二次創作小説(新・総合)
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- 未だにカオスなのかもしれない非日常
- 日時: 2024/09/24 21:29
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
皆さん、初めまして。HALと申します。
過去3度も挫折をしたにも関わらず、やっぱりどうしても小説という形にしたかった物語を書きたくなった為に、この度4度目の執筆再開をさせてもらいました。今まではカオスな日常をテーマにしてきたのですが、今回とうとう”非日常”なんてワードを堂々と書き出すようになってしまいましたが……まぁ、おおらかな目で見て頂けますと幸いです。
〔 目 次 〕
プロローグ >>1-6
オリエンテーション to ラジオ >>9-17
集う3高校。彩り、音撃、甲子園 >>18-21
誕生日記念 ~HALの回顧録~ >>34-37
舞ヶ原と奏坂と「自分達」の将来想起 >>47-49
裸族講座 (前編) >>53-57 (後編) >>60-68
【阪奈編】
首領首領大乱闘 >>22-33
【九瓏編】
愛をと○もどせ!告白選手権 ~VS天空中央高校~ >>38-43
九瓏とその好敵手達の秋 >>71
【自己紹介】
阪奈、九瓏、迅、雷那 >>50
イロドリミドリ >>69
HaNaMiNa、舞ヶ原シンセ研究所 >>70
─ 注意事項 ─
・この小説ではクロスオーバーが発生します。
・この小説では、独自解釈によるキャラ設定(キャラ崩壊率???%)が幾つか施されていますので、どうかご了承ください。また”設定変更の可能性”もございます。なんなら既に実行してます(大問題発言)
・圧倒的文章量(の少なさ)、徹底的誤字数(の多さ)
・キャラ貸し出しも可能としておりました。その際はコメント欄にて許諾をお願い致します。
・荒らし相手にはそれ相応の処置をしますのでそのつもりで。
・3度も挫折してるという事実からも察せられるように、更新頻度は壊滅的に遅いです。またしても挫折する可能性もありますし、更新できたとしても数ヶ月かかる事も予測されますので、よほど暇がある方のみが読まれることを推奨致します。
・これは人によって制限されていない様なのですが、こちらの小説ではマナーを守った投稿をお願い致します。
─ 登場ジャンル ─
モンハン、パワプロ、イロドリミドリ、オンゲキ、オリキャラ
── ようこそ、C-Refへ ──
- Re: 未だにカオスなのかもしれない非日常 ( No.7 )
- 日時: 2022/05/30 17:47
- 名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)
初めまして、女剣士と言います。
今回は、それぞれの主人公たちがメインなんですね。
1人はゲーセン中に呼ばれ、その他の皆さんも同じように呼ばれて行きました。
しかも、野球で主将を任されるなんて凄いじゃないですか!
野球って大抵のルールは分かるんですけど、実際にやると痛いんですよねぇ。
これからの展開を、楽しみにしています。
それでは。
P.S:あの、>>0の方にキャラ貸し出しって描いてあったんですけど。
私の方からも次回から、何人か描いて来てもいいでしょうか?
