二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜
日時: 2016/08/11 18:59
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

初めましてか何度目まして!春太郎です!
小説サイトでは凜太郎という名前でやってましたが、映像二次の方は初なので、折角なので、雑談で使っている春太郎に改名させていただきました!
凜太郎で馴染んでる方も、雑談の方で春太郎で馴染んでる方も、どちらも知らねえよ!というお初さんも大歓迎です!

さて、「!」を多用したところで今回から書く物の紹介ですね
今回からは、最近久しぶりに見たフレッシュプリキュアの二次小説です
大好き×100なキュアパインちゃんとの恋愛小説、ですが、色々な事情により、「新たなる刺客」というサブタイトルになりました
どんな話になるのか!皆さん、是非見て下さい!
それでは、よろしくお願いします

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Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.12 )
日時: 2016/05/29 11:49
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「ハイ、それじゃあ今日の練習はこれで終わり!」
「ありがとうございました」

 何やら戦いより疲れた様子のプリキュア達。
 3色団子(笑)の面々も額に汗を浮かべ、飲み物を飲んでいる。
 言うほどダンスというものはハードではなかった。
 やり方さえ分かれば普通にできるものだ。
 それなのに、奴等はここまで体力を消費している。強制的にダンスさせるウチホロボーセを出すことができれば、コイツ等を消耗させて倒すことができるかもしれない。
 と、そこまで考えていたところで休むために集まったメンバーの中にキュアパインがいないことに気付いた。
 少し辺りを見渡すと、ステージの階段のような物に座って一人俯く姿を発見した。
 一緒に練習?をしていて気付いたのだが、奴はプリキュアの中では一番人を信じやすい様子がある。
 口癖のように「私、信じてる」とよく言っているし、まずはアイツの信用を勝ち取ってから他にいくか

「山吹さん。どうしたの?元気ないみたいだけど」

 まずは声を掛ける。
 無難な話題からいって、徐々に親交を深めていく。

「え、あ・・・・・・龍也君・・・・・・」
「どうしたのさ。なんか、落ち込んでるみたいだけど」

 ひとまず隣に座り、水のペットボトルを渡しながら聞いてみる。
 彼女はしばらく考えた後で息を吐き、「あのね」と話し始める。

「私、元々運動とか苦手で、引っ込み思案だし・・・・・・だから、変わりたくて、ダンス始めたの」

 それはデータで知っている。

「でも、やっぱり中々変われなくて・・・・・・今日とかもミユキさんに怒られちゃうし、これからも続けられるのか、不安で・・・・・・」

 たしかに彼女は、ミユキに「ワンテンポ遅い」と怒られていた。
 この様子だと、毎日そう言われているのかもしれない。
 しかし、プリキュアを消耗できるダンスを辞められると困る。
 コイツはたしかに運動はできない。しかし、底力のようなものが計り知れないのだ。
 いざとなれば、一人でウチホロボーセを浄化しかねない。

「山吹さんは・・・・・・ダンスは楽しい?」
「え?」

 僕の問いに彼女はキョトンとした様子になる。
 少し間を置いて、「うん」と頷いた。
 考えたりもしない。まるで当然のことのように。
 これなら、アドバイスは簡単だ。

「僕はね、好きな事をするのが一番だと思うんだ。上手い下手関係なく。だから、山吹さんは山吹さんのやりたいことをすれば良いと思う」
「私の、やりたいこと・・・・・・」
「それに、山吹さんならダンス、上手くできるって、僕は信じてる」

 僕の言葉に、彼女は満面の笑顔を浮かべて、「ありがとう」と言った。
 夕日に照らされたその顔は、なんだかとても輝いて見えた。

「おーい、二人とも〜。こっち来いよ〜」

 その時、大輔がそう言ってくる。
 僕はキュアパインの手を引いて立たせて、彼等の元に走った。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.13 )
日時: 2016/05/29 15:35
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 呼ばれたので来てみると、大輔はやたらニヤニヤした顔をしていた。
 なんだ?妙に上機嫌じゃないか。キュアピーチに告白を了承してもらえたのか?

