二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜
日時: 2016/08/11 18:59
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

初めましてか何度目まして!春太郎です!
小説サイトでは凜太郎という名前でやってましたが、映像二次の方は初なので、折角なので、雑談で使っている春太郎に改名させていただきました!
凜太郎で馴染んでる方も、雑談の方で春太郎で馴染んでる方も、どちらも知らねえよ!というお初さんも大歓迎です!

さて、「!」を多用したところで今回から書く物の紹介ですね
今回からは、最近久しぶりに見たフレッシュプリキュアの二次小説です
大好き×100なキュアパインちゃんとの恋愛小説、ですが、色々な事情により、「新たなる刺客」というサブタイトルになりました
どんな話になるのか!皆さん、是非見て下さい!
それでは、よろしくお願いします

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Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.40 )
日時: 2016/06/07 21:22
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「どれにしようかなー」

 色々なチョコレートが置かれた棚を見つめながら、ラブちゃんは言う。
 明日にバレンタインデーが迫っていることもあり、色々な店でチョコレートの特売をしていた。
 チョコレートの材料の買い足しに出かけた私は、たまたまチョコレートを買いに来ていたラブちゃんとせつなちゃんと出会い、3人でラブちゃんのチョコレート選びに付き合っていた。

「ラブがあげたものなら、大輔はきっと喜んでくれるわよ」
「でも〜、やっぱりいいものあげたいじゃん!せつなこそ、ウェスターに渡すチョコはそうやって適当に選べるの?」
「なんでウェスターがここで出てくるのよ。私はラブ達にしかチョコはあげないわ。女子同士でも渡したりするんでしょ?」
「つまんないなぁ〜」

 頬を膨らませてむぅーとむくれるラブちゃんを見て、せつなちゃんはクスクスと笑っている。
 私もそれにつられて笑った。
 それにしても、確かに好きな人に渡すチョコは悩むよね。
 私は手に持ったレジ袋の中を見た。
 龍也君、喜んでくれるかな。なんて、少し考えてみる。

「ブッキー安心して。あの龍也君ならどんなものでもきっと喜んで食べてくれるよ!」

 ラブちゃんから謎の励ましがあった。
 それを横にいたせつなちゃんがその頭を軽く小突いた。

「ラブ。龍也はそんな掃除機とかじゃないんだから。それに、ブッキーがチョコで失敗するわけないでしょ?」
「それもそうかー。頑張ってね、ブッキー」
「う、うん・・・・・・」

 そういえば、とここで考える。
 なんでラブちゃんたちは私が龍也君にチョコあげるの知ってるんだろう?言ってないのに。

「ラブちゃん。なんで私がチョコ渡す人知ってるの?」
「え?だって、ブッキー最近ずっと龍也君見てるし」

 自分の顔が熱くなったのを感じた。

「な、なななな・・・・・・?」
「あ。ブッキー赤くなってる〜!」
「大丈夫?熱でもあるの?病院行った方がいいんじゃない?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

 恥ずかしさが込み上げてくる。
 恥ずかしい。穴があるなら入りたい。

「よし。これに決めた!」
「じゃあお会計しましょ」
「あっ・・・・・・」

 そうこうしている間に二人はチョコを決めてレジに歩いて行ってしまう。
 私は袋を持つ手をグッと握り締めた。

「これを渡すときは、流されたりしないようにしなくちゃ・・・・・・」

 私は深呼吸をして二人のもとに駆け寄った。
 明日はうまくいくって、私、信じてる!

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.41 )
日時: 2016/06/08 23:37
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「ばれんたいでーって、こんなにもらえるものなの?」
「ちょっと・・・・・・黙って・・・・・・」

 学校に来れば下駄箱、引き出し、ロッカーにチョコが大量に詰め込まれていた。
 名前を見てもよく覚えていない人ばかり。同じクラスならまだ分かるとして、他クラスの女子の名前もあったりして、正直よくわからない。
 ぎりちょこ、というやつだろうか?いや、友達でもない人ばかりだし、ほんめいとやらなのだろうか?ダメだ。さっぱり分からない。
 そしてそんな僕のチョコを運ぶ手伝いをしてくれてる祐喜は終始落ち込んだ様子で俯いている。

