二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜
日時: 2016/08/11 18:59
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

初めましてか何度目まして!春太郎です!
小説サイトでは凜太郎という名前でやってましたが、映像二次の方は初なので、折角なので、雑談で使っている春太郎に改名させていただきました!
凜太郎で馴染んでる方も、雑談の方で春太郎で馴染んでる方も、どちらも知らねえよ!というお初さんも大歓迎です!

さて、「!」を多用したところで今回から書く物の紹介ですね
今回からは、最近久しぶりに見たフレッシュプリキュアの二次小説です
大好き×100なキュアパインちゃんとの恋愛小説、ですが、色々な事情により、「新たなる刺客」というサブタイトルになりました
どんな話になるのか!皆さん、是非見て下さい!
それでは、よろしくお願いします

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Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.24 )
日時: 2016/06/01 09:17
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 ウチホロボーセを倒した私達と大輔君達は、その後するに合流した。

「ラブ、大丈夫だったか!?」
「ん。大丈夫だよ〜。これくらい」

 心配する大輔君にラブちゃんは、笑顔でそれに応答する。
 気のせいかな。二人の距離が、今朝よりも少し近いような気がする。

「せつな。無事で良かったよ・・・・・・ていうか、美希さん!?なんでここに?」
「弟の体調が早く良くなったのと、ウチホロボーセが現れたってブッキーが言っていたから、来たの。ダメだったかしら?」
「いえ!そんなことないです!むしろ、めっちゃ、嬉しいです!」

 いつものように落ち着いた雰囲気で対応する美希ちゃんに、祐喜君は緊張した様子で応える。
 それを見て、せつなちゃんはクスクスと笑っている。

「山吹さん、ごめんね。僕がトイレに行っている間にウチホロボーセとやらが出てきたらしくて・・・・・・心配かけちゃったよね?」
「え?ううん!大丈夫だよ!それより、無事で良かった」

 やや疲れた様子で言う龍也君に、私は両手を顔の前で振って答える。
 龍也君が謝る必要なんてない。怪我も特にないみたいだし、無事だったならそれでいい。
 しかし、そんな私を見てラブちゃんは何かを勘違いしたらしく、ニヤニヤと笑ってこちらを見ている。
 だからそういうのじゃないって、何度言えば分かるんだろう。

「じゃあ、もう遅いし帰ろうか」

 誰かがそう言ったのに私達は頷き、帰路につく。
 赤い夕陽が、私達の姿を照らす。

−−−

 廃学校の前で龍也はスイッチオーバーと言う。
 シーザーとなった彼は学校に入る。
 1つの教室に入れば、そこには教室の面影は無く、洋式の部屋の造りになっている。

「ケ、人のこと言えねえじゃねえかお前。FUKOのゲージ、大して溜まってなかったぞ」

 そこにスプリンガーが茶化すように言う。
 しかし、いつもならそれを殺気で脅すなどして黙らせるシーザーはそれに何も反応も無く、ソファに座って自分の手で顔を覆った。
 二人も彼の異変に気づいたらしく、顔を見合わせて首を傾げている。
 アイコンタクトで、「シーザーはどうしたんですの?」「俺に聞くなよ」的な会話をしている。
 その時、スプリンガーはシーザーの変わった部分を見つけた。
 彼の指には、絆創膏が貼られていた。
 まるで彼に寄り添うように、締め付けず、緩すぎず、ピッタリと。

「おい、その指の怪我はどうした?」
「・・・・・・別に」

 短い一言。
 冷たいと言うよりは、照れ隠しのような印象を受けた。
 彼は手で顔を覆ったまま、自己暗示のように、「僕は、メビウス様が下僕」と何度も呟いていた。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.25 )
日時: 2016/06/01 22:08
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 今日もダンスが終わって、いつもと同じようにカオルちゃんのドーナツ屋さんで4人で集まってドーナツを食べながら話していた。
 お題はもちろん、私がキュアエンジェルになった件についてと、シーザーが現れた件について。

