二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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こうして私は今日も嘘をつく
日時: 2015/12/29 11:37
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!











主な登場人物

王燐ワン・レイ
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!

一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐

三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー

てなところかな。
それじゃーいきまーっす!



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Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.54 )
日時: 2016/01/05 11:30
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

……間違ってなんかいないよ!
だって私はこんなに心配かけてるんだよ!?
なら、さっさと死んでしまえばいいじゃない!!

《あなたが死んだら、こんなにたくさんの人が悲しむのよ?》

……!

《それは苛められていることを心配されることよりも、罪深いことなんじゃない?》

………どういうこと?

《貴方が死んだら悲しむわ。それは貴方がお兄さん達を傷つけていることに変わりはない》

………確かにそうだ。

《そんなの、貴方をいじめていた人達と同じじゃない?》

そうだ………。
私はにーにに心配かけたくなくて…
にーにを傷付けたくなくて、いじめられていることを隠していたんだった。
でも私が死んだら、にーにを傷つけてしまう。

「うあああああああああああああああぁあぁあぁああぁあぁあぁああっ」

嫌だ……
これ以上は傷つけたくない。

《やっと、分かってくれたわね》

にーにに会いたい……。
寂しいよ………。

《分かったわ。特別に会わせてあげる。》

……え?

《こっちに来て。その先にお兄さんは居るから》

でも、真っ暗で何も見えないよ……
どうすればいいの?

《明かりをつけてあげる》

瞬間、辺りがパッと明るくなった。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.55 )
日時: 2016/01/05 13:43
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

そこは真っ白い空間だった。
どこもかしこも白く、目がチカチカする。

《うふふ、びっくりした?》

声のする方を見上げると、頭上に美しい女の人が立っていた。
口元に浮かんだ柔らかい笑み。
青く光り輝く瞳。
その瞳に縁取られた長く濃い睫毛。
雪のように白い肌。
白いレースの影から見える細い腕。
思わずため息が出た。

《会わせてあげるから、付いていらっしゃい》

そう言って女の人は私の横を通り抜けた。
その瞬間、ストロベリーミルクの香りがした。

《あら、そういえば》

女の人が突然立ち止まった。
どうしたのだろう。

《名前言ってなかったわよね》

確かにそうだね。
ちょっと抜けてるな〜、この人。

《私の名前はヴィオラ・キャシャリーナ》

ヴィオラさんか。
綺麗な名前で羨ましいな。

《あ、いたいた。あそこにいるわ。》

ヴィオラさんは嬉しそうに笑うと、前方に指をさした。
その方向を見ると………。







「にーに!!」


にーにが倒れていたのだ。

私は慌てて駆け出した。

《どうぞ、ごゆっくり》

知らないうちに、ヴィオラさんは消えてしまっていた。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.56 )
日時: 2016/01/11 18:37
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「にーに!にーに!!」
何回か名前を呼び、にーにの体を揺さぶった。
……どうしよう……。全然起きてくれない……。
「にーに……起きてよ、にーに……」
涙が頬を伝ってにーにの綺麗な肌に零れ落ちた。
グシッと右手で涙を拭う。
すると……

「……燐………あるか?」

「……!!」

先ほどのやつれた顔など嘘のように、にーには起き上がって私を見ていた。
思わず息を呑んだ。
「…にー…に?」
確かめるように私はにーにを呼んだ。
「燐!?燐あるか!?」
にーにが私の肩を掴んで何度も何度も揺さぶる。
その反動で涙が後から後から溢れてきた。
嬉しくて嬉しくて堪らないのに、涙が止まってくれない。

……私、生きてるんだ……。

……良かった……。

心からそう思えた。

「燐…燐……!!良かったある……我がどれだけ心配したと思ってるあるか!」
にーにに優しく抱きしめられた。
温かい………。
人ってこんなにも温かかったんだ。
言葉ってこんなにも温かかったんだ。
私に向けられていたのは、悲しいほど冷たい視線だったけれど。
でも今は違う。































私、愛されているんだ。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.57 )
日時: 2016/01/11 18:47
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

「謝謝、にーに……」
私はにーにの制服を握りしめた。
「私みたいな出来損ないの兄でいてくれて非常感謝(本当にありがとう)」
「何言ってるあるか!お前は出来損ないじゃねーある!」
そう言って、にーには泣きながら私の頭をこついだ。
そして、二人で笑い合った。
幸せを、肌に感じながら。
心から笑い合えた。
私って笑えたんだね。
笑い方なんて忘れていたと思っていたよ。
涙が……溢れてくる。
これは悲しいときの涙なんかとは全然違うんだ。
温かくて、柔らかくて……。
私、感情をいつも制限して生きていたから。
忘れていたんだよ。
嬉しさというものを。

ありがとう、にーにとそのお友達。

私のこと心配してくれて本当にありがとう。

大好き……だよ。


段々と意識が遠のいて行く。
次第に、にーにの顔もぼやけて見えなくなって行った。
最後に聞こえたのは、


《そろそろ起きてあげなさい》


という優しい美声だった。

Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.58 )
日時: 2016/01/11 19:13
名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)

耀side
「………耀!」
誰かに叩き起こされ、目覚めた場所は白い天井が広がっていた。
辺りを見まわすと、側には心配そうな眉毛と髭がいる←
「よかった……心配したんだよ?一時限目が終わってサボろうと階段降りてたら
君が階段で倒れていてさ……」
フランシスは安堵の溜息を吐いた。
どうやら我は階段で倒れてしまったらしい。
「それで俺たちで保健室まで運んできたんだ。」
「……そう、あるか。非常感謝、あへん、フランシス」
非常感謝……。
そう言ってから、先程見た夢を思い出した。

『私みたいな出来損ないの兄でいてくれて非常感謝』

そう幸せそうに笑った燐の顔が頭から離れない。
そういえば、燐の笑顔をしばらく見ていなかった…。
それほど辛い思いをしていたんだ。

ガタガタガタッ

体の軸が外れたのか、側にあった棚をなぎ倒してしまった。
「……おいおい、大丈夫か?」
あへんが心配そうに我の顔を覗き込みながら、倒れた棚を直してくれた。
「………」
それでも我はまるで金縛りにでもあったかのように動けなかった。
あの時見た燐の笑顔は、我の夢であったことだ。
もしかしたらもう二度と見れなくなるかもしれない笑顔だ。
……そんなの嫌だ。
作り物じゃない笑顔を、本物の笑顔を、もう一度見たいんだ。
「耀君、何かあった?」
フランシスが心配そうに尋ねてきてくれた。
このまま胸のつかえが取れないままでは嫌だ。
我は二人だけに話すことに決めた。


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