二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜
- 日時: 2016/08/11 18:59
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
初めましてか何度目まして!春太郎です!
小説サイトでは凜太郎という名前でやってましたが、映像二次の方は初なので、折角なので、雑談で使っている春太郎に改名させていただきました!
凜太郎で馴染んでる方も、雑談の方で春太郎で馴染んでる方も、どちらも知らねえよ!というお初さんも大歓迎です!
さて、「!」を多用したところで今回から書く物の紹介ですね
今回からは、最近久しぶりに見たフレッシュプリキュアの二次小説です
大好き×100なキュアパインちゃんとの恋愛小説、ですが、色々な事情により、「新たなる刺客」というサブタイトルになりました
どんな話になるのか!皆さん、是非見て下さい!
それでは、よろしくお願いします
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- Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.35 )
- 日時: 2016/06/05 17:05
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
船上パーティ。文字通り、船の上で行われるパーティだ。
僕たちは御子柴家から貸し出されたタキシードを身にまとい、船の前で女子たちを待つ。
しかし・・・・・・。
「ねぇねぇ、あの子かっこよくない?」
「モデルかなぁ」
「子役かも」
「アイドルでしょ」
さっきから周りの視線が痛い。
そりゃ自分のかっこよさに関しては自覚してるが、ここまでジロジロ見られると気持ち悪い。
「くっそぉ・・・・・・やっぱイケメンはモテモテでずりぃ・・・・・・」
祐喜や大輔は悔しそうに僕を見ている。ちなみに健人は責任者のため、現在は船の中で色々準備をしているらしい。
そう言われてもなぁ。僕だって好きでこの顔なわけじゃないし。
「あ、来たよ」
話を逸らそうと周りを軽く見まわしたときに、遠くからプリキュア共が来るのが見えた。
プリキュア時とは違い、皆足が隠れるロングスカートのドレスを着て歩いてくる。
「遅れてごっめーん!大輔、待った?」
「ま、待ってねえよ・・・・・・」
ピンク色のドレスを着たキュアピーチに顔を覗き込まれ、大輔は顔を赤くして目を逸らす。
恋人なんだから誉めればいいのに。本当に、この世界の人間の考えていることはよくわからない。
「うおー!美希さん今日は一段ときれいです!」
「あら、ありがとう。祐喜君も、似合ってるわよ。タキシード」
それに対し、祐喜はキュアベリーを誉めまくってる。
とはいえ、キュアベリーからすればそれは大したことではなく、クスクスと笑っている。
その時、服の裾を少し引かれた。
見ると、キュアパインが顔を真っ赤にしてうつむいていた。
「山吹さん・・・・・・どうしたの?」
「龍也君。このドレス、どうかな?似合ってるかな」
不安そうに小さく言ってから、クルリとその場で一回転。
その後で恥ずかしそうにはにかむ。
服を誉めるのは僕じゃなくて健人の役目な気もするが、残念ながら彼は現在準備中。
仕方がない。誉めてやろうじゃないか。
「うん。すごく似合ってるよ、山吹さん」
僕が笑って見せると、彼女はパァァと笑顔になった。
その顔を見た瞬間、ドクンと心臓が高鳴る。
何を考えているんだ僕は。こいつは敵だ。倒さなければいけない人間なんだ。
「じゃあもう行こうぜ」
大輔の言葉に、僕たちは船に乗り込んだ。
- Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.36 )
- 日時: 2016/06/05 21:14
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
どこを見ても、人、人、人。
どの人も煌びやかで、私はたじろいでしまう。
「わー!野球選手の前田選手に、アイドルの梶山君だぁー!」
「ラブ落ち着いて。一緒にいて恥ずかしいわ」
「え!?」
「まぁ、みっともないわね」
「美希たんまでー!?」
はしゃぐラブちゃんを宥める美希ちゃんとせつなちゃん。
それを後ろから眺める私。
3人はどんどん歩いていく。
