二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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こうして私は今日も嘘をつく
日時: 2015/12/29 11:37
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!











主な登場人物

王燐ワン・レイ
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!

一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐

三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー

てなところかな。
それじゃーいきまーっす!



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Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.14 )
日時: 2015/12/30 14:08
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

小さい頃からの思い出をつなぎ合わせてみれば、それは初めてのことだった。
幼い時からずっと繋いできた手。
じわりとひろがっていく痛み。
涙がとめどなく溢れてくる。
自分を睨んできた妹の目は、辛そうに黒光りしていた。
制服から覗いている、痩せ細った痣だらけの腕。
「………燐………」
自分はただ見ているだけなのか?
実の妹が苦しんでいるところを。
それだけでいいのか?
家族なのに、自分は何もしてやれない。
やるせなさが頬を伝った。
「燐………!」
呼んでも呼んでも、燐は背を向けるばかり。
本当は助けてほしいんじゃないの?
優しくされたいんじゃないの?
「……にーには心配あるよ……」
ため息混じりにそう呟いた。
先ほど頭をぶつけた棚に寄りかかる。
だれも彼の呟きなど、聞いてはいない。
彼の涙は儚く消えていった。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.15 )
日時: 2015/12/30 14:58
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

泣いているのは兄だけではなかった。

燐side
「………っ」
にーにを傷つけてしまった。
いくら言葉に詰まったとはいえ、突き飛ばすなんて……
にーにはあんなに心配してくれていたのに。
私は裏切ってしまったんだ。
「………ごめん、ごめんね、にーに……」
罪悪感が満ち溢れてきて、心を鷲掴みにする。

『いじめられてなんかない』

そう言った後のにーにの目が忘れられない。
突然の言葉に驚きを隠せずに震える目。
……傷つけてしまった。
だけど、あれしか方法がない。
自分がいじめられていることを隠すためには。
隠さないと。なんとか隠し通さないと。






殴られる。






正直痛いのはもう御免だ。
痛くされるのが嫌なら、黙って耐えていればいいのだ。
私一人が我慢すればいい。
ただ、それだけだ。


私はベッドに四股を投げ出した。
沢山泣いたから、頭がボーッとしている。
夕飯を食べる気にはなれなかった。
第一、いじめられるようになってから、食欲は激減している。
一日くらい食べなくても問題はないだろう。
置いてあったシナティちゃんを抱きしめたまま、私は眠ってしまった。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.16 )
日時: 2015/12/30 15:15
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

コンコン、という遠慮がちなノックの音で目が覚めた。
状況が飲み込めず、ベッドに横たわったまま辺りを見回す。
昨日の出来事を辿っていくと、あのまま寝てしまったことに気が付いた。
それと同時に、にーにの辛そうな目も思い出してしまう。
「………!」
胸がギュッと締め付けられるような思いだ。
昨日の記憶から逃げるように起きると、鏡の自分を睨みつける。
夜通し泣いたから目は腫れていて、やはり痣は消えていない。
「……燐?起きてるあるか?」
困ったようなにーにの声に、私はドア越しに答える。
「…起きてるよ。」
パジャマのボタンを外していると、
「朝飯、食えるあるか?」
という心配そうな声が返ってきた。
少し考えてから「いらない」と答える。
昨日のことがあるから、さすがに向かい合って食べるのは気が引けた。
それに、食欲もない。
「そう、あるか……」
にーには残念そうに言って、一階に行ってしまった。

制服に着替えて落書きだらけの教科書を鞄に詰める。
殴られた背中がズキリと悲鳴を上げるが気にしない。
身だしなみを整えると、私は歩き出した。






戦場へと………。




Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.17 )
日時: 2015/12/30 15:22
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

耀side
一人で朝飯を食べるのはいつ以来だろうか。
自分で作った食事を口に運ぶ。
リビングにはニュースキャスターの言葉しか響いていない。
二、三日前までは一緒に食事をしていたというのに。
一緒に登校していたというのに。
「ひ、一人楽しすぎるあるーー……」
前にギルベルトが言っていた言葉を口に出す。
その言葉は不憫にしか聞こえなかった。
少しは寂しさが紛れると思ったが……。
「……燐」
一人で苦しんでいるんじゃないのか?
助けたいんだよ、我は………。
頼ってくれればいいのに。
どうしてあんなに一人で抱え込むのだろう。
何か特別な理由があるのだろうか。
食事が美味しく感じられない。
こんなの、あへんのスコーンを食べた時以来だ。
「……燐がいねーと、不味いあるよ………」
我は一人で食べかけの朝飯を片付け始めた。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.18 )
日時: 2015/12/30 15:32
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

一人で学校に行くのもかなり久しぶりだ。
となりに燐がいないと、とてつもない孤独感に見舞われる。
「……おーい!耀……って燐はどうした?」
俯き加減に歩いていると、突然あへんに声をかけられた。
かなり驚いているようだ。
それもそうだろう。
我たち二人はいつも一緒に行動しているのだから。
いや、今では「していたのだから」と言う方が適切かもしれない。
「…喧嘩でもしたのかい?」
隣のフランシスが興味深そうに絡んでくる。
「……喧嘩ではないあるが…喧嘩かもしれねーある…」
「なんだ、その分かりづらい答えは。」
あへんに突っ込まれて、自分の日本語の拙さに気が付いた。
確かに自分でもよくわからない。
「…本当に何があったんだい?いつもの君とは全然違うよ?」
フランシスが顔を覗き込んできた。
自分でこのまま悶々としていても仕方が無い。
よし、ここは腹をくくろう。
「…じ、実は………」
我は昨日の出来事を二人に打ち明けた。


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