二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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こうして私は今日も嘘をつく
日時: 2015/12/29 11:37
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!











主な登場人物

王燐ワン・レイ
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!

一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐

三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー

てなところかな。
それじゃーいきまーっす!



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Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.29 )
日時: 2016/01/01 12:59
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

翌日から暴力はもっと酷いものとなった。
湿布ぐすりを貼っても貼っても、痣は消えずに増えていくばかり。
今や、身体中が痣だらけだ。
制服には何度目か分からない泥水がかけられる。
泣いてしまったらどんなに楽になれるだろう。
しかし、こんな奴らの前で泣いて「やめてくれ」と懇願するのは、私の中の自尊心が許さなかった。
「……ガハッ」
突然お腹を蹴られて前のめりになる。
こんなに痛いのに、口から出るのは空気だけだ。
うまく息が吸えずに背中を丸めると、今度は背中を蹴られた。
なぜこんなにも痛い目に遭わなければいけないのか。
苦しくて苦しくてたまらない。
「……ガッ!」
みんなが脱いだ革靴で私を殴りつけてくる。
楽しそうに笑いながら。
苦しそうに目を瞑る私には目もくれずに。
「…ほら、解放されたいんだったら早く泣きなよー」
イヴァン君の楽しそうな鼻歌。
(………痛い……もう…駄目だ………)
意識を失いかけたところで、みんなが殴るのをやめた。
「おい、そろそろやめるんだぞ。ここでくたばったら面白くないんだぞ!」
アルフレッド君の指示にみんなが従う。
泣かせられなかった、と残念そうな顔をして。
「そろそろ死んだら?」
高らかな笑い声を響かせながら、みんな私を置いて教室を出て行った。
あとに残されたのは、血だらけの私。
「…………っ」
悔しくて悔しくて涙が流れる。
そんなに死んでほしいなら、殺すほど殴ればいいじゃないか。
そんなに死んでほしいなら、中途半端なところでやめなきゃいいじゃないか。
そんなに死んでほしいなら…………死んでほしいなら……………!
屋上へ行こうとした私の足を、イヴァン君の囁きが踏みとどまらせる。

「僕たちの許可なく自殺したら、許さないからね?」

「………!!」
なんて惨めなんだろう。
あんなやつの言葉に縛られて死ねないなんて。
「………っ、ううっ……」
私は誰もいない教室で一人、涙を流した。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.30 )
日時: 2016/01/01 13:07
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

アーサーside
部活が終わって家に帰ると、リビングの電気がついていた。
玄関には革靴が脱ぎ捨てられており、紳士な俺はそれを黙って揃えてやる。
ソファを見ると、洋楽を流してくつろぐ、弟の姿があった。
「……ただいま。」
「おかえり、アーサー!!」
軽く挨拶をすると、元気過ぎる挨拶が返ってきた。
自室に行こうとした俺の脳裏に、昨日の耀の顔が横切る。
「……アルフレッド」
俺は意を決して聞いて見ることにした。
「なんだい、アーサー?」
「今すぐそのCDカセットを止めて、こっちを向いてくれないか」
アルフレッドは言われた通りに俺の方を向いた。
不思議そうな顔をしてこっちを見ている。
それもそうだ。
こんな話の入り方は、未だかつてしたことがなかったからな。
俺は息を吸い込むと、彼の目を見据えて聞いた。






「お前、クラスの女の子をいじめてるらしいな。」










「…………え?」

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.31 )
日時: 2016/01/01 14:35
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「………え?きゅ、急に何を言い出すんだい?アーサー……」
俺の目の前で慌てふためくアルフレッド。
そんな弟を冷たい目で見つめる俺。
「……燐の兄貴から聞いたんだよ。『妹の様子がおかしい』ってな」
リビングに重い沈黙が流れる。
俺はアルフレッドを睨みつけた。
そんな俺の視線から逃げるように俯く弟。
「………おい、どうなんだ?本当にお前がいじめてるのか?」
正直、弟がいじめをしているなんて信じたくない。
だけど、聞くより他なかった。
俺が燐を守るって決めたんだから。
「……どうなんだよ!」
痺れを切らして怒鳴りつけた途端。


「………なっ!」


突然突き飛ばされた。
一瞬の出来事で何が起きたかわからず、壁に頭をぶつけたまま、
ただ呆然とアルフレッドを見つめる。
苦しそうにうつむいていた彼だったが、急に狂ったように笑だした。
「…はははははははは!そうだよ、いじめてるよ!」
いじめをするのが当然というような顔で笑い出したアルフレッドに苛立ちを覚える。
「……は?お前、何笑って………」
「そうだよ!俺は今、いじめをしているよ!!」
アルフレッドから出た言葉は、俺の堪忍袋の紐を切った。




ガッ!