私はおぼつかない足取りで、なんとか追いつこうとする。
しかし、届かない。どれだけ歩いても、彼女たちに届かない。
慣れないドレスのせいか、いつものように動けない。
そう思っていたとき、スカートの裾を踏んでしまい、転んでしまう。
「どうしたの?この子」「大丈夫ですか?」
「怪我は無い?」「顔色悪いけど、具合でも悪いの?」
転んだ私を心配した人たちが、集まってくる。
遠くにラブちゃんたちの姿が見えるが、行けない。
意識は朦朧として、気が遠くなるような、そんな感覚が・・・・・・。
「山吹さん!」
人ごみを掻き分けて、彼は来てくれた。
私の手を取り、立ち上がらせてくれる。
そのまま人の波を避け、外まで連れ出してくれた。
「龍也・・・・・・君・・・・・・」
「大丈夫?具合悪いみたいだけど・・・・・・人に酔ったのかな?」
私の顔を覗き込む彼。
急接近してきた彼の顔に、私の顔は熱くなる。
鼓動が早くなって、周りの音が遠くなるような感覚になる。
「ここって景色良いね〜。風にでも当たれば、多少は平気になるでしょ」
落ちないようにできた柵に寄りかかりながら、竜也君は言った。
私はその隣に行き、海を見る。
太陽の光を反射し、キラキラ光る海。
その光が眩しくて、私は目を細めた。
「太陽眩しい?」
「ううん、平気。大丈夫」
私が笑うと、彼も安心した様子で口を綻ばせた。
今日はタキシードを着ているせいか、いつもより大人に見える。
その時、風が吹く。
潮風が吹き荒れ、私と彼の髪を揺らし頬を撫でる。
「わ、髪が」
その時、目の前に影が現れる。
竜也君だった。
彼は風から私を庇うように抱き寄せる。
「な、なんで・・・・・・?」
「風のせいで、髪乱れてるよ・・・・・・。潮風のせいで傷んだら、綺麗な髪なのに、勿体ない」
そう言って、まるで髪を整えるかのように私の頭を撫でる。
まるでガラス細工を扱うかの如く、丁寧に、優しく、そっと。
「これで多少はマシに、なったかな?」
彼はそう言って笑った。
そういう彼の髪は乱れて、ボサボサになっている。
それはなんだかワイルドな感じがして、これはこれで好きだった。
「龍也君も、ボサボサだよ」
私は背伸びをして、彼の髪を撫でた。
うまくできたかは分からないが、さっきよりはマシになったと思う。
「ははは・・・・・・うん。ありがとう」
私たちは笑いあった。
しばらく笑った後は、海を眺めていた。
静寂が流れ、風の吹く音だけが、聴こえてくる。
「それじゃあ・・・・・・そろそろ行こうか。風、強くなってきたし」
また風が強くなりそうな時に、彼は言った。
私がうなずくと、彼は私の手を握って歩いていく。
その手は暖かくて、安心できた。
だから私は、その手を強く握り返した。
- Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.37 )
- 日時: 2016/06/06 19:21
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
キュアパインはあの後で、プリキュア達と合流した。
その後でどんな会話をしたのかも覚えてない。
ただ、適当に受け流して、ひたすら今まで歩き続けていたような気がする。
気が付けば、船のどこかの廊下で僕は一人立っていた。
「何やってるんだろう・・・・・・僕」
気付けば、彼女を助けていた。青い顔をして倒れる彼女を、救っていた。
あのまま放っておいて不調にさせれば良かったのに。僕は彼女の手を取っていた。
それだけじゃなく、その後も・・・・・・。
「はぁ・・・・・・」
ため息を漏らし、僕は壁に背中をつけてしゃがみ込む。
自分がメビウス様の下僕であることも、プリキュア共とは関わってはいけないことも、分かっているんだ。
でも、彼女の前だと、自分らしくなくなるというか、彼女のことを守りたくなるというか。
「ほんと、ありえねえよな」
声がした。
顔を上げるとそこには、腕を組んで僕を見下ろすスプリンガーの姿があった。
「なんでお前が・・・・・・ッ!?」
「は?FUKOを集めるために船にこっそり乗り込んだんだよ。そう言うお前は、ここで何してるんだよ?なぁ、四季龍也君?」
そう言って、嘲笑する。
その顔を見た瞬間、怒りよりも罪悪感が胸の奥から溢れてくる。
そうだよなぁ。彼女に恋をするということは、こいつらを裏切ることになるんだから。
「・・・・・・うるさい」
「ハッ!笑わせてくれるね君は!ラビリンスの最高幹部様が、メビウス様を滅ぼしたプリキュアに恋?笑えない冗談だ。いや、笑える現実じゃぁないか!」