「へへっ、全員揃ったな!なぁ、明日はダンスも休みで、学校も休みだろ?」

 学校が休みなのは当たり前だろ。この世界では曜日というものが決まっており、土曜日、日曜日は休みになるという風習があるらしい。
 その土曜日が明日なのだから、休みなのは当たり前じゃないか。
 ダンスは、ミユキの仕事が入ってるから休み。
 だから何だ?

「前にさ、遊園地に皆で行ったことあったろ?人数も集まったし、久しぶりに行って見ないかなって男子で話してたんだ」

 聞かされてません。
 ということは・・・・・・なるほど。僕は男女比がちょうど4:4になるために人数合わせで連れてこられたってわけか。
 まぁ、僕がいない状態で言ったら、キュアパッションが一人余るからな。
 裏切り者なのだから、そのへんで一人でドーナツでも貪らせておくか。

「へぇー!面白そう!たまにはいいよね?美希たん、ブッキー、せつな!」

 キュアピーチはそう言って、他3人に問う。
 3人とも顔に笑顔を浮かべ、「たまにはいいかもね!」と笑っている。
 いいかもねじゃない。僕はそんな話聞かされてないぞ。

「大輔君、ちょっと」

 とりあえず僕は少し離れて大輔を呼ぶ。
 彼は何かを察したらしく、僕の所に来ると手を合わせてきた。

「頼む!一緒に遊園地来てくれ!」
「いや、遊園地に行くのは別にかまわないけど・・・・・・せめて一言言ってほしかったなぁ」

 遊園地に行くこと自体は構わないよ?キュアパッションに裏切り者の罰を与える機会が増えるからね。
 でもそれならそれで先に一言入れておくのが礼儀というものだろう。
 コイツは馬鹿か?猿なのか?微妙に猿っぽい雰囲気なくもないけど、もしかして退化を始めたか?

「ホント悪かった!遊園地も、今朝たまたまチケットが8枚手に入って、色んな人に声かけようと思っていたところにお前来たから・・・・・・」

 とりあえず、謎だった僕を誘う理由は分かった。
 でも、傍から見た所、僕はこの世界ではかなりのイケメンらしいけど、女子を取られるとか考えなかったのだろうか。そりゃ、取らないけど。

「ははっ、いいよいいよ。この町のことあまり知らないし、遊園地なんて行ったことないから楽しみだよ」
「え、遊園地行ったことないのか?」

 大輔は目を見開いてそう聞いてくる。
 あれ、もしかして遊園地って行くのが当たり前なのか?
 そもそも遊園地って何?

「あー、うん。まぁ・・・・・・ね」
「じゃあ、明日は楽しまないとな!」

 大輔はニカッと笑ってそう言う。
 正直、僕は何かを楽しいと思ったことなんてない。

「ありがとう!大輔君も明日は桃園さんともっと親密になれるといいね!」

 とりあえず笑って、そう言っておく。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.15 )
日時: 2016/05/30 12:51
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 大輔と話も終わり、僕達はプリキュア達の元に行く。
 僕が遊園地に行ったことがないということを話すと、皆驚いた様子だった。
 やはり遊園地というものは行くのが当たり前なのだろうか。
 しかし、そもそもこっちの世界は調査の時すら来なかったからな。イース達がここでFUKOゲージ溜めるって言ってたし。今じゃイースはあの頃の冷たい雰囲気も無く、普通の女子中学生になったが。

「楽しみだね!遊園地!」

 キュアピーチが笑顔でそう言うのを僕は聞き流しつつ、なんとなく町に目を向けた。
 ヘラヘラした人間ばかりの町。この町も、いずれはメビウス様の物に・・・・・・。

「ウチホロボーセ」

 どこからか、ウチホロボーセの声が聴こえた。
 スプリンガーか。そろそろ動き出す頃だとは思っていたが。

「あれは、ナケワメーケ!?」
「そんな・・・・・・そんなハズないわ!だって、ラビリンスはもう・・・・・・」
「とにかく、行きましょう!」

 困惑する様子のキュアピーチ、パッションをキュアベリーが説得し、行こうとする。
 ここで僕は考える。時間稼ぎをしないと。
 そう思い、すぐに彼女たちの前に立ち、両手を広げる。
「龍也君!?」
「君達・・・・・・まさかあの化け物の所に行くつもり?危ないよ」