「ひとまず、パインはんはエンジェルパインはんになれて良かったな」

 ドーナツをかじりながら、タルトちゃんはそう言う。
 それにシフォンちゃんも「プリプー」と言って笑った。

「ありがとう・・・・・・でも、結局私はなんでエンジェルパイン?になれたのかな」

 私は粉砂糖をたっぷり乗せたドーナツを少しかじってからそう呟く。
 それを聞いたタルトちゃんは私を指差して、「ピーチはんと同様、愛の力や」と自信満々な様子で言った。

「愛って・・・・・・何に対する?」
「そりゃもちろん動物への愛やわ〜。あの広場の動物さん達に対する愛が、エンジェルパワーを呼び寄せたんや。いやはや、あの時のパインはんの迫力はワイもビビったで〜」

 どこか遠い目で言うタルトちゃん。
 たしかに、シーザーに対して怒りは抱いたし、今だって思い出すとムカムカする。
 でも、言うほど怒ってたかな?

「怒ってたよ〜ッ!すっごい目力でシーザーのこと睨みつけて、許さないって言ってたよ!」

 ラブちゃんが身を乗り出して言うのを、横に座っていたせつなちゃんが座らせてさりげなくラブちゃんの口にドーナツを咥えさせた。
 すごい・・・・・・なんて自然な動作だ。

「もごもごもごッ!」
「でも、キュアエンジェルになれたとしても、シーザーが倒せるかは分からない。実際、ラブがエンジェルピーチになった時も、中和されていたわ。多少は・・・・・・押せていた部分もあったけど」

 せつなちゃんはそう言ってジュースを飲む。
 たしかに、吹き飛ばされているのは見たけど、目立った怪我は見えなかった。

「せや。でも、パインはんもキュアエンジェルになれたんやし、ベリーはんとパッションはんもキュアエンジェルになれれば、シーザーだって倒せるハズやで」

 タルトちゃんはそう言うが、実際にどうすればいいのかは分からない。
 私はそれに俯いてしまう。

「あーもう!こうやって座って考えててもキリがないよ!美希たんとせつなは、とにかく特訓しよう!」

 その時、ラブちゃんはいきなり立ち上がってそう言うと、美希ちゃんとせつなちゃんの手を引いてステージの方に歩いて行ってしまう。
 特訓してどうにかなるものなのかは分からないし、そもそも特訓って何をするのかも分からない。
 運動が下手な私でもなれたのだから、関係なんてないように思えるけど・・・・・・。

「ラブちゃんらしいね」

 クスッと笑ってから、私も立ち上がり、皆の元に駆けよる。
 これからどんな敵が現れるのかも、どんな未来が分かっているのかも分からない。
 でも、4人で支え合えば、どんな困難でも越えられるって・・・・・・———

「———私、信じてる!」

 私は小さい声で呟き、さらに足を進めた。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.26 )
日時: 2016/06/02 18:30
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 今日は練習はもう終わったというのに、プリキュア共はまた何やらし始めた。
 特訓だとか言っていたが、結局はダンスだ。
 主にキュアピーチが馬鹿なせいで、奴らはキュアエンジェルとやらになるためにダンスをするらしい。
 彼女達からすれば時間の無駄だが、こちらからすれば好都合だ。
 しかし・・・・・・。

「なぜ、アイツまで一緒にダンスをするんだ?」

 キュアパイン。奴は、すでにキュアエンジェル化しており、正直、プリキュア共とダンスをする理由は無いように感じる。
 無論、僕からすれば好都合なのだが、奴にとっては時間の無駄ではないのだろうか?
 そこまで考えて、なぜか自分がキュアパインのことばかり考えていることに気付く。
 慌てて首を横に振ってそれを否定する。
 何を考えているんだ、僕は。奴は敵なのだ。
 僕は立ちあがり、胸の前で拳を擦り合わせる。

「スイッチ・・・・・・オーバー」

 両手を広げ、ラビリンスの服装になる。

「我が名はシーザー。ラビリンス総統、メビウス様が下僕」

 胸の前に漆黒のダイヤを作りだし、プリキュア達が使っている音を出す機械に向けて放つ。
 それは大きくなり、やがてウチホロボーセになる。

「シーザー・・・・・・ッ!」

 こちらを見るプリキュア達。
 というか、キュアパイン目力ヤバいな。覇王かよあの目。
 この前エンジェル化した時もこちらを睨んでいたけど、あの時はウチホロボーセの体とかでよく見えなかったんだよな。
 下手したら怒らせたら一番怖いのってアイツかもしれない。