両手を広げ、わざとらしく大きな声で言う。
僕は怒り任せに彼の胸倉をつかみそうになるが、悪いのは全部僕。
結局、目を逸らすことしか選択肢は残されていなかった。
「今日はお前が散々やれやれ言ってたから俺がウチホロボーセを出すけど、せめて邪魔はするなよ?それすらもできないならお前はもう、役立たずだ」
そう言って去って行くスプリンガー。
一瞬瞬きをした瞬間、彼は先ほどのタキシードとは違い、ラビリンスの服装をしていた。
僕はその後ろ姿を見送った後で、さらにため息を吐く。
言い方が悪いだけで、彼の言ったことは何一つ間違っていない。
そう・・・・・・。
「間違ってないから、困るんだよ・・・・・・」
僕は自嘲し、ゆっくりと俯いた。
もし僕が彼女のことを好きだとして、彼女は僕をどう思うだろうか。
『四季龍也』なら、多少の好意は持ってくれているはずだ。
でも、僕の本性は『シーザー』。彼女は、『シーザー』は嫌いだったはずだ。
「僕は・・・・・・何がしたいんだったかな・・・・・・」
僕はうつむいたまま、泣いた。
目から零れる雫を手で拭いながら、嗚咽を漏らす。
誰か・・・・・・これからどうすればいいのかを、教えてください・・・・・・。
- Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.38 )
- 日時: 2016/06/06 21:51
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
龍也君のおかげで、ラブちゃんたちと再会できた。
しかし、しばらくみんなと話していて、気付いたら彼はいなかった。
トイレかな?と私は能天気に考えていた。
その時だった。
「我が名はスプリンガー!ラビリンス総統、メビウス様が下僕」
赤い目の男がそう言って胸の前に赤いダイヤを出現させた。
黒い線が入ったそれは、真っ直ぐ天井から吊り下げられていたシャンデリアに突き刺さる。
そして赤黒い光に包まれ、ウチホロボーセになる。
「なんでこんな時に!」
ラブちゃんはそう言いつつリンクルンを取り出した。
私たちも取り出し、変身をする。
戦うより前に、船に乗っているみんなを非難させなくちゃ。
「皆さん落ち着いてください!できるだけ一ヶ所に集まって、プリキュアの指示に従ってください!」
その時、どこからか現れた健人君がそう叫びながらゲストの皆さんをまとめ始める。
これで一安心かと思ったとき、集まりつつあるゲストの中に龍也君がいないことに気付いた。
「龍也君は!?」
「さっき、廊下で見ましたけど・・・・・・」
「え・・・・・・ッ!?」
私は誰かが何かを言う、何よりも前に走った。
探さなくちゃ。その一心で、私は必死に駆けた。
だって、私は彼のことが・・・・・・———。
−−−
どこからか、何かが暴れる音が聴こえる。
僕は立ち上がり、そこに向かって一歩ずつ歩いた。
スプリンガーのウチホロボーセか。しかし、こんな船の中で暴れさせたら、僕にまで危害が及ぶじゃないか。
「・・・・・・それが狙いか・・・・・・」
僕はそう呟き、息を吐いた。
裏切者は早急に殺さなくてはいけない。そう考えているのだろう。
そうだよなぁ・・・・・・。僕は、メビウス様を裏切ったことになるのかもしれない。
それならいっそのこと、ここで死んでしまえば楽になれるのかもしれない。
ウチホロボーセが暴れているのだろう。床が揺れ、ビリビリとした感覚が足の裏から走る。
先の見えない廊下。それはまるで、今の僕を暗示しているようで、僕の人生を見ているような気がして。
「龍也君!」
そしてその先に・・・・・・君はいた。
彼女は———キュアパインは、汗を流しながら、僕に駆け寄ってくる。
「やまぶきさ・・・・・・ッ!?」
「大丈夫!?今、ウチホロボーセが暴れていて、パッションの瞬間移動で客を非難させるから、行こう?」
そう言って僕の肩に触れる。
僕は咄嗟にその手を弾いた。
「えッ・・・・・・」
「あ、いや、これはその・・・・・・」
自分でも反射的な行動だったので、驚いてしまう。
しかし、彼女はそんな僕に優しく笑いかける。
なんで・・・・・・なんでそんなに、僕に優しく笑えるんだよ?
「ごめん。驚かせちゃったかな?でも、時間がないから。いこ?」
そう言って僕の手を握って、歩く彼女。
小さくて華奢な背中を、僕は追いかけることしかできない。
僕は、どうすればいいんだ?