 なんとか言い切る。我ながらなんてセリフを吐くんだ、と心の中で苦笑した。
 その時、肩に手を置かれる。大輔だ。

「今は時間無いからハッキリ言う。ラブ達4人は、プリキュアっていう、すごい強い奴等なんだ!あの化け物を倒せるのはコイツ等しかいねえ。だから、邪魔すんな」
「プリ・・・・・・キュア・・・・・・?」

 すごいな。僕が存じ上げてることを説明してくれたよ。
 分かってるからこそ邪魔してるのにね。

「龍也君」

 その時、名前を呼ばれた。見ると、それはキュアパインだった。
 なんで、こいつが?

「龍也君は、さっき私のこと信じてるって言ってくれたよね?私も、龍也君のこと信じてる。だから、これに関しても信じて欲しい。私達は、無事に帰って来てみせるから!」

 真っ直ぐ僕の目を見たまま、彼女はそう言った。
 なんでコイツは、ここまで人のことを———会ったばかりの人間を———信じることができるんだ?
 僕はそれに、何も言えなくなってしまい、腕を下ろした。

「急ごう!早くしないと、町が壊されちゃう!」

 走って行くプリキュアを横目に見ながら、僕は自分の手を見つめた。

「なんでそうやって・・・・・・人のことを信用できるんだ・・・・・・」

 誰にも聴こえない声で、そう呟いた。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.16 )
日時: 2016/05/30 15:13
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 町に着くと、案の上というべきか、ナケワメーケらしき化け物が暴れていた。
 しかし、それよりも私達の目を引くものがあった。

「サウラーッ!」
「ウェスタ—ッ!」

 美希ちゃんとせつなちゃんが駆けた先では、ウェスターこと西さんと、サウラーこと南さんが瓦礫の傍で倒れていた。
 二人とも今はラビリンスの衣装が白くなった服を着ている。スイッチオーバーをしたんだ。

「イース・・・・・・すまない。俺達二人でアイツを倒すつもりだったんだが・・・・・・」
「おやおやおやぁ!これはこれは、プリキュアの皆さんじゃないですか!」

 声がした方を見ると、そこにはラビリンスの服装を着た、がたいのある赤い目の男が一人立っていた。
 その姿を見た瞬間、せつなちゃんは目を見開いた。

「なんで・・・・・・なんであなたがいるの!?スプリンガーッ!」
「いたらダメなのかい?イース、いや、キュアパッション、だったかな?」

 せつなちゃんをまるで馬鹿にするかのように、スプリンガーと呼ばれた男は笑う。

「せつな!アイツは?」
「スプリンガー・・・・・・デリートホールで消去されたはずの男よ」
「なんで消去された奴が今いるの!?」
「私にも分からない!」

 困惑した様子のラブちゃんとせつなちゃん。
 どうしよう。私がなんとかしなくちゃ・・・・・・でも、どうすればいいか・・・・・・。

「とにかく、変身するよ!美希たん、ブッキー、せつな!」

 しかし、すぐに立ち直ったラブちゃんがそう言ってリンクルンを出す。
 それに合わせて私も自分のリンクルンを取り出す。
 どうせ私は皆に合わせるだけだから・・・・・・。
 プリキュアに変身した私達は、ナケワメーケと対面する。

「一気に行くよ!皆!」

 ピーチの言葉に、一気に全員で突っ込む。
 キックやパンチを食らわせ、徐々に弱らせていく。
 しばらくしてかなり弱らせたところで、キュアピーチはピーチロッドを出す。
 それに合わせて私もパインフルートを、ベリーはベリーソード、パッションはパッションハープを出す。
 そして技をぶつける。動きが止まったナケワメーケに一気に攻めるようにラッキークローバー・グランドフィナーレを決める。
 ここまでやれば倒せたはず、と思った。
 しかし、ナケワメーケは平然とそこに立っている。