「大事な道具をよくも・・・・・・ッ!いくよ!美希たん、ブッキー、せつな!」
「えぇ!」
「うん!」
「分かったわ!」

 キュアピーチの言葉に3人は返事し、変身する。
 プリキュアとなった4人は、ウチホロボーセに向かって一気に突っ込む。

「プリキュア、クアドラプルキック!」

 4人のキックを決められ、体が揺らぐウチホロボーセ。
 しかしすぐに体勢を立て直し、爆音でノイズを発する。
 それを四方にかわしたプリキュアは、敵の周りを走り始める。

「ダブルプリキュアパンチ!」

 そこでキュアパインとキュアベリーが同時にパンチをする。
 相変わらず、見事としか言いようのないコンビネーションだな。
 まずはコイツ等の友情を壊すのが先か。

「くくッ・・・・・・」

 僕の口から笑いが零れる。
 ありがとう、プリキュア。君達が素晴らしいコンビネーションをしてくれたおかげで、新たなアイデアが浮かんだよ。
 そう思って、踵を返そうとした時だった。

「想いよ届け!プリキュア!ラビング・トゥルー・ハート」

 振り返ると、そこでは桃色のハートがウチホロボーセを包み込み、浄化しているところだった。
 コイツ等、強くなってるな・・・・・・。ウチホロボーセを倒す速さが上がっている。

「早く手を打たないとな」

 僕は呟き、その場を立ち去った。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.27 )
日時: 2016/06/02 21:59
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「えっと、つまりプリキュアの絆をぶち壊すことができれば、勝てるって言いたいのか?」

 スプリンガーの言葉に、シーザーは頷く。
 プリキュアの生活に馴染んで一週間が経過し、今日の戦いからも得た勝つ秘訣。
 プリキュアの絆は固い。
 しかし、それを壊すことができれば、倒すことは容易いだろうということだった。

「だったら私にお任せ下さいませ」

 ファルーラはそう言うと、スイッチオーバーをした。
 そこには、金髪に白とピンクの派手目なフリフリのワンピースを着た少女が立っていた。
 彼女はニヤリと笑い、「私が奴等の友情を、ぶち壊してやりますわ」と言った。

−−−

「はい、そこでターン。祈里ちゃんは1テンポ遅い。美希ちゃんは肩から力抜いて〜。はい、ポーズ」

 曲が終わり、皆ポーズを決める。
 そこでミユキさんは、「じゃあ今日の練習はおしまい」と言った。
 今日も・・・・・・同じことで怒られてしまった。
 落ち込む私に、皆は気にするなといった感じで慰めてくれるが、その優しさが逆に辛い。
 皆の足を引っ張ってしまうのが、悲しい。
 私は鞄を持って、「じゃあ、先帰るね」と皆に言って先に公園を出た。
 帰って家でも練習しなくちゃ・・・・・・皆の足手まといになっちゃう。
 そう思って歩いていたんだけど・・・・・・。

「何、ここ・・・・・・」

 周りは濃い霧で覆われ、前も後ろも分からない。
 一度止まって周りを見渡してしまえば、さっきまで自分がどこを歩いていたのかも分からない。
 しばらく立ち止まっていた時、霧が晴れ始めた。
 そこは、四面を鏡で囲まれた部屋だった。

「ここは・・・・・・?」

 その時、自分の真正面の鏡の中の自分が歪み始める。
 そこには、ラブちゃんがいた。

「ブッキーってさぁ、ハッキリ言って邪魔だよね〜。ダンス台無しになるっていうかさ。あんなのがいたら、幸せゲットできないよ」

 意地の悪い笑みを浮かべ、彼女は言う。
 違う、違うよね・・・・・・?嘘、だよね・・・・・・?
 目を逸らした先にあった鏡の中の私も歪み、美希ちゃんになる。

「分かる。ブッキー、鈍くさいもんね。アレがいたんじゃ、あたし完璧に踊れないよ」

 私はそれを見て後ずさりをする。
 しかし、背後にも鏡はあって、それにぶつかる。
 振り返ると、その中の私の姿も歪み、せつなちゃんになる。

「そもそも、なんであんなの誘ったのよ。アイツがいたんじゃ、精一杯頑張っても意味ないじゃない」
「だって、3人いないと迫力ないって、ミユキさんが言うんだもーん。他にやりそうな奴、いなかったし」
「もう3人いるし、もう辞めてもらおうよ」