感謝すればいいのか?拒絶すればいいのか?泣けばいいのか?笑えばいいのか?喜べばいいのか?怒ればいいのか?僕は。
僕は・・・・・・何をすればいいんだ?
「龍也。おせーぞ!」
大輔達が不満げに言う。
「あれ・・・・・・ほかの人たちは?」
「先に移動させたらしい。ウチホロボーセもな」
「君たちは・・・・・・?」
「お前を置いて行けねえだろ。友達なんだからな」
友達。その言葉は不思議と僕の心に響いてくる。
なんで・・・・・・こいつらは・・・・・・。
「・・・・・・ごめん」
目の奥から込み上げてくるものを、必死に抑える。
これを流してしまったら、僕はもう戻れないような気がするから。
「良いって。っと、パッションが来たみたいだから、行くぞ」
赤い光に包まれながら、僕は考える。
ここにいたら、僕は僕でなくなってしまう。
早くケリをつけよう。そして、メビウス様が蘇ったら、僕も管理してもらえばいい話だ。
大丈夫。僕なら、やれるよ。
だって僕は、ラビリンスの最高幹部なんだから。
「・・・・・・なんて、ね」
- Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.39 )
- 日時: 2016/06/07 22:43
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
この世界の暦で、2月とやらに入った。旧暦では如月というらしい。
この世界に来てそろそろ2週間経つころだ。
僕としてはそれくらいのイベントしかないのだが、町は妙に「ばれんたいでー」とやらで賑わっている。
3色団子(笑)も例外ではなく、それについて話していた。
「大輔はいいよなー。今年は本命チョコ貰えることは確定しているんだから。俺も美希さんから本命チョコほしいぜー!」
祐喜はそう言って頭抱えて叫ぶ。
大袈裟な反応だな、と僕はなんとなく考えた。
しかし、そんなことより僕にはもっと大事なことがある。
今、そのばれんたいでーとやらで町は幸せオーラで満ち溢れている。特に女。
これを利用すれば、FUKOを集められるかもしれない。
さて、そうなれば僕がすることはただ一つ。ばれんたいんが何かをひとまず知ることだ。
「その、ばれんたいん?って・・・・・・何?」
僕が聞くと3人はありえないと言った様子で僕の顔を見た。
な、なんだその顔は?
「お前・・・・・・バレンタインを知らないのか?」
「へ?うん・・・・・・えっと、僕が住んでいた所では、あまり有名じゃなくて・・・・・・」
僕の言葉に、3人はこれまた呆れたような驚いたような顔をしている。
「お前・・・・・・てことは、チョコ貰ったこともないのか?」
「な、ないけど・・・・・・?」
すると、突然祐喜が僕の肩を強く掴み、「同志よ!」と叫んだ。
まぁ待て。とりあえず離せ。そして話そう。話せば分かる。
「バレンタインっつーのは、女が好きな男にチョコをあげる日なんだよ。つっても、男友達としてチョコをあげるのもあるけどな」
「それは通称義理チョコ。あと、女子同士で渡しあう友チョコもあります。そしてそれは2月14日。再来週の今日に当たるわけです」
突然スイッチが入ったように話し出す3人。
なるほど・・・・・・そんな日があったのか。
「じゃあ、さっき言ってたほんめいちょこ?っていうのは」
「俺がさっき言った、好きな男に女があげたチョコだよ。まぁ、本命チョコなんて書いてあるわけじゃないんだけどな」
「つまり聞いてみないとわからないってわけ?」
「そーなるな。ま、聞いても教えてくれるわけじゃないだろうけど」
ふーむ。よくわからないが、そういうことなのか。
じゃあ掃除機のウチホロボーセでも出して、チョコを全てかき集めてしまえば男も女も悲しみそうだ。
「教えてくれてありがとう。じゃあ、僕はもう行くね!ばいばい」
「おーう。また明日なー」
最近FUKOの集まりが悪く、ちょうどそろそろ一気にほしかったところだ。
この作戦なら、一気に集まることだろう。
そこで、考える。
あのキュアパインは、誰かにチョコをあげたりするのだろうか。それこそ、ほんめいちょことやらを。
できれば、僕が欲しい。なんて、少し考えて、やめる。
そんなもの貰ったら、さすがに戻れなくなってしまう。
僕が僕である内に、あの作戦を実行したほうがいいだろう。
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