「なんで・・・・・・?」
「甘い甘いッ!ジュースより甘いッ!貴様らが考えてるナケワメーケじゃねえんだよコイツは!ま、『シーザー』はウチホロボーセと呼んでいたがな」

 シーザーと聞いた瞬間、パッションは明らかに驚いた様子になる。
 いや、パッションだけじゃない。私を含めた全員が、同じ様子になったに違いない。

「そんな・・・・・・なんでシーザーの・・・・・・」
「真相を知るのは、勝者の特権だぜ?敗者は黙って、靴でも舐めてなッ!」

 その言葉と同時に、ウチホロボーセとやらは自身の体から缶のようなものを撃ち始めた。
 それは私達に降り注ぎ、吹き飛ばされる。
 建物に背中を打ち付け、蹲る。
 そこにさらに、缶が飛んでくる。
 近くの建物は半壊し、私たちは倒れ込む。
 メビウスと戦った時の、敗北感が襲ってくる。
 ごめんなさい、龍也君。信じてくれてたのに、勝てなくて・・・・・・。

「ま、だよ・・・・・・」

 その時、フラフラとピーチが立ち上がる。

「明日は、皆で遊園地に行くんだから・・・・・・」
「そうね・・・・・・明日は、8人で行くのよね・・・・・・」

 ベリーも立ち上がる。
 そうだ。諦めたらダメだ。
 私も足に力を入れて、なんとか立ち上がる。

「明日、全員で行けるって・・・・・・私、信じてる!」
「まだまだ・・・・・・精一杯頑張るわ」

 パッションも、全員が立ち上がった。
 まだ足もふらつくし、意識だって朦朧とする。
 でも、絶対負けない!

「あっははははッ!お前ら馬鹿すぎるだろッ!今更立ち上がって何ができるって言うんだッ!なーんにもできねえだろうがよッ!」
「プリキュア頑張れーッ!」

 その時、どこからか声がした。
 見ると、建物の影から大輔君達が叫んでる。

「頑張れーッ!」「プリキュアーッ!」「頑張れーッ!」

 町の色々なところから、声援が集まってくる。

「私達の大好きな町を・・・・・・守ってみせるッ!」

 ピーチがそう叫んだ時だった。

「キュアキュアプリプーッ!」

 いつの間にか、シフォンちゃんが宙に浮いていた。
 なんでシフォンちゃんが!?

「アカンってシフォンッ!戻ってきいッ!」

 タルトちゃんが瓦礫の影からそう叫んでいる。
 しかしシフォンちゃんはそれを聴かず、宙に浮いたまま笑っている。
 どうしたのかと思っていたが、突然、ピーチを桃色の光が包む。

「これは・・・・・・ッ!」

 驚いた様子のキュアピーチ。しばらくして、彼女の胸から白いピックルンが出てきた。
 やがてそれは、鍵のようなものになりピーチの手に収まる。
 それをリンクルンに差すと、彼女はメビウス戦の時のように、キュアエンジェルに変身した。

「なんで・・・・・・キュアエンジェルに・・・・・・?」
「ウチホロボーセ」

 そこにウチホロボーセが一気に迫ってくる。
 しかし、ピーチはそれをパンチ一つで跳ね返してしまう。

「これが・・・・・・私?」
「ピーチッ!技をッ!」

 ベリーの言葉に彼女は頷き、「想いよ届け!プリキュア・ラビング・トゥルー・ハート」と言った。
 すると、空に大きな白いハート型のオーラが現れ、手から白い光が放たれた。
 するとウチホロボーセは浄化して消えていき、ボロボロの自販機が残った。

「チッ・・・・・・!次こそは・・・・・・ッ!」

 スプリンガーはそう言うと、どこかに消えていった。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.18 )
日時: 2016/05/30 16:59
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 戦いも終わり、私たちはカオルちゃんのドーナツ屋さんでいつものようにドーナツを食べていた。