「さっきから落ち込んでるみたいだけど、どうしたの?チョコに毒でも入ってた?」
「チョコが貰えたら苦労しねえんだよ!」

 なぜか怒られた。なぜだろう?
 僕としては早急にこのチョコをどうにかして、ウチホロボーセを召還したいところなのだが。

「祐喜は毎年母親からしか貰えねえからな。チョコ」
「うるせぇ!今年こそは、美希さんからチョコレートを頂くんだ!」

 そんなやり取りをしつつ、ドーナツカフェに行く。
 そこでは、いつものようにプリキュア共がドーナツを貪っていた。

「あ、大輔〜」

 その時顔を上げたキュアピーチが、こちらに向かって手を振る。
 それを見た大輔は顔を赤くした。

「よ、よぉ・・・・・・ラブ」
「うわすっごいチョコ!大輔モテないのにどうして?」
「一言余計だっつーの!龍也のだよ」
「うん、僕の。今日はなんかたくさん貰っちゃってさぁ。こんなにあっても食べきれないし、皆で分けて食べてよ」

 余分なチョコを処分するために僕が提案すると、キュアピーチは少し顔をしかめて、「龍也は乙女心が分かってないなー」と言った。
 そう言われても、知らない人のチョコレートなんて興味ないし。

「龍也君って・・・・・・モテるの?」

 その時、椅子に座ったままのキュアパインが伏し目がちに言った。
 そもそもモテるという概念がよくわからないので、僕は首をかしげて「どうなんだろう?」とだけ言っておく。
 するとなぜか横腹を殴られた。それはキュアピーチだった。

「龍也はさぁ、このチョコをくれた人の中に好きな人っているの?」
「え?いないよ?」
「本当?」

 僕の回答を聞いて反応してきたのは、なんとキュアパインだった。

「うん。よく知らない人から貰ったやつばかりだし。でも友達から貰ったやつとかだったらちゃんと食べるよ」
「そっかぁ・・・・・・」

 なぜか安心した様子になる。
 なるほど、確かに僕には乙女心なんて分からないな。
 なんで安心したのかもサッパリ分からないし。

「あ、それでね、えっと、渡したいものが・・・・・・」

 彼女がそう言って鞄に手を突っ込んだ時、たまたま顔を上げた時だった。
 公園の隅の方でこちらを見ている男の姿に。
 その男には、見覚えがあった。

「えっと・・・・・・ごめん。ちょっと待ってて!すぐに戻ってくるから!」

 僕はキュアパインに頭を下げつつ、その男の元に向かった。

「何やってるんだい?ここで」

 僕が聞くと、彼はその赤い瞳を微かに歪ませる。

「これはこれは、裏切り者のシーザー君じゃありませんか」
「僕がいつ、裏切った?あれからだって、ウチホロボーセでFUKOを集めてきたし、今日だって・・・・・・」
「楽しくプリキュア達と話しているように見えたんだけどなぁ?おかしいなぁ?俺の見間違いかなぁ?」

 僕の顔を覗き込んでニタニタと笑うスプリンガー。
 確かに間違ってはいない。でも・・・・・・。

「僕は・・・・・・」
「今日の内にFUKOを一滴も集められなかったら、俺はもうお前を上司だとは思わない。明日からは、俺の命令に従ってもらう」

 彼はそういうと、にやりと笑った。

「・・・・・・分かった」
「ヘッ。分かればいいんだよ。それじゃあ、期待しているぜ?シーザー君?」

 意地の悪い笑みを浮かべながら、彼は去っていった。
 今日中にFUKOを集めればいいのか・・・・・・。

「やる気にさせてくれるじゃないか」

 ちょうどこの場所はプリキュアからは見えない。
 僕はスイッチオーバーをしてラビリンスの服装になると、静かにあたりを見渡した。

「まずは素材集めと行きますか。見せてやるよ。最高幹部の実力を、な」

 僕は笑みを浮かべ、町に向かって一歩、踏み出した。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.42 )
日時: 2016/06/08 20:42
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「龍也君遅いなぁ・・・・・・」

