二次創作小説(新・総合)
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- 未だにカオスなのかもしれない非日常
- 日時: 2024/09/24 21:29
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
皆さん、初めまして。HALと申します。
過去3度も挫折をしたにも関わらず、やっぱりどうしても小説という形にしたかった物語を書きたくなった為に、この度4度目の執筆再開をさせてもらいました。今まではカオスな日常をテーマにしてきたのですが、今回とうとう”非日常”なんてワードを堂々と書き出すようになってしまいましたが……まぁ、おおらかな目で見て頂けますと幸いです。
〔 目 次 〕
プロローグ >>1-6
オリエンテーション to ラジオ >>9-17
集う3高校。彩り、音撃、甲子園 >>18-21
誕生日記念 ~HALの回顧録~ >>34-37
舞ヶ原と奏坂と「自分達」の将来想起 >>47-49
裸族講座 (前編) >>53-57 (後編) >>60-68
【阪奈編】
首領首領大乱闘 >>22-33
【九瓏編】
愛をと○もどせ!告白選手権 ~VS天空中央高校~ >>38-43
九瓏とその好敵手達の秋 >>71
【自己紹介】
阪奈、九瓏、迅、雷那 >>50
イロドリミドリ >>69
HaNaMiNa、舞ヶ原シンセ研究所 >>70
─ 注意事項 ─
・この小説ではクロスオーバーが発生します。
・この小説では、独自解釈によるキャラ設定(キャラ崩壊率???%)が幾つか施されていますので、どうかご了承ください。また”設定変更の可能性”もございます。なんなら既に実行してます(大問題発言)
・圧倒的文章量(の少なさ)、徹底的誤字数(の多さ)
・キャラ貸し出しも可能としておりました。その際はコメント欄にて許諾をお願い致します。
・荒らし相手にはそれ相応の処置をしますのでそのつもりで。
・3度も挫折してるという事実からも察せられるように、更新頻度は壊滅的に遅いです。またしても挫折する可能性もありますし、更新できたとしても数ヶ月かかる事も予測されますので、よほど暇がある方のみが読まれることを推奨致します。
・これは人によって制限されていない様なのですが、こちらの小説ではマナーを守った投稿をお願い致します。
─ 登場ジャンル ─
モンハン、パワプロ、イロドリミドリ、オンゲキ、オリキャラ
── ようこそ、C-Refへ ──
- 裸族講座(後編) ( No.62 )
- 日時: 2024/07/04 21:46
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
愛海(W)「うーん…… あたしが思ってたよりも結構厄介な新人達なんだね……; まぁでも、確認は終わったみたいだから、早速裸族料理の真髄を解説しちゃうよ~!」
ウッキーR(W)「とは言っても、裸族料理も普通の料理と実はそこまで大きな差は無いんだっぺ!」
ワリオ(W)「大切なのは、裸族界に長らく伝わっている伝統的な調味料を用いることだ! 裸族料理のさしすせそと言っても過言ではないぞ! 今回は、中でも最もオーソドックスな裸族調味料『裸塩』について教えるぞ! 脳内のラゾシックレコードにとくと刻むといい!」
そこまで話すと、W683sideの先輩裸族達は再び前方の開けた場に集まった。そして、新人裸族一同も集まるように手招きし、霖之助と霊夢以外の全員が集まった。それはそれとして、ラゾシックレコードって何?
愛海(W)「裸塩はね。言っちゃえば、人間がかく汗に含まれる塩分を抽出することで得られる、裸族にとって有り難い貴重な調味料なのだよ!!」
『おぉ~~~~!!』
ウッキーR(W)「ともすれば、裸塩を生成する方法ってぇのは、汗をかくことに他ならないんだっぺ!」
ワリオ(W)「汗をかく手段は各々自由だ! 好きに動き回るといい! ただし、今回はチュートリアルとして、俺様達と共に汗を流すぞ! さぁ、皆で円陣を組み、高らかに回るぞぉぉぉ!!!」
尊師の掛け声に併せ、裸族達は円陣を組んで回りだす。その光景は、さながら体育祭で気合を入れる為の円陣にも似ていたという…… 余談ながら、汗をかきやすいようになのか、まだ秋ど真ん中だと言うのに、今回の裸族講座特設会場は既に暖房が付けられており、熱気ムンムンの状態で今まで講義を受けていた事を追記しておく。ギャラリー組、よく音を上げなかったな;
さて、高速で円陣を組みながら周り続けて幾許の時が流れた頃。裸族特有の代謝の良さと熱気ムンムンの環境の影響からか、着衣していたスーツやシャツには汗がビッシリ。……というか、もはや汗が蒸発して結晶化していたのだ(爆弾発言)。おい、まさかこれが…………
ウッキーR(W)「ふぃ~! 良い汗がかけたんだっペ! やっぱし、フレッシュな新人裸友達と裸の付き合いをするのは良い経験になるんだっぺ!」