もしご迷惑でしたら、諦めますので。
- Re: 未だにカオスなのかもしれない非日常 ( No.8 )
- 日時: 2022/06/29 21:47
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
……えぇと、まずは開始早々ほぼ丸々1ヶ月更新が無かったことを念のため謝罪させてください。本当に申し訳ありませんでした。
大方皆さんもそうだとは思うのですが、働きながら小説案を模索し実際に文章に仕上げるというのは、正直私には簡単なことではありません。ただでさえ設定が未だに固まりきってない部分もあれば、没頭したい趣味があるのも当然のこと。
今後ともこれくらいのペースでの小説更新が予測されますが、それでも構わないという方は今後とも宜しく願えたらばと思います。
※けどやっぱ小説の進捗気になるよ、と思われる方もいらっしゃるかと思われます。実は私結構口が軽い方なので、Twitterの方に進捗をポロる機会があったりします。お声があるようでしたら、改めて載せてフォローを呼びかけるかもしれません。
>謎の女剣士さん
こちらこそ初めまして、HALと申します。
感想を投稿された日の時点で把握はしていたのですが、更新前にまとめて感想を返すスタンスなせいで1ヶ月もの間返事が出来ないでいたこと、大変申し訳ありません……
野球は楽しいと同時に難しいし痛みもあるんですよね…… 小中学生時代に自分もやってた為に、この度小説に組み込ませて頂きました。今後とも気長に楽しんでもらえればと思います。
目次欄に記載したキャラ貸し出しは、私の世界のキャラクターを他作者様の作品の世界へ出張させる場合の話でした。いつかそのような話が舞い込んできた際は許諾を取るつもりでした。
本作への感想投稿時に、皆様の世界のキャラを引き連れてもらってもこちらは大丈夫でしたので、どうぞご自由な感想をしてもらえると嬉しい限りです。
さて、実際にやってきたという事から想定がつくように、これより更新を始めます。暫くは感想記入はお控えください。
- オリエンテーション to ラジオ(前編) ( No.9 )
- 日時: 2024/01/24 16:56
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
「みんなぁーーー!! 今日も一緒に盛り上がってくれて、本当にありがとうーーーー!!」
\ウォォォォォォォォォ!!!!/
──初めてC-Refを訪れてから1週間がそろそろ経とうとした頃だろうか。
今日もまた阪奈は、アイドル活動を通して村の人達に元気を与え続けていた。
【辺境の村に、活発で可愛い自称アイドルの女の子がいる】
そんな噂が自然と村の外にも広まるようになったからか、村の内外を問わず彼女の歌声を聴きたくて人がやってくるという事態が日に日に増えてきたのである。
正式にアイドルデビューを名乗れないでいるにも関わらず、その知名度、人気は上昇傾向にあった。しかし、それは同時にとある不安を募らせるもので……
「あ、あの……旦ニャ様? アイドルとしての活動を推進してくのは、わたくしめとしましても喜ばしい事ではあるのは確かニャのですが……本業の方はどうされるのですニャ……?」
ゲリラライブを無事に成功させた後、日も暮れてきたので家に帰った阪奈に対し、ルームサービスのルミニャは恐る恐るこう尋ねてきた。
”まだ正式なアイドルではない”にも関わらず、阪奈は至って普通の生活を送っている。それが可能なのも、この本来の阪奈の【本業】のお陰だったりするのだが…… ここまで阪奈が、アイドル業務ではない本業の話をしたがらないのには、とある理由があった。
「もー、まだそんな事言ってるの? だってしょうがないじゃん。国の命令によって殆ど全部のモンスターが駆逐済みだって。それじゃあ必然的にハンターなんて御役御免じゃん。協会の方も出来る事が殆ど残ってないって話だし。だから私はこれでいいの! 絶対にアイドルになってやるんだから!!」
……そう。実は彼女の本業である仕事は、国の政策によってすっかり仕事業務を奪われてしまったのである。今や本職は、何も意味を為さない肩書きにまで成り下がっていた。
