二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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こうして私は今日も嘘をつく
日時: 2015/12/29 11:37
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!











主な登場人物

王燐ワン・レイ
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!

一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐

三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー

てなところかな。
それじゃーいきまーっす!



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Re: こうして私は今日も嘘をつく 200参照謝謝!! ( No.59 )
日時: 2016/01/12 11:31
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「夢の中で燐を見たある……」
そう言って我はそっと溜息を吐いた。
横に座った二人が驚いたように顔をあげる。
「燐…笑っていたある…幸せそうに……」
脳裏に浮かぶのは、心底幸せそうに笑っていた燐の姿。
そして頬を伝う温かい涙の感触。
「…でも、割れが見たのは所詮夢……。もしかしたらもう二度とあの笑顔を見られなくなるんじゃないかと考えたら怖くなって……。」
そこまで言ったところで、涙が溢れ出してきた。
嫌だ、また二人に心配かけてしまう。
そう思うのに、涙は意思に反して溢れ出す。
「……っ……燐………!」
すると背中に温かい手が置かれた。
驚いて顔をあげると、フランシスだった。
「大丈夫」
そう笑ってフランシスは我の顔を見た。
あへんも頷いている。
「きっと燐ちゃん、笑顔で帰ってくるよ」
フランシスの言葉は心に響き、余韻を残しながら消えて行った。
また泣き出した我の頭に、あへんがそっと手を置く。

「あたりめーだろ。だってお前の妹だろ?」

あへんの言葉に我は弾かれるように笑った。
ーと、その時だ。
保健室のドアが半ば乱暴に開かれた。
入ってきたのは、我が担任本田だった。
彼は汗を流しながら、早口に言った。












「……燐さんがーーーーーーーーーーーーーーようですっ!」












我達三人はその言葉を聞くなり、本田を突き飛ばして走り出した。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.60 )
日時: 2016/01/12 13:16
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

無我夢中で一心不乱に走った。
本田から怒りの声が飛んできたけれど、そんなの関係ない。
向かい側から来たアントーニョにぶつかりそうになったが、お構いなしに走った。
「どうしたん!」と焦った声が背後で聞こえたが気にしない。
この辺からすると、一番近いのは国立病院だろう。
学校を出て角を曲がり、全速力で駆け抜ける。

病院に着き、息を切らしながら受付に走り込んだ。
制服のまま来た我たちを、ナースは怪訝そうに見つめたが、早口で燐の病室を聞く。
303……。
番号を聞くと三人はまた走り出した。
「病院内は走らないで!」
ナースの怒鳴り声を背中で聞きながら、三階への階段を走り抜ける。
廊下の一番端の病室のドアを開けて、我達は転がるようにそこに入った。

「……燐!!」

肩で息をしながら名前を呼ぶと、彼女は驚いたように目を見開いた。

「…にーに?」

彼女の声は夢の中で見たものとなんら変わりは無かった。
すこし掠れているような気もするが、意識を失う前の妹と変わりはなかった。
我は燐を倒れこむように抱きしめた。

「……燐!」

失いたくない。
もう二度と離したくない……。
そんな思いでいっぱいだった。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.61 )
日時: 2016/01/12 14:01
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

アーサーside
耀が声を上げて泣き出すと、燐も同じように泣き出した。
その姿を見て思わず笑みと涙がこぼれた。

『…燐さんが目を覚ましたようですっ!」

そう叫びながら保健室に入ってきた本田。
病室にくる前のことをボンヤリと頭に思い描く。
これからきっと怒られるんだろう。
勝手に学校を抜け出してきたのだから。
でも、燐は無事だったんだ。
それに対する喜びは計り知れない。
「……っ。」
小さな嗚咽が聞こえてきたので、横を見るとフランシスが泣いていた。
あんな髭でも泣くんだな…。
そう思いながら目尻に溜まった涙を拭う。
「…にーにっ、それから、アーサー先輩…フランシス先輩……っ、心配かけてごめんなさい」
燐の小さく消え入りそうな涙声を、耀が泣いて否定する。
「そんなに自分を悲観するのはやめるよろし!」
俺は近づいて行って、激しく泣く燐の頭を撫でてやった。

「心配かけてもいいんだぜ?家族だろ。」

「そうだよ燐ちゃん、もっと甘えていいんだよ?」

横からフランシスも口を出す。
燐は泣きながらキュッと口角をあげた。
「…ありがとう、先輩……っ」

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.62 )
日時: 2016/01/12 15:52
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

燐side
そしてそれから、数ヶ月の月日が流れた。
私達は裁判で一年一組と争い、見事勝利を勝ち取った。
しかし、今回のいじめの件で、皆精神状態がおかしくなってしまったようで、
今は私以外全員がカウンセリングに通っているらしい。
学校は強制的に退学させられたと聞いた。
私は、というと…

実は学校に行けていない。

だって怖いから。
今でもいじめられる夢を見るし、完全に学校が嫌になってしまっている。
学校……というより、人が駄目なのかな。
正直、他人と同じ空気を吸うことが怖くなっている。
あ、もちろん、にーにとアーサー先輩とフランシス先輩は別だよ?
あの事件以来、私達四人はかなり仲良くなれた。
結構頻繁に遊びにきてくれるし。
にーに達が学校に行っている間は、ずっと部屋に引きこもって勉強している。
だって私の取り柄といえば、勉強くらいだもの。
それに学校にも行っていないのだから、当たり前でしょ?
校長先生はそれを見逃してくれているし。
あ、ローデリヒ先生は自主的に辞めたらしいよ。
…って、誰に話しているんだろう。
まあ、いいや。
気晴らしに歌でも歌おうかな。
パーカーを深く被り直し、パソコンを起動させる。
そして某動画サイトを開き、マイリストに入っている動画をクリックした。
途端に流れ出したクセになるイントロ。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.63 )
日時: 2016/01/12 16:16
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

廃材にパイプ錆びた車輪
銘銘に狂った絵画の市
黄色いダーツ盤に
注射の針と
ホームベースに
縫糸の手

最近はこんな病んだ曲しか聞かなくなっているのが現状だ。
人の目が怖いからこんなに深くパーカーを被っているし、
殴られた時にできた痣を隠すために身体中に包帯を巻いている。
また、鞄を投げられた時の手首の傷が全く消えていない。
にーににリストカットと間違われたら面倒なので、長袖を着るようにしているが
これではどこぞの廚ニ病となんら変わりはない。

こんな風に現実から逃げていたら、きっと私はこの学校を辞めてしまうだろう。
そんなことをしたら、将来の職業探しに大きな支障が出る。
だから学校にはいっておかないといけない。
分かってはいるのだが、それを行動に移す勇気がない。
他のクラスにも一組で起きたことは広まっているだろう。
同情の目で見られたら、たまらなく傷つくだろう。
それにクラスに馴染めない私の姿は目に見えている。

「…はぁ」
ため息が出た。
いつまで経っても変われない自分には少しイラッとくる。
私は置いてある鏡に目を移した。
そこに映っていたのは暗い自分の痩せた顔。
ムシャクシャして鏡を床に叩きつける。
幸い鏡は割れなかったが、私の怒りは収まらなかった。


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