ワリオ(W)「皆、良くぞ俺様達の協力に応えてくれた! 俺様達のスーツを見るといい! かいた汗が蒸発して結晶のようになっているだろう? これこそが、裸族界に伝わる伝統調味料、『裸塩』だッ!!!」
『おおおおっ!!!!!!!!』
愛海(W)「あとは、この裸塩をあらゆる料理に使用するだけ! 使用する量は、多ければ多い程裸友にも受け入れられるから、是非とも挑戦してみてよね! その実力が認められれば、更なる裸族調味料についても教えてあげるよ~!!」
ガレス「うっはぁ…………! ウチの水属性とも相性バチバチなんじゃね? やんなきゃ損っしょ!!」
マカオ「アパッ! ホゾンショク、シオ、オオクツカウ! ハダカシオ、ホゾンショク、ピッタリ、アパァッ!!!」
ゲネオ「なんと素晴らしい……ッ! 裸塩の神聖なる塩分と、山椒が齎す圧倒的な刺激を組み合わせれば……!」
飯男「だからゲネオはそもそも料理を作ろうとしてんじゃねぇよ!! んな刺激特化劇物なんざ、お前以外食えた試しがねぇだろうが!!!」
……各々が感銘を受けていたりやいのやいのと騒ぎ立てている中、乱歩はというと、1歩引いて見守っていた霊夢と霖之助のところに話を聞きに来ていた。
乱歩「……お話、失礼します。2人は何故、裸塩作成に加わらなかったのですか?」
霖之助「……おや、乱歩君。わざわざこちらに来なくても良かったのに」
霊夢「……でもまぁ、良いんじゃない? 新人達の中では1番物事の善し悪しが分かってそうなあんたになら……話してもいいでしょうから」
他でもないHALsideの先立である2人が、裸族の醍醐味でもある裸族料理の説明に大きく加担していなかった点に、乱歩は一種の疑念を抱いていた。──そして、その疑念は驚くべき真相として帰ることになる。
霊夢「……実を言うとね。裸族料理は、一般社会にはまず間違いなく認められないブツよ」
乱歩「……………………えっ?」
霖之助「他でもない僕が経験したことだからね; 虚勢でも何でもないんだよ。……裸族料理は、裸族社会でしか価値を持たないんだ」
霖之助「……乱歩君、よく聞いてくれ。君だけでも構わないから、くれぐれも『一般人を含む人前では、絶対に裸族料理を提供しないでくれ』。……あれに関しては、裸族と人間の共生を完全に頭ごなしに否定する存在だから……;」
乱歩「え"っ() ……あ、あぁ。分かりました。肝に、銘じておきます……」
……読者の皆様であれば、彼らの発言に心当たりがある事だろう。というか、ありまくりな筈なのである()
カキコの日常小説を盛り上げる大きなイベントのひとつに『料理対決』というものがある。その歴史は大変長く続くものなのだが、いずれの開催においても絶対不変の問題作が存在していた。それが、他でもない裸族料理である()
それもそのはず。裸族料理、及び裸塩とは、一般人視点から言わせてみれば"老廃物で作り上げた塩分"である。調味料の名を語る事さえ烏滸がましい案件な上、これを塩分過多レベルで投入されるものだから、裸族料理がトラウマになっている者達も後を絶たないのだ。
おまけに霖之助、8年ほど前のHALの第一作で実際に裸族料理(焼き裸刀魚)を提供した事があり、結果としてこっぴどくボコボコにされた過去がある。そうした過去の事例も受け、穏健派裸族の中では、裸族料理提供の機会を控える動きが見え始めたらしい…………
裸族の社会も、ひとまとまりではないのである。
- 裸族講座(後編) ( No.63 )
- 日時: 2024/07/04 21:50
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
講座5. 裸族ソングについて
ワリオ(W)「さぁ、次が最後の講義になるぞ! ケツを引き締めて受けるといい! 裸族ソングについて教えてやろう!」
新人裸族の為の裸族講座も、いよいよ第5講義へ。これまた裸族の歴史には欠かせない裸族ソングについてのお話。……いや、なんで講義の種類だけで5つも項目作れたんだよ、って質問はナシでお願いします;
ガレス「……んん~? ちょっと待ってよ先生。裸族って歌を歌う習性とかもあるってわけ?」
愛海(W)「良くぞ聞いてくれたね、ガレスちゃん! 勿論、裸族にだって歌を歌う機会は多いんだよ! 私なんかもそう、通常のアイドルと裸族アイドルの二足の草鞋で活動してるんだから!」
ウッキーR(W)「裸族ソングとは、いわば裸族の為の替え歌に該当するんだっぺ! 最新流行チャートに乗っかって裸族ソングも日々進化を重ねてんだっペ!!」
霊夢「けど、最近だとあんまりフルで歌わせてもらえる機会も減ってるのよね。J○SRA○が強く目を光らせるようになったから……」
霖之助「悲しいけど、これも時の流れだよね。表の世界でも影響を受けてしまってる様だし……」