「で、ですが、せめて日頃から鍛錬でも積んでおくというのも……」
「アイドルに求められる体力ナメないでよね!? ハンター活動並に体動かすんだからねアレ!! もうアイドル活動が実質鍛錬(?)なんだから!」
主の事を考えるとつい不安になってしまうルミニャと、実際に自分がやってるのだから、自分のことはよーく分かってるつもりの阪奈。どちらが悪いというわけではないものの、一向に話が平行線になりそうな展開であった。
──と、そんな時。急にコンコンと玄関の方からノックする音が聞こえてきた。
「あれ、こんな時間に誰だろう……」
すぐさま阪奈が玄関の戸を開ける。するとそこに居たのは──頭には大きな赤いキャスケット、その上に極彩色の羽根があしらわれたラッパを乗せた……これまたルームサービス同様の猫であった。
「ニャ。はんなさん、おひさしぶりですニャ。いそぎのおとどけもの、とどけにきたのニャ」
「あっ、郵便屋さん! 速達なんて今時珍しいね~ わざわざ届けてくれてありがとね!」
「ニャ。ごひいきにニャ」
阪奈曰く郵便屋だというその猫は、一通の手紙を海雪に渡すと、軽く会釈した後にパタパタと走り去っていった。
阪奈の世界では、実は手紙に対してはルーズであることが多い。その為、速達なんて手段が用いられるのは滅多にない事だったりする。
ともすれば、気になるのはその手紙の中身。急いで封を切って中身を確認することにした。
──手紙を読み始めてから僅か数秒の事だった。
ただでさえ天真爛漫で元気ハツラツな阪奈なのだが、速達で届いた手紙を読むやいなや、普段の笑顔からさらに輝きを増した満面の笑みを浮かべていったのである。手紙を全て読み切ると、直ぐにドタバタと支度を始め出した。
「え、えぇっと…… 何かあったのですか、旦ニャ様……?」
そろそろ夜も更けるというのに準備を進める阪奈に対し、恐る恐る問いかけるルミニャ。当然ながら、阪奈は手を止める筈もなく……
「ごめんルミニャ! 急用が出来たからこれからちょっと家空けるね! 留守番は頼んだよー!」
そう言い残すと、アイドル衣装に急遽着替え終わって準備を済ませたのであろう阪奈は、急いで廊下の真ん中にある扉から外に出ていってしまった……
「ニャ……行ってしまわれましたニャ…… 毎回これだから旦ニャ様はそそっかしいのですニャ。もはや仕方ないというものでもあるニャけども……」
寂しくなった部屋で1匹。ルームサービスのルミニャは呆れながら阪奈を見送っていた。……しかし、彼女は忘れていた。
阪奈が外出する為に駆け込んだあの廊下。
──実はあそこにはそもそも扉なんてものは存在すらしていなかった、という事実に……
───────────────────
『──俺達、今度は甲子園で全員集まろう』
九瓏の頭の中には、いつかの約束がまるで昨日のことのように映し出されていた。今度こそは、自らの意思で戦い抜き、勝ち上がり、頂点を目指す──
「……ーう、くろーう? おきろー?」
「………………?? ったい誰が……」
「 九 瓏 ー ー ! ! 起 き ろ ぉ ー ー ー ! ! 」
「どぅおわああああああああああ!?!? いきなり起こすんじゃねぇよ!!」
急に横から聞こえてきた声で、九瓏はようやく我に返った。どうやらいつの間にか眠ってしまい、また過去の事を思い出していたらしい。
「いきなり起こすなと言われても、もう放課後でこれから練習だぞ? キャプテンがいなきゃチームも締まらないだろう!」
「そういうお前も授業中居眠りしかけてただろう。学生の本分を忘れてないだろうな……?」
「まぁまぁ; そこまで堅苦しくなくても別にいいと思うんだけど……」
「お前らにはいつも迷惑をかけてるな…… すまない、大心、政秀、拳一」
放課後始めに同じ野球部のクラスメイト3名に叩き起こされるこの光景は、もはや千将高校の名物と呼ばれるまでに常駐化していた。それでいいのか新キャプテン。
ここで一度、彼らの自己紹介をしておこう。
九瓏を呼び起こしてくれた、既に学生らしくない筋骨隆々の男が羽田 大心。
大心に釘を刺しているが、一番のトレードマークがメガネ&目の隈という矛盾した男が比嘉 政秀。
一件活発そうな雰囲気だが、実際は逆にまとめ役であることが多い男が勝俣 拳一。
