるじゃん。…ま、この事は渚君にしか言わないでおくけどね」
…つまりは「他言無用」ということだろう。
じゃーね、と去っていくカルマをぼんやり見ながら、渚は新たな波乱の予感を感じていた。



————第三章「お姉さんと暗殺の時間」終了————
次回からは第四章


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