鈍い音と共に倒れる弟。
俺は反射的にアルフレッドを殴っていた。
口元から血が流れ出ている。
「……お前、頭おかしいんじゃねーの!?人いじめて楽しいなんて最低だな!」
なんなんだよ、こいつ!
こんな奴、アルフレッドじゃねぇ……!!
どうしていじめなんかするんだよ!
前はそんなやつなんかじゃなかっただろ!
一体どうしちまったんだよ!
「お前はHEROじゃないのか!?」
胸ぐらをつかんで激しく揺さぶった。
その手を振り払い、アルフレッドは立ち上がる。
「……根暗女をクラスから排除するのも、HEROの仕事だろう」
……何を言ってるんだ?
「いじめなんてするな!そんな汚らしい行為をして何が楽しい?!」
そう言った瞬間、頬に熱い激痛が走った。
口からこぼれ落ちた赤い液体が自分のものだと気づくのに、そう時間はかからなかった。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.32 )
日時: 2016/01/01 14:47
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「黙れ。いじめの楽しさを知らないお前に、何がわかる。」
悪魔のようにドスの聞いた声だった。
「…俺に構わないでくれ」
そう言って弟は座り込んでいる俺の腹を蹴り上げた。
「…グハッ!」
それは物凄い力で、ポタポタと床に血液が落ちる。
「……絶対に口外するな」
アルフレッドは俺を睨みつけると、部屋に帰って行った。

リビングに取り残されたのは、俺ただ一人だ。
「…クッソ!」
腹部に残る痛みを感じながらも、頭を掻き毟る。
「…なんなんだよ、彼奴っ!」
いつからあんなに反抗的な態度を撮るようになってしまったのだろう。
いつから問題児というネームプレードを掲げるようになってしまったのだろう。
俺の自慢の弟はどこに消えてしまったのだろう。
『絶対に口外するな』
そう言って俺を睨みつけた弟の刺すような視線が、頭にこびりついて離れない。
「………アルフレッド………」
俺の知っているアルフレッドはあんな最低野郎じゃなかったはずだ。




燐を守ることはできないのか?





悔しくて悔しくて涙が流れた。







アルフレッド…………。





いじめなんかして楽しいのかよ。





お前はそんなやつじゃなかったはずなのに。





どうして…………











突然強烈な睡魔が襲ってきた。
俺は瞼を閉じると、死んだように眠りこけた。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.33 )
日時: 2016/01/01 15:10
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「アーサー。今日からあなたのお家に、あなたの弟くんがくるのよ」
突然の母さんの言葉に、俺は目を見開いた。
そんな俺に構わずに母さんは続ける。
「実はね、お母さんには新しい彼氏がいてね。その人の間に生まれた男の子が
今日からこの家に住むことになったの。」
そういうと、母さんは微笑みを浮かべた。
その微笑みにはなんだか辛そうなため息が含まれていた。
「…そうなんだ。俺は、お兄ちゃんになるのか?」
お兄ちゃん………。
独特な響きだった。
「…そうよ。仲良くできる?」
母さんの問いかけに、俺は満面の笑みで頷いた。
そんな俺の頭に母さんは優しく触れた。
その母さんの腕にはアザがくっきりついていた。
幼い時は、何の痣なのだろうと不思議だったが、今ならわかる。

俺の実の父親は、俺が生まれてくる前に交通事故で他界してしまった。
母さんは生計を立てるためにスナックで働いていた。
そんな時、母さんの店の常連客と意気投合した。
しかし、その男と親しくなった挙句に、そいつの家に連れていかれて暴行され、強姦されたのだ。
無理やり中に出されて、母さんは妊娠してしまい、アルフレッドを孕んだ。
中絶という選択肢はどうにもできず、母さんはアルフレッドを産んだのだ。
あの時、常連客に殴られた痣は今でも消えていない。
母さんはそんなことを俺に知られたくなくて、そいつのことを「彼氏」と呼んだのだろう。
男はアルフレッドを引き取った。
アルフレッドは産まれてから5年間ほどを最低男の元で暮らしていたが、
男はもう育てられないと言って、無理やり母さんに押し付けてきたのだ。

まもなくベルが鳴って金髪の男の子が入ってきた。
「…お、お邪魔します…」
少し怯えたような声だったが、俺をみるとすぐに懐いてきた。
その時に感じた温かさは今でも忘れられない。
「名前なんていうの?」
「俺か?俺はアーサーだ。」
「アーサー?よろしく、アーサー!!」
アルフレッドは嬉しそうに幸せそうに微笑むと、俺をギュッと抱きしめた。


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