3人とも元々野球が好きで続けていたのだが、その才能は正しく平凡そのものだった。そんな折、九瓏の見事なまでのプレイングに感動し、それに触発されたかのように彼と打ち解けていったのであった。
「あっ、やっと皆さん来たんですね」
「……またか。キャプテンの自覚が足りないんじゃないのか」
「ドゥフフフw、皆揃って血の気が多いようですなぁ。それでは拙僧らも、練習を始めようではありませんか」
練習準備を終えてグラウンドに着いた頃には、既に他のメンバーも準備が出来ていたようだった。
中でも九瓏が特に気にかけていたのは以下の3名。
野球部員とはあまり思えない、整った顔立ちにメガネという1年下の後輩、特間 曜。
部員内でも屈指の硬派、カタギじゃないとか揶揄される男、黒沼 一馬。
言語がどうにもインターネットに汚染されている四角メガネの男、仏原 拓男。
そんな男達をメンバーとしているのが、九瓏が率いる「千将高校野球部」である。
「……っし。始めるか!!」
『 お 願 い し ま す ! ! ! 』
「ぐぁぁぁ………… 疲れた…………」
日もすっかり暮れた頃。今日の練習を終えた九瓏は、1人帰り道を歩いていた。
部活を精力的に行っていれば当然ながら疲労が蓄積されるものなので当たり前ではあるのだが、九瓏に限ってはそれだけの都合ではなかったりする。
……と、そんな時。
九瓏は腰ポケットから微かな振動を感じ取った。恐らく広告か連絡のメールや通知でも届いたのだろう。
大方の予想をつけながらも、九瓏はポケットからスマートフォンを取り出した。案の定バイブレーションの正体はメール受信だったのだが……その件名を確認した九瓏は、思わず顔を渋らせていた。
それもその筈。件名には……あの妙ちきりんな世界”C-Ref”の文字があったのだから。
こんな文字列を使用するのは紛れもなくあの変人しかいないだろう。
九瓏「……ったく、結局あの話は本当だったって事かよ。…………けどなぁ」
そこまで言って九瓏は思案する。
実のことを言うと、九瓏のスケジュールとしては今晩の予定は特に埋められてなかった。今回の招集内容はオリエンテーションについてとの話は既に聞いていたので、差程時間も掛からないであろう事は想定ができた。
……何より、他のメンバー全員が出席して自分だけが欠席となる事態だけは1番避けたかった。
「ハァ……しょうがない。今回だけだからな……」
覚悟を決めた九瓏は、急ぎ家に戻る。その場でメールを開いてもよかったのだが、その間にこんな夜道で自分がどんな醜態を晒してしまうのかがよく分からなかった為、万が一の安全の為にも帰宅を優先させたのだった。
そして、家に戻るや否やC-Refからのメールを開き……やっぱり、その場に倒れ込むように消え去ってしまっていた。
- オリエンテーション to ラジオ(前編) ( No.10 )
- 日時: 2023/06/18 15:52
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
二学期に入って間もない舞ヶ原高校。
今日も迅は、普段通りの授業日程を終えて帰路につこうとしていた。
あの日、C-Refから戻ってきた後に投稿した楽曲も、過去にリリースした3曲と同程度の評価を貰えていた。
しかし、幾ら自分の思う満足がいく曲が出来たとしても、どうにも迅には、自分が手がけた曲たちに対して自信を持つことが出来ないでいた。
「…………ハァ。そりゃあ無理だよなぁ。実績、魅力、宣伝力、音楽性。全てにおいて完全上位互換がいるってのに夢を見るなんて……」
ここで1つ話をしておこう。
実は緋桐迅という男、大の音楽好きであることはご存知の通りだと思われるが、舞高主催で開催される音楽イベントにも毎度参加していたりする。故に、校内でも取り分け人気の高いグループについての話なども、彼はよく理解していた。
特に今、筆跡するに値するグループは以下の3バンドだろう。
昨年度、迅が入学した当初から人気を集めだした現在は6人組のガールズバンド『イロドリミドリ』、今年から結成されたものの同じく人気を博し始めている『HaNaMiNa』、そして現在の舞ヶ原高校生徒会メンバー3名によって構成された『舞ヶ原シンセ研究会』──通称S.S.L.。