 やめて・・・・・・もうやめて・・・・・・。
 私は耳を塞いで蹲る。
 しかし、まるで彼女たちの声が耳にへばりついてしまったかのように、聴こえてくる。
 涙が溢れてくる。こんな風に思っていたの?みんな、みんな・・・・・・。

「みんなわたしのことなんか、なんともおもってない」

 後ろから声がする。
 見ると、私がいた。
 ラブちゃん達のように、意地の悪い、嫌な感じのニタッとした笑みを浮かべて。

「なんで・・・・・・」
「どりょくなんてしても、いみはない。もう、だれもしんじられないよ」

 その言葉は、まるで水がしみこむように、私の心に沈み込んでいく。
 違う・・・・・・皆は・・・・・・私は・・・・・・———。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.28 )
日時: 2016/06/03 18:13
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 私が出した鏡のウチホロボーセの霧により、キュアパインは幻に包まれている。
 彼女の中でこんなことを言われたら悲しいというイメージを具現化し、映し出し、やがて仲間への信頼を壊す。
 完璧な作戦・・・・・・。

「これなら、シーザー様も・・・・・・私のことを認めてくれますわよね?」

 正直、メビウス様のことはどうでも良い。
 しかし、シーザー様が奴を蘇らせたいというのならば、私に従おう。
 彼は特別。メビウス様が消えて途方に暮れていた私を救ってくれた恩人。
 私は彼が好きだ。だからこそ・・・・・・キュアパイン。貴女は許しません。
 シーザー様がプリキュアに関する報告をする時、彼女のことを話す時だけ僅かに嬉しそうに話しているのを、感じる。彼女に関するデータだけ多いのも、感じる。
 だからこそ、許せない。私からシーザー様を奪った貴女だけは。

「絶対にこの手で・・・・・・」

 そう思っていた時だった。
 プリキュア達が走ってくるのが見えた。

−−−

 目の前には、濃い霧。よく見れば、中にキュアパインがいるのがギリギリ視認できる。
 ファルーラか。どんな作戦なのかは分からないが、大掛かりだな。

「オホホホッ!プリキュア!よく来ましたわね!で、も。キュアパインはすでにこの中!助けに行くことはできませんわ!」
「お前は、ファルーラッ!貴方もシーザーに従っていたのね」
「裏切り者が気安くシーザー様を呼び捨てにするんじゃありませんわ」
「とにかく、あのウチホロボーセを倒せばブッキーも助け出せるはずだよ!行くよ、美希たん、せつな!」

 そんな会話を経て、プリキュアに変身する3人。
 そこに襲い掛かる鏡のウチホロボーセ。
 僕はそれを誰にも気づかれない物陰から眺める。
 4人でギリギリ倒せている相手。それに3人で勝つという事は不可能なのではないだろうか。
 あぁ、不可能だ。これは、僕達の勝利が確定したと言っても過言ではない。
 キュアパインは、戦いの後で始末すればそれで・・・・・・。

『無事で良かった!』

 ・・・・・・脳裏によぎる、彼女の顔。
 笑顔、とかいうんだったか。あの顔が瞼の裏に浮かび上がってくる。
 柔らかそうな茶髪に、白い肌、ふにふにしていそうな頬。

「・・・・・・違う」

 僕はラビリンスの最高幹部なんだ。プリキュアの敵で、世界を不幸で溢れさせなければいけないだ。
 ・・・・・・本当に、それは僕がやりたいことなのか?
 あれ?僕がやりたいこと?僕はメビウス様に支配される存在。あのお方の為に働く駒でしかない。それは分かっているのに。

「・・・・・・ごめん。ファルーラ・・・・・・」

 今日だけは、敵にならせて。
 後で責めてくれても構わない。いくらでも罵倒してくれていい。
 なんなら、暴力だって振ってくれても良い。
 でも、今だけは・・・・・・自分のやりたいことを、させて欲しい。
 僕は濃い霧の中に、ゆっくりと足を踏み入れた。


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