 私はなんとなく呟いた。
 もう十分くらいは帰ってこない。
 他のみんなは龍也君が貰った大量のチョコレートを食べてるし・・・・・・。

「大丈夫よ。彼なら、必ず帰ってくるわ」

 せつなちゃんはそう言って笑った。
 私はそれに頷きつつ、手元のチョコレートの袋に目を移す。
 龍也君、喜んでくれるといいな。でも、こんなにチョコレート貰ってたら、私のなんて・・・・・・。
 そこまで考えていたとき、唐突に突風が吹いた。

「きゃっ・・・・・・」

 その時、突風に私の持っていたチョコレートは攫われていく。
 それだけじゃなく、テーブルに乗っていたチョコレートもみんな飛んでいく。
 そしてその風の先に、ウチホロボーセがいた。

「ウチホロボーセ!こんな時に・・・・・・!」

 私たちは走りながら変身し、一気に町まで駆けた。
 そこには掃除機のような形をしたウチホロボーセと、シーザーがいた。

「シーザー・・・・・・!」
「やぁプリキュアの諸君。今日は遅いじゃないか」

 腕を組み、まるで馬鹿にするような笑みを浮かべたシーザー。
 その顔を見れば、いつものように怒りが湧き上がってくる。
 私は深呼吸をして、エンジェルパインになるためにリンクルンを取り出す。
 その時、ウチホロボーセが攻めてくる。
 逆噴射で風を噴出し、吸い取ったのであろう大量のチョコレートを弾丸のように飛ばしてくる。

「はぁぁぁ!」

 ピーチとベリーが協力してチョコレートをいなしていく。
 その間に私とパッションは左右に分かれ、一気に回り込んでいく。
 私たちが左右に分かれたせいで混乱したウチホロボーセに、一気にピーチとベリーも突っ込み、ジャンプする。

「プリキュアクアドラブルパンチ!」

 同時にパンチを叩き込み、ウチホロボーセの体が揺らぐ。
 そこで私とピーチとベリーはキュアエンジェルになり、必殺技を叩き込む。
 浄化されるウチホロボーセ。

「フン。まぁ良い。今日は去ってやろう」

 シーザーは負け惜しみにしか聞こえないようなセリフを吐いて去って行った。

−−−

 FUKOは溜まったのだろうか。そんな疑問を抱きつつ、僕は公園に戻ってくる。
 ん?戻って、くる?
 ・・・・・・まぁ、今はいいか。

「あ、龍也君!戻ってこないから心配したんだよ!」

 戻ってきた僕に、キュアパインがそう言って駆け寄ってくる。
 その顔を見た瞬間、胸の中で何かがざわついた。だから、僕は目を逸らした。

「ごめん・・・・・・ちょっと、外せない用事でさ」
「ううん。無事で良かったよ」

 なんでそんな風に笑えるんだ。僕は敵なんだぞ。
 彼女は顔を赤くして周りを見渡した後、僕の服の裾を掴む。
 そのまま少し引っ張られ向こうから見えない所に来ると、モジモジし始める。

「あ、のね・・・・・・?今日は、バレンタインデーだから、その・・・・・・」

 彼女はそう言うと、どこからか小さな袋のようなものを取り出した。
 そして顔を耳まで真っ赤にして僕に差し出してくる。

「これは・・・・・・?」
「いつも、その・・・・・・ありがとう。あと、これからも・・・・・・よろしく」

 そう言ってはにかむ。
 あぁ、なるほど。これが義理チョコというやつか。
 本当なら本命とやらが欲しかったところだが、彼女からのチョコならそれだけで十分価値がある。
 ここはお礼を言っておこうか。

「あ、ああありがとう・・・・・・」

 声が震えていた。恥ずかしすぎて顔が熱くなる。
 それを見たキュアパインはクスッと笑った。
 その笑顔をまた見たいな、と思った。

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.43 )
日時: 2016/06/09 16:12
名前: 春太郎 (ID: CzRhDmzb)