裸族ソングの歴史も、裸族料理に並ぶ位には濃いものと呼べるだろう。中には「脱ぎたくて」や「裸族のサツバツ論」など、長年にわたって愛されている(?)裸族ソングすらある始末; 当然ながら、その歴史を紐解き裸族ソングを伝授させる事も、新人用裸族講座には必要な工程と呼べるだろう……
ワリオ(W)「そういう訳だ! さぁ! では早速、俺様達がとっておきの裸族ソンg「たっ、大変だぁぁぁぁぁぁぁ!!」むっ、お前は公民館の浣腸……じゃない、館長ではないか! 何があったというのだ!?」
ワリオが嬉々として裸族の叡智を伝授しようとした矢先、この場の館長が慌ててこちらに駆け寄ってきた。何やら緊急事態が発生したようだが……
館長「ああっ! ワリオ(W)さん、聞いてください! 来週末、この公民館を貸し切りたいというお願いの電話が届いたのですが…… 電話をくれた団体さんが『お洋服愛好会』という組織のようでして……」
ワリオ(W)「何ッ!? お洋服愛好会だと!?」
愛海(W)「……驚いた。まさかこの辺りでもその名前を聞くだなんてね……」
ウッキーR(W)「こいつぁ由々しき事態だっぺ!!」
霊夢「お洋服愛好会……? てっきり架空の存在だとばかり思ってたのだけど……」
飯男「……ア"ァン? お洋服愛好会……ってぇのは、何なんだ?」
ゲネオ「何やら皆さん、唯ならぬ雰囲気な様ですが……」
霖之助「僕が説明するよ。お洋服愛好会というのは、各セカイで存在が確認されている【衣服を着用することを信条とした集団】……いわば、僕達とは正反対の立場の存在だよ。まさか、裸族文化が乏しくなっているHALsideでも存在が確認されているなんて……」
館長曰く、来週末にお洋服愛好会が公民館の使用許可を取りたいという電話が届いたのだという。……いや、ただ予約を入れに来ただけなんだから、別に公民館側としては何の問題もないのでは???
館長「確かに、実際のところ、公民館側への問題は一切御座いません。ですが、お洋服愛好会と裸族の因縁は深いものと聞いています。このタイミングでなぜわざわざ公民館の依頼をしに来たのか。私としては不安でならないのです……!」
愛海(W)「そうだよね。館長の焦る気持ちはあたしもよく分かるよ。……ねぇ館長さん。予約をしに来たって言うのなら、相手方の住所とかも把握してるんじゃないかな?」
ウッキーR(W)「なるほど、そこにこっちからカチコミに行くってわけだっぺな!!」
ワリオ(W)「よぉし! 話は聞いてたな、新人諸君! これから俺様達は、憎きお洋服愛好会のアジトにカチコミをかける!! 裸族とて、戦わねばならぬ時があるのだ! ……共に来てくれるか?」
飯男「ケッ、当然じゃあねぇっすか!!」
ゲネオ「我々の戦力を舐められては困りますねぇ……!」
ガレス「なぁんか面白そうじゃん??」
マカオ「アパ! ウチイリ!」
乱歩「……これ、俺も乗る流れなのか? ……ったく、しょうがねぇな……;」
…………えぇ、大変厄介なことにですねぇ。
今回、W683sideから派遣された特別講師3名は、揃いも揃って過激派に分類されており、お洋服愛好会のアジトに乗り込む気満々の御様子(問題発言)。こうなってしまうと、穏健派裸族の忠告もだいたい通じなくなってしまうという通例があった……
ワリオ(W)「さぁ行くぞ、皆の衆! 敵のアジトは『C-Ref(セントラル-レフ)』! 裸族馬車で全速前進じゃあああああああ!!!」
裸族一同『うおあああああああああああ!!!!』
ギャラリー組『いやちょっと待てえええええええ!?!?』
……えっ、ちょっと待ってください?
今、お洋服愛好会のアジトがC-Refにあるとか言いました? そんなん聞いた事ないが??? 言われのないカチコミじゃないすか!?!?
流石にこの展開には、それまで腹を抱えて爆笑していたりグロッキー状態(になっていたり、描写を面倒がってすっかり空気)となっていた、カオス大好きなC-Ref出身の皆さんが思わず総ツッコミに廻る始末。しかも、彼らがこんな反応をしていたのには理由があり…………
白奈「い、今の時間って、明坂先輩達が学園フェスの為の準備のお手伝いの為にC-Refに集まってたんじゃ……!!」
茜「それだけではないっ! 奏坂学園総選挙に勝つ為の現在の総本部が他でもないC-Refなのだぞ!? 今の時間では中等部の者らも来てるはず……!!」
迅「あと九瓏から聞いた話じゃ、今日は雨天でグラウンドが使えないからってC-Refに来てるはず。おまけに天空中央高校もおんなじ感じでこっちに来てたんじゃ……! 大問題になるんじゃねぇのかよ!?」
……そう。この時間帯のC-Refは文字通りの大所帯。そんな中で衣服を脱ぎ捨てた変態男女集団がカチコミをかけてきたとあっては、C-Refは大混乱の渦に巻き込まれてしまうのは火を見るより明らかであった。そんな事態だけは、幾らギャグカオス大好きなこの集団でも、見過ごす訳にはいかない問題だったのだ。
茜「わーっはっはっはっ!! 心当たりはないものの、C-Refは他でもない我が牙城!」
なる「