先の2グループはガールズロックバンドという事もあり然程影響があるわけではなかったのだが、彼に深刻かつ複雑な影響を与えていたのがシンセ研であった。
このグループはその名の通り、シンセやDTMなどを駆使した電子音楽を中心に展開しており、ハードコア系列をホームグラウンドとする迅とは音楽領域がダダ被りであった。
さらにこの問題を厄介にしていたのは、その構成メンバー。
世界レベルの腕前を誇る(当人は誇る気0)電子音楽プロデューサー、桔梗 小夜曲。
圧倒的パフォーマンスで学園を湧かせる超攻撃的ラッパー、藤堂 陽南袴。
そんな2人をまとめあげるシンセ担当生徒会長、芒崎 奏。
……到底、自分一人で敵うような相手ではないのは、火を見るより明らかだった。
「まっ、そもそも個人活動の時点で同じ土俵にすら立ててないようなもんだしな。帰って作曲の続きでもするか。………………ん?」
不意に足を止める。腰ポケットから感じた振動を察するに、また何かのメールでも届いたのだろう。迅は脳死で内容を確認するつもりだったのだが……その宛先には「C-Ref」という例の奇妙な地名が記載されていたのを、彼は見逃さなかった。
「おっ、ようやくですか。……こうしちゃいられねぇなぁ!!」
事態を知った後はそれはそれは早かった。急ぎで家に帰った後、自室にあったノートPCを手に持ち、届いたメールを閲覧する。その瞬間、意識が遠ざかっていくのを、今度は確かに感じていた。
持ち忘れの心配はない。自身のこれまでの全てはこの中に詰まっていた。
「舞高生代表。たった1人の挑戦だ。気を引き締めねぇとな」
自分の音楽は世間にどう伝わっているのか。その答えを自分で確かめる良い機会になる事は間違いなかった。
──────────────────
「……とうとう来たみたいね。1週間もかかるとは思ってなかったけど」
時を同じく。スマホから受信メールを確認した雷那は、ぶっきらぼうな物言いで反応を示したものの、その表情には確かに笑みが零れていた。
雷那は基本的に、あまり面倒事には首を突っ込まない性分だった。
だが、あの時同じ境遇に陥った見知らぬ3名の自己紹介の中に、実は個人的に興味を持った話が含まれていた。
全員揃って自分と同学年だというのに、自身と同じく作曲活動を趣味に持つ男や、自分なんかよりもよっぽど純粋に、本気でアイドルを目指している子がいたのだ。
今の自分が持つオンゲキへの姿勢、そして自分がオンゲキを続ける理由。
それらを今一度見つめ直し、改める機会が、彼らとの接触の中で見いだせるのではないのだろうか。
いつしか、彼女のC-Refに対する見解は、面倒事という否定的な思いよりも、自分自身が生まれ変わる1つのチャンスになりうるという期待、希望的観測の思いの方が上回っていた。
そんなこんなで前もって覚悟を決めていたからか、準備に時間がかかる事はほぼ無かった。自分の音楽が詰め込まれたノートPC、自分を象徴する黄色と黒で雷をあしらった愛用のライトボウガン(!?)、そしてサバゲーする気満々のオンゲキ用の衣装「シュータードレス」。既に万全を期していた。
「……さて、それじゃあ行きますか。アタシの存在証明を、アイツらにぶつけてやんだから」
意を決した雷那は、迷うことなく受信メールを開く。瞬間、その身体は意識を手放してしまった。……だがもう、何の心配もいらない。
雷那の鋭い眼光は、真っ直ぐ前を、未来を見つめていた。
──さて。こうして奇妙な運命に導かれた4人は、再び謎の異世界【C-Ref】にて再会することになった。
C-Refの管理人HALは、一体オリエンテーリングで何を話し、何を紹介させるのか。
物語は、また一歩動き出そうとしていた。
- オリエンテーション to ラジオ(前編) ( No.11 )
- 日時: 2023/06/18 17:33
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
5…… 4…… 3…… 2…… 1……
「さぁさぁ皆さん、お待たせ致しました! 『FMカオス』のお時間だぁぁぁっ!!!」
\ウワァーーーーーーーーッ!!!!/
(((( ^ω^) ????????????
…………あの、本当にすみません。まずは一言いいですか?
オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 何 処 い っ た し
奇妙なイメージのある新設異世界C-Ref。本来であれば、代表者4名は今日、オリエンテーションの説明を受ける為にここにやって来た筈だった。
……だが、いざC-Refに接続したかと思えば、目覚めた時点で既に放送室にてご丁寧に椅子に座らされており、管理人HALの策謀によりオリエンテーションではなくラジオ放送を始めると聞かされたのである。これで困惑するなという方が無理な話であった。
煉「……あの、すみません。なんで我々ラジオ放送に出演させられてるんです……?」
海雪「私達、確かオリエンテーリングを受ける為に今回呼ばれた、んだったよね……?」
HAL「あぁ、そのお話ですね。当然ながら理由はありますよ? まぁ結構私情を挟んでいるのですが……」
嵐「オイバ管理人」
……えぇ、という訳で。この場で何故オリエンテーションがラジオ放送に切り替わってしまったかについての弁解のお時間をいただきたいと思います。
まず、今回の更新では主人公4人、及び彼らを取り巻く世界についての紹介を他主人公3名、及び読者に知ってもらう回にするという大前提条件がございました。
しかし、それを実現させようとしてまず最初に思い浮かんでしまったのが……いわゆるPowerPoint方式だったのです。
当然ながら小説という形態でパワポの表現をしようものなら尋常ではない難易度になる為、オリエンテーション案そのものを見直すことにしました。
主人公の自己紹介としてどのステータスを手始めに明かそうかと思案していたところ、その工程や開放される基礎値などが、いずれも小説カキコらしい原点に立ち返るようなものであることに気づきました。
原点といえば、私がカキコに現れた当初に始まった文化があったよな?と思い、最近の他作者様の小説を幾つか拝見させていただきましたが、やはりラジオ文化は廃れてしまっていたように私は感じました。
故に、当時の流れをもう一度今の自分らしく再現したいという願いもあって、このような形式を取らせていただきました。
「……というのが、今回の事の顛末です」
「地の文の説明をサラッと繋げようとするな!」
著者の長々としたお気持ち表明も終わったところで、いよいよオリエンテーリング要素を兼ねた第0回のラジオ放送【FMカオス】が始まった。
「さて、と。まずは今後のMCを務めてもらうことになる4人の自己紹介をしてもらいましょうか。誰か我先にと名乗りを挙げてくれる人は……まぁ居ないだろうと踏んでいたので、こちらで事前に準備をしておきました」
「いや、なら今の話の流れ必要だった??」
「という訳で……まずは狩野阪奈さん。あなたから自己紹介をお願い致します」
「えっ、私から!? いざラジオで話そうと思うと緊張するなぁ……」
最初に著者から指名を受けたのは阪奈。アイドルを目指すというのならこれしきの事は出来ないといけないのだろうが、流石にラジオを通した自己アピールは初めてだからか緊張もあるようだ。
阪奈は頬を数回はたいて、張り詰めた表情をほぐしていく。気合いも入ったのか、本気度が窺える顔つきになっていた。
「……んっ!もう大丈夫! それで、自己紹介では何を紹介すればいいの?」
「そうですね…… 自分についての自己紹介と『自分の住む地域についての自己紹介』もあると非常にありがたいでしょうか」
「オッケー! それじゃあ始めるね!」
紹介内容を確認した後、阪奈は意を決して自己紹介に臨む。決意に満ちた笑顔満点の彼女を見て、居合わせた者達はアイドルとは何たるかを思い知らされた。
「どうもー!皆さん初めまして! 私、狩野阪奈って言います! アイドル目指して頑張ってるので、どうかご声援宜しくお願いしまーすっ!」
おおーっ、と感嘆の声を思わず洩らしてしまう一同。しかし、当然ながらまだ話は終わってはいない。続いて自分の住む地域についての紹介に入るはずだったのだが……阪奈はなかなか次の言葉を出せずにいた。
「……? おい、大丈夫か? そんなに自分の地域について話したくないのか?」
「えっ? あぁ、いや、そういうのじゃないんだけどね? なんて言えば良いのかな……」
心配になった九瓏が声をかけてあげたが、阪奈は何も呆然としていた訳ではなかったようだ。ただ、やはり何か引っかかる部分があるようで……
「……えっとね? 実は私のいる所ってさ、特徴的なところが一応あるにはあるんだけど……最近、世界そのものに大きな変化が起きようとしてるみたいで、その特徴が無くなっちゃうんじゃないかって不安になっててね……」
「……成程。つまり、この場で口にしたとしても、次の瞬間にはその特徴は変わってしまいかねない程、今の阪奈の地域は不安定な情勢なのでしょうか……?」
「……うん。だから私も【本来の仕事】を置いといて、アイドルになる事を目指し始めたんだ。道のりはまだまだ険しいけど、絶対に夢を掴んでみせるんだから!」
(……? 阪奈の本来の仕事って、一体……?)