「でね、なんかハートがガーッとなってドバーンってなってぇ!」

 先ほどから、何やらラブちゃんはキュアエンジェルになった時の迫力を熱心に語っている。
 しかし、8割が擬音なので正直全く理解ができない。

「あれって、メビウスを倒した時のやつだよね!?」
「せや。キュアエンジェル。エンジェルピーチはんや」

 タルトちゃんの説明を聞いて、パァァァと顔を輝かせるラブちゃん。

「そういえば、結局キュアエンジェルって何なの?」
「それはわてにも分からへん。そもそも、白とか聞いたことあらへんしな。ただ、ピーチはんの町の皆を愛する気持ちが、具現化したんやと思う」

 よく分からない説明だ・・・・・・。
 つまり、ラブちゃんの愛の結晶ってことなのかな?

「まぁつまりは、大好きなものが壊されてピーチはんの愛の力が発動したとか、そんなところやろ」

 サッパリ分からない。

「でもホント、無事で良かったよ」

 龍也君は安心した様子でそう言う。

「心配させてごめんなさい」
「いやいいよ。無事だったんだし、桃園さんには新しい力が備わったみたいだからね」

 彼はそう言うと立ち上がり、ゴミをゴミ箱に捨ててニコッと笑う。

「じゃあ僕はもう帰るね。バイバイ」

 龍也君の後ろ姿を見送りつつ、私は3人に目を向ける。
 すると、何やらニヤニヤした様子で私を見ていた。

「えっと・・・・・・?」
「ブッキーって、恋が関わると意外と積極的なんだね〜?」

 数秒、ラブちゃんの言葉を整理するのに時間が掛かった。
 しかし、恋という単語を聞いた瞬間、羞恥心が込み上げてくる。

「何言ってるの!?私、別にそんなつもりじゃないし・・・・・・」
「明日は楽しみだね〜?龍也君と一緒に遊園地」
「だから違うってば!」

 なんでそういうことになるのか分からない。
 私はただ、心配してくれた龍也君に謝罪しただけなのに。
 でも、こうして考えると男子に自分から返事とかしたの初めてかもしれない。
 さっきちょっと話したからかな?

「あはは!でも、明日は楽しもうね!遊園地」

 笑顔で言うラブちゃんに、私は頷く。
 そうだ。明日は皆で久しぶりに遊園地に行くんだ。
 今から楽しみだなぁ。

−−−

「スプリンガー君。折角僕が力を与えたのに、なぜプリキュアを倒せないんだい?」

 椅子に座ったシーザーは、紅茶を飲みながらそう言う。
 スプリンガーは顔をしかめてそれを聞く。

「一応FUKOのゲージは溜まったんだから、別にいいだろ」
「ペースが遅いんだよ。サウラーとか、イースとかと同じペースでやっててどうするんだ。アイツらとはゲージの大きさが違うんだぞ」
「仕事ができない男はモテませんのよ〜」

 ソファに優雅に腰かける幼女、ファルーラはそう言って口に手を当てて笑う。
 スプリンガーは顔を真っ赤にし、怒鳴る。

「そんなに言うならてめえらが動けよッ!」
「上司に命令しないでよ〜。それに、僕は明日は無理だよ。プリキュア達と約束があるからね」

 シーザーの言葉を聞いた二人は、ピクリと眉を動かす。
 まぁ、そりゃ当然だろう。
 自分達の上司である少年が自分達の敵であるプリキュアと約束があるとか言い出すのだから。

「プリキュアと?」
「約束、ですの?」
「うん、遊園地とやらに遊びに行くんだ」
「へッ、良いご身分でございますなぁ!我らが上司様は可愛い女の子達とデートですか!」

 挑発するように嘲笑ったスプリンガーの肩に手を置き、シーザーは『笑った』。

「それ以上調子に乗ると・・・・・・僕、怒るよ?」

 殺気の籠った笑顔にスプリンガーだけでなく、ファルーラも恐怖に顔を青ざめさせる。
 それを見たシーザーは殺気の抜けた明るい笑顔を浮かべ、「もし次に調子に乗ったら、君は死刑ね」と笑っていた。


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