二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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こうして私は今日も嘘をつく
日時: 2015/12/29 11:37
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!











主な登場人物

王燐ワン・レイ
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!

一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐

三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー

てなところかな。
それじゃーいきまーっす!



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Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.34 )
日時: 2016/01/01 15:25
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

これからは三人で仲良く暮らしていけるんだと思っていた。
理想像を描きながら、俺はアルフレッドを抱き締めてやった。
しかし、現実は過酷だった。

二階の自室で勉強していると、バシッと言う鈍い音が聞こえてきた。
またか…とウンザリしながら、階段の影から一階を覗く。
「あんた、ウザいのよ!なんで生きてるの!?」
「…ご、ごめんなさい…ごめんなさいぃぃ!」
苛立った母さんの声と共に聞こえてくるアルフレッドの泣き叫ぶ声。
母さんは毎日執拗にアルフレッドを殴っていた。
大嫌いな男の子供なのだ。
無理もないだろう。
それによく母さんはため息混じりに言っていた。
辛そうに目を瞑りながら、「あの男に似てる」って。
「アルフレッド!?やめろよ、母さん!!」
助けようと身を乗り出し、アルフレッドを庇おうとすると、
鉄拳は俺の方にまで飛んできた。
それが痛くて怖くて、俺はアルフレッドを助けられずにいた。
「助けてよ、アーサー!アーサー!!!」
泣いているアルフレッドを見るだけで、俺は何もできなかった。

しかし。中学に入ってから、アルフレッドは変わってしまった。
「…あなたなんか、必要ないわよ!死になさいよ!」
母さんの罵倒をアルフレッドは睨みだけで止めてみせたのだ。
「…だったら俺を産まなきゃ良かったじゃないか!」
そう怒鳴りつけたアルフレッドの目は、鷹のように鋭く、
氷のように冷たいものだった。
初めて見た弟の姿に、俺も母さんも驚きを隠せない。
それから立場は逆転していった。
アルフレッドが母さんに暴力を振るうようになったのだ。
「……や、やめてアルフレッド…わ、私が悪かったわ…」
泣きながら謝り続ける母さんに、アルフレッドは何度も執拗に暴力を振るう。
そんな母さんを見ていられなくなった俺は、アルフレッドを止めに入った。
「やめろ、アルフレッド!」
しかし、鉄拳は俺にまで飛んできた。
「…俺のことは助けなかったのに、母親のことは助けるのかい?」
そう言った弟の目は、以前の可愛らしいものではなくなっていた。
何も映していない、真っ暗な闇……

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.35 )
日時: 2016/01/01 15:31
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「…………アルフレッド!!」

そう叫んだ瞬間、目が覚めた。
目の前に広がっているのは、いつもと変らないリビング。
……夢だった。
「…アルフレッド…」
俺が変えてしまったんだ。
いつも自分が殴られるのが怖いからと言って助けなかったから…。
あの時助けられていたら、アルフレッドは変わらなかったかもしれない。
『助けてよ、アーサー、アーサー!!!』
アルフレッドは俺を必要としていたのだ。
なのに、俺はその思いを断ち切った。
俺の弟だったのに……。
俺の大事な家族だったのに……。
俺は裏切ってしまったんだ。
俺は最低だ………最低だ………!
「……すまない。アルフレッド……」
涙が流れて落ちる。
俺はしの涙を拭えぬまま、ただ枯れるのを待った。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.36 )
日時: 2016/01/01 16:07
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

アルフレッドside
いじめをすることの何がいけないんだ。
俺の継母は俺を殴ることを許されていたのに、
どうして俺がいじめをすることは許されないんだ?
そんなの不公平じゃないか。
『お前、頭おかしいんじゃねーの!?人いじめて楽しいなんて最低だな!』
何とでも言えばいいさ。
俺は間違ってない。
根暗女がこのクラスに存在しているのがいけないんだ。
俺は悪くなんかない。
『そんな汚らしい行為をして何が楽しい?!』
…………汚らしい?
なあ、アーサー。
じゃあ、俺を毎日執拗に殴ってくる継母のことはどうなんだい?
兄貴だっていうのに、自分が殴られるのが嫌だからって弟を助けないお前はどうなんだい?
どうして自分は汚くなくて俺は汚いんだい?

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.37 )
日時: 2016/01/01 17:49
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

助けてくれなかったくせに。
助けてくれなかったくせに………!
こんな時だけ、兄貴面しないでくれよ………!!
矛盾してるじゃないか!
痛かったのに。苦しかったのに。
どうして助けてくれなかったんだよ!?
イライラして俺は部屋に駆け上がる。
アーサーの悲しげな呟きが聞こえたけど、気にせず部屋のドアを乱暴に閉めた。

「………」
無言のまま、ベッドに倒れこむ。
その瞬間、背中の古傷がズキッと鋭く痛んだ。
昔、継母に包丁で切られたところだ。
忘れもしない、二年前の12月24日の5時過ぎ。
俺を見るなり、突然泣き叫んで包丁を振りかざしたんだ。
『来ないで!!』なんて狂ったように叫びながら。
激しい痛みに泣き叫ぶ俺を、アーサーは放っていた。
助けてと手を伸ばしても、振り返ってくれなかった。
以来、ずっとアーサーのような幸せな人間が憎い。
家にいる時は平静を装っているけれど、裏は違う。
「………憎い」
殴っても殴っても、泣かないでいられる幸せなあいつが憎い。
優しい兄貴もいて、あたたかい家族に見守られて。
憎い。
殺してやりたいほどに。
俺はギュッとベッドのシーツを掴んだまま歯ぎしりした。














絶対にあいつを泣かしてみせる…………!

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.38 )
日時: 2016/01/01 18:08
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

フランシスside
翌朝、通学路の途中でバッタリ耀君とアーサーに鉢合わせした。
アーサーの顔はとても暗い。
そんなんじゃ女の子が寄ってこないっちゅーのに。
「あへん?だいじょぶあるか?」
耀君が心配そうに尋ねると、アーサーは無理矢理口角を上げた。
「…実はな、昨日アルフレッドに聞いたんだ。『本当にいじめをしてるのか』
って………。そうしたら、彼奴、まるでいじめをすることが当然って顔して
『いじめをしている』って言いやがったんだ………」
そこまで言うと、アーサーは辛そうにうなだれた。
よっぽどショックなのだろう。
お兄さんはアーサーとは幼馴染だから、気持ちがよくわかる。
あんなに『俺の弟!』って可愛がっていたんだもの。
そりゃあ、悲しいよね………。
「……ごめんな、耀……。何もできなくて……」
アーサーは申し訳なさそうにした。
こんなことを言うアーサーは初めてだ。
…よっぽど燐ちゃんのことが好きなのだろう。
「別に言いあるよ!協力してくれて謝謝、あへん!!」
耀君は全開の笑顔で答えてみせた。
その笑顔を見ていると、耀君も偉いなぁと感心してしまう。
妹がいじめられてること、辛いはずなのに………。
それに比べて、お兄さんは全然役に立てていない。
第一、あのクラスとは関わりを持ったことがないのだ。
可愛い子が燐ちゃんくらいしかいないしね。
だけど、二人を慰めてやることくらいはできる。
「…耀君。アーサー。辛い時はお兄さんを頼ってよ。お兄さん何もできてないけど、二人の話を聞くことくらいはできるからさ。」
それに、燐ちゃんは僕の大事な大事なハニーだからね!
「……謝謝。」
耀君は呟くように言うと、悲しそうに笑った。


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