変革期を迎えようとしている地域からやって来たアイドル志望の女の子、狩野阪奈。
彼女を取り巻く環境は目まぐるしく変わりゆくものだが、その心に宿した信念は曲がることも折れることもなくそこに在り続けるだろう。
彼女の自己紹介が終わり、皆から拍手が送られる。……と、ここで著者からこんな話が持ち出された。
「ご紹介ありがとうございました。……ところで阪奈さん。あなた、アイドル志望との事ですから、ライブなどはやったことあるんですよね?」
「? 勿論やった事あるよ! まぁ、自分のオリジナル曲はまだ1曲もないんだけどね……;」
「なるほど、そうでしたか。……申し訳ないのですが、カバー曲でも構いませんので、何か1曲披露してはくれませんか?」
「え"っ!? 今この場で!? ホントに良いんですか!? でもステージは……」
「ステージなら、簡易的なものですが右手に用意しましたよ」
著者から持ちかけられたのは、ここにいるメンバー、ひいてはラジオ放送を通じた人達に1曲自分の歌声を届けてはくれないか?というお願いだった。
ラジオ席の右手側には、確かに簡素な作りではあるがステージが用意されていた。……初めから用意されていたものかどうかは置いといて。
当然阪奈はいきなりの待遇に驚きを隠せないでいたのだが、この提案に他の主人公達はというと……
「へぇ、良いんじゃない? 正直、阪奈がアイドル志望だってまだ信じきれてないところもあったからさ」
「それは少々言い過ぎでは……? まぁ、アイドルを自称されてるのであれば、その歌声はやはり気になりますけどね」
「お前らなぁ……; もう少し気遣ってやったらどうなんだよ……?」
……明らかに乗り気でしたね、ハイ。
という事で急遽始まった阪奈の自己紹介特別ライブ。自身にとっては非常に貴重な体験、全力を以て臨む他なかった。そんな彼女が選んだ曲はというと…………?
BGM:トラベルナ
この曲は、モンスターハンターXにおけるエンディング楽曲、及びメインテーマソングである。
歴代のモンハン楽曲と比べると、基本的に讃歌や壮大な音楽が主軸に置かれがちなモンハンシリーズの中でも、この曲だけ明らかに異質だと思われる程にポップな曲調であるのが特徴である。確かにアイドルソングと言われても違和感はあまりないものであった。
……えっ? じゃあなんで阪奈の世界にそんなモンハンなんて荒々しい文化の歌があるのかですって? もうお察し下さい()
「みんなぁーーーっ!! 今日はこんな機会をくれて、本当にありがとうーーーっ!!」
元気にアイドルソングを歌いきった阪奈に、賞賛の拍手が送られた。ラジオ越しだと音声しか届かないわけだが、直に見ていた主人公組は阪奈の圧倒的なパフォーマンス力にただただ息を飲むしかなかった。
「いやぁ…… もしかしたら私達、とんでもない人と出逢ったのかもしれませんね。正直私、普段はアイドルソングなんてあまり聴かないタイプの人なんですが、すっかり彼女の歌声に魅了されてしまいましたよ。そうは思いませんか、くr……」
「…………にゃんにゃん♪」
「……これはもう手遅れね; すっかり彼女に堕とされたみたい」
かくして、トップバッター阪奈の自己紹介はド派手に終了した。
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