「すげぇ・・・・・・溜まったな・・・・・・」

 スプリンガーはFUKOゲージを見上げながら呟く。
 それを見てシーザー様も笑みを浮かべた。

「裏切者でも、これくらいはできるんだ。君ももう少し頑張ってよね」
「うるせぇな」

 スプリンガーは不満げにそう言うと、踵を返し去っていく。
 それを見たシーザー様は、ため息を吐く。
 その様子をずっと眺めていた私は、自分のポケットからチョコレートを取り出した。
 この世界では、今日はバレンタインデーと言って、好きな人にチョコレートを渡す日らしい。
 シーザー様はこの世界ではかなり好かれているらしく、大量のチョコレートを持って帰ってきていた。無論、一つを除いた全てのチョコレートは捨てられていたが。
 その残り一つは、現在彼のポケットの中にある。

「あ、あの・・・・・・シーザー」
「ん?なんだい?」

 こちらを見上げてくる彼の顔を見た瞬間、私の胸の中をざわつかせた。
 彼の眼には、私は映っていない。映っているのは、『アイツ』だけ。
 『アイツ』さえ、いなければ・・・・・・ッ!

「今日って・・・・・・女が異性にチョコレートを渡す日・・・・・・なんですわよね?」
「あぁ。そうだな」
「だから、その・・・・・・これ・・・・・・」

 私はなんとか勇気を振り絞ってチョコレートの袋を渡した。
 彼はその袋を受け取ると、中身を見る。そして、優しく微笑んだ。

「ありがとう。とても嬉しいよ」

 彼は、私にだけは、この笑顔を見せてくれる。
 プリキュアの前では、演技をしているし、スプリンガーとは悪態をつくだけの仲だからだ。
 私だけが見れる顔。でも、彼は私のことは、単に信用しているとかその程度の立場なのだろう。
 彼に本当に好かれているのは、プリキュアの黄色い女。
 アイツがいなければ、彼は私の物だったのに。

「それじゃあ、FUKOを集めてきますわ」
「わかった。気を付けてね」

 彼のためなら、私はたとえこの命だって捨てて見せる。
 それで彼が喜ぶなら。彼を私の物にできるのなら。

「キュアパイン・・・・・・絶対に殺して見せますわ・・・・・・」

Re: フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜 ( No.44 )
日時: 2016/06/09 21:48
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 赤いカーテンに覆われた窓からは、夕日の暖かい光が零れてくる。
 それを眺めながら、私は一人、ベットにうつ伏せで倒れこみ、この前の戦闘のことを思い出していた。
 3人はキュアエンジェルに変身し、掃除機のウチホロボーセを倒した。
 私はそれを見ていただけ。

「私も・・・・・・キュアエンジェルにならなくちゃ・・・・・・」

 私は自分の手を目の前まで持ってきて、握り締める。
 その時、部屋の電気が点く。見るとそれは、ラブだった。

「あ、ごめん。もしかして寝てた?確かに今日のダンス疲れたもんね〜」
「ううん。ちょっと横になってただけ。何か用?」
「あ。晩御飯できたんだって!今日はなんとハンバーグだよ!」

 白い歯を見せ笑うラブ。その笑顔に、私の頬も緩む。
 これからもこの笑顔を見たいのなら、私だって精一杯頑張らないと。

−−−

 口の中でキュアパインから貰ったトリュフチョコを転がしながら、僕は町を眺めた。
 相変わらず・・・・・・平和な町だ。
 笑いあう人々。走り回る子供。ベンチに座って談笑する老人たち。

「なんでこんなに・・・・・・幸せで満ち溢れてるんだろうな・・・・・・」

 僕はそう呟き、息を吐く。
 寒い空気の中に、白くて、甘い匂いの混じった煙が溶け込んでいく。
 まるで今、僕の口の中でチョコが溶けるように、ドロドロに、原型も留めず崩れていく。

 あとどれくらい・・・・・・僕は僕でいられるのかな?
 僕は液状になったチョコレートを飲み込み、喉に流し込む。
 まるでこのチョコレートのように、今僕は、溶かされている最中なのかもしれない。
 シーザーという人格も、悪という鎧も、全て・・・・・・。

「・・・・・・時間がない」

 僕はチョコをまた一つ口に放り込み、立ち上がる。
 プリキュアも、キュアエンジェルになっていないのはあと一人。
 ウチホロボーセを倒すのも作業化している状況。
 そろそろ僕たちも、さらに本気をださなければいけない。

「近々、直接手を下しにいくべきか・・・・・・」

 小さな呟きは、甘い匂いを残して空気に溶けていった。


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