二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- こうして私は今日も嘘をつく
- 日時: 2015/12/29 11:37
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!
主な登場人物
王燐
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!
一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐
三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー
てなところかな。
それじゃーいきまーっす!
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- Re: こうして私は今日も嘘をつく【ヘタリア】長編 ( No.49 )
- 日時: 2016/01/04 08:55
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
耀side
未だに体の震えが収まらない。
もう少し早く助けられていれば、燐は痛い思いをしなくても済んだかもしれないのだ。
兄として、家族として失格だ。
どうしてもっと早く燐の嘘に気付いてあげられなかったのだろう。
震えと涙が止まってくれない。
「耀君っ!大丈夫!?」
フランシスに支えられて、ようやく倒れそうになっていたことに気付いた。
なんとか体制を持ち直して立つ。
しかし足はガタガタ震えていた。
「耀、保健室に行け。顔が青いぞ。」
アーサーが気を遣ってくれたため、我は保健室に行くことにした。
「…ん。謝謝、あへん」
我は礼を言うと、教室を後にした。
上手く笑えない。
上手く息が吸えない。
苦しくて苦しくて、我は廊下の真ん中で倒れこんだ。
意識がどんどん薄れていく。
「……かはっ、あっ………」
胸元を掻き毟るけど、酸素は入ってこない。
涙が頬を伝う。
我は意識を手放した。
- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.50 )
- 日時: 2016/01/04 09:16
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
フランシスside
「…大丈夫かな、耀君…」
俺はアーサーと教室に戻りながら徐に呟いた。
「…何が」
そう聞いてきたアーサーの声は涙が混じっていた。
アーサーは泣いているところを見られたくないのか、ずっと俯いたままだ。
二人の間に重苦しい空気が流れる。
三階への階段を登り終えると、アーサーが急に立ち止まった。
「…どうした?」
「…燐は…」
そしてアーサーは俯いていた顔を上げ、涙でグチャグチャになった顔を俺に見せつけた。
「…燐は帰ってくるよな?!大丈夫だよな!?」
そう言って何度も何度も俺の胸ぐらを掴んでは揺さぶる。
その声は繊細で、綿密で、風が吹いたら壊れてしまうようなものだった。
ここまで問い詰められても、素直に頷けない自分が憎かった。
「……頷いてくれよ……」
アーサーは俺の目の前で泣き崩れた。
そんな彼の姿を見るのは幼い頃からの出来事を繋いでみても、初めてのことだった。
「うああああぁあぁあぁぁぁぁあぁあぁあぁあぁあぁぁぁああああぁ!」
きっと守れなかったことに責任を感じているのだろう。
俺はアーサーの気持ちが痛い程よく分かった。
「…大丈夫、祈っていよう」
何が大丈夫なのかは自分でもわからない。
でもとにかく祈るしかないのだ。
それしか方法が無いのだ。
俺は泣き叫ぶアーサーの前髪にそっと触れた。
柔らかい金色だった。
- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.51 )
- 日時: 2016/01/04 09:30
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
燐side
ここはどこなんだろう。
私は一体誰なんだろう。
私はどこから来たんだろう。
何も思い出せないまま、私は上体を起こした。
辺りを見渡すと、そこは真っ黒い空間が広がっている。
『燐…………』
聞き覚えのある声がした。
振り返ると見覚えのある人たちが遺影を手に泣いていた。
『どうして死んじまったあるか……』
そう言って悲しみに打ちひしがれる男の子。
彼は長髪を後ろで束ねており、独特の喋り方をしていた。
『燐……ごめんな、何もできなくて………っ!』
その後ろで泣きじゃくる金髪の男の子。
『お兄さん……何もできなかった……』
二人の横で遺影を愛おしそうに見つめる、垢抜けた金髪の男の子。
何があったんだろう。
不思議に思い、近寄ると……
「あの遺影……私!?」
私は驚きに声を上げた。
その遺影に映る女の子は確かに私だった。
信じられなくて、目をこする。
と、瞼の裏に記憶が蘇ってきた。
まるで呼吸をするかのように吐かれる酷い言葉の数々。
痣だらけの背中に向けられる鋭い視線。
朝登校してくると必ず掛けられる冷たい水。
反抗する間もないままに始まる暴力。
「…あ…」
そうだ、私は苛められてたんだ。
それである男の子の言葉にカッときて、反抗したら殴られて、
それで、それで………
死んだんだ。
- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.52 )
- 日時: 2016/01/05 09:43
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
《気が付いた?》
背後で凛とした声が響いた。
振り向くけれど、辺りは真っ暗で誰がいるのか検討もつかない。
「貴方は…誰ですか?」
ドキドキしながら尋ねる。
その声もまた、響いていた。
《私はこのセカイの神ってところね》
声と口調からして女性だろうか。
ということは、ここは天国?
あ、やっぱり私は死んだんだ。
《安心して。ここは天国じゃないわ。貴方はまだ死んでいない。》
え?死んでいない?
どういうことなの?
じゃぁ、さっき見たのは……
《貴方が今、病院で見ている夢よ》
病院………?
《そう。貴方はあの後、救急車で運ばれたの。》
そう……だったんだ……
迷惑かけちゃったなぁ。
まだ死んでいないんだね、私。
さっさと死にたいなぁ。
そうすれば、皆に迷惑かけなくても済むのに。
《それは違うでしょう?》
え?
何が違うの?
- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.53 )
- 日時: 2016/01/05 09:50
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
《貴方が死んだら、みんなが悲しむわ》
悲しむ?そんなわけないじゃない。
私は王家の粗大ごみだったんだよ?
にーにに心配かけてばっかりで…。
《じゃあ、どうして貴方の夢の中の人たちは泣いているのかしら?》
あ……。
《貴方のお兄さんだけじゃない。彼の友達まで一緒に涙を流しているのよ?》
本当だ。
どうして、にーにの友達までもが涙を流すんだろう。
私はこの人たちとは、幼い頃に遊んだだけなのに。
《実はね、彼らはずっと貴方のことが心配で、気にかけていたの》
そうだったんだ…。
全然知らなかった。
《俺が燐を助けるんだ、って毎日必死で。本当に苛められているのかを、調べていたの》
そんな…………
私だけのために……?
《なのに、貴方は迷惑かけたくないからという理由で死のうとしている》
………………あ。
《本当に貴方の答えは間違っていないのかしら?》
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