二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- こうして私は今日も嘘をつく
- 日時: 2015/12/29 11:37
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
どーも、朝霞です。
またまた新しい小説を作ってしまいました…。
今回もヘタリアです!
なんと…いじめ小説!!
ヘタリアにいじめ要素をぶっ込んでもいい!というお優しい方は読んでいってください!
主な登場人物
王燐
耀の妹でW学園の一年生
クラスでいじめにあっている
おとなしく人前では泣かない
身長:143cm
体重:驚きの軽さ!
頭めっちゃいい!
一年一組 担任:オーストリア
ロマーノ
ロシア
ベラルーシ
アメリカ
王燐
三年一組 担任:日本
中国
プロイセン
フランス
イギリス
スペイン
ハンガリー
てなところかな。
それじゃーいきまーっす!
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- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.1 )
- 日時: 2015/12/28 18:40
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
朝登校して来たと同時に、冷たい水が降り注いだ。
こんなの日常茶飯事だ。
(今日は水の量が多いな…)
私・王燐は水を滴らせながらぼんやりと思った。
すぐ近くにはバケツを手に、うまくいったとほくそ笑むアルフレッドくんが立っていた。
「おはようございます、アルフレッド君。朝から元気ですね。」
背を向けたまま挨拶をすると、突然後頭葉に衝撃を受けた。
思わず床に倒れこむと、足元をカンカンとバケツが転がっていた。
…殴られたか。
「君ウザいんだよ。どうして学校に来るんだい?」
「どうしてでしょうね。」
そんなのかんたんだよ。
にーにに心配かけたくないから。
私は無理して立ち上がると、「では、また」と一声かけて教室へ向かった。
その教室でもまた、水をかけられた。
「うわー、また来たよ」「気持ち悪い」
みんなの刺すような視線を浴びながら、落書きだらけの机に座る。
〈キモイ〉〈近寄るな〉〈死ね〉〈消えて〉
落書きの言葉一つ一つが心に突き刺さって痛い。
私はそっと胸を抑えた。
始まりはいつだったろう。
理由は何だったろう。
それすらも忘れてしまった。
私はいじめられている。
先生にばれないように。
もう慣れた。
二つ上の兄に心配かけたくないから黙っている。
最近は涙も枯れてしまった。
ガッ!
おっと、感傷に浸っていたら急に殴られたよ。
やっぱり、イヴァン君の一撃は何回やられても耐えられないな。
涙が出そうになるけど、唇をきつく噛んで我慢した。
「君の顔見てるとイライラするんだよね。」
そう言って彼は私を殴る。
あーあ、これだと…また痣できちゃうな…。
小さくため息をつくと、もっと強く殴られた。
ガッ! ゴッ!
耐えきれなくなって床に倒れこむようにして逃げ出そうとした私の頬に鉄拳が飛んできた。
不愉快な音と共に、血が何滴か床に零れ落ちる。
それを見てみんなは私を責め立てる。
「きったねー!早く消毒して来いよ」
「菌がウツるんだけどー」
言われなくてもいくんだけどね。
心の中で悪態をつきながら、私は洗面所へと向かった。
- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.2 )
- 日時: 2015/12/28 18:54
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
洗面所の鏡の前に立ち、呆然と青黒い痣のついた自分の顔を見つめた。
「…醜い顔。」
呟くと同時に、涙がはらりと落ちて痣を濡らした。
涙が枯れるはずなどないのだ。
最初から分かっていた。
本当を言うと、物凄くツライ。
受け止めてほしいのだ。
辛い気持ちを。寂しい気持ちを。
「……………っ」
周囲を取り巻くセカイは残酷で歪んでいる。
にーににとっては違うのかもしれないけれど、私にとって此処は薄汚れた鳥籠としか思えない。
こんな大きな痣…。
にーにが見たら絶対驚くだろう。
何か聞かれるにちがいない。
そしたら…なんて今日は嘘を吐こうか。
「………ふざけんなよ……」
語気を荒くして、私は石鹸のついたままの手で涙を拭った。
…こんな自分嫌だ…
どうせ生まれてくるなら、にーにみたいな人気者が良かった。
「…ふっ…」
少し…休みたいな…
「コラ!早く入室なさい、このお馬鹿さんが!」
あ、先生が来ちゃった。
時計を見れば、もうSHRの始まる時間だ。
「すみません…」
軽く頭を下げると、私は石鹸を落として教室へと向かった。
…分かってるよ。
休めないことくらい…
- Re: こうして私は今日も嘘をつく ( No.3 )
- 日時: 2015/12/28 19:16
- 名前: 朝霞 (ID: 0iVKUEqP)
「…というわけで、1914年のカポレットの戦いで、イタリアはドイツとオース
トリアに完敗しました。何か質問は?」
一時限目は、世界史の授業。
世界史は嫌いってわけでもないけど、好きってわけでもない。
ウトウトしていると、後ろから手紙がまわってきた。
〈死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…〉
その文字が目に飛び込んできて、一瞬目の前が真っ暗になる。
泣きそうになりながら、メモ用紙を机の下で思い切り潰した。
こんなの、しょっちゅうだ。
いちいち傷ついていちゃいけない。
「…また、同じ頃リヒテンシュタインではイギリスの嫌がらせで食糧の輸入が
止まり、騒然となりました。しかし、そんな時に………
王さん、何をボーッとしているのですか。集中なさい!」
俯いていたら、怒られてしまった。
それを見てクラスメイト達は笑っている。
「……はい。すみません……」
小さく謝ると、先生は私を睨んだまま聞いてきた。
「リヒテンシュタインを助けたのはどの国ですか、答えなさい。」
リヒテンシュタイン……?
あぁ、中立国か。1914年の話だったっけ。
たしか……………
「スイスです。」
「ちゃんと聞いていたのですね。」
私が答えを述べると、先生は驚いたような素振りを見せた。
そしてまた黒板の方へと戻って行く。
…昨日予習しといて良かった…
「そこで、スイスは………」
先生が話し始めようとした瞬間に予鈴が鳴った。
みんなガタガタと勝手に席を立って行く。
「おや、話の途中ですよ!席に着きなさい!!」
先生が声を張り上げるが、アルフレッド君はもうアリーナへと足を進めていた。
バスケをするのだろう、きっと。
「…全く…。それではこの続きは来週に。」
先生は腑に落ちない様子だったが、教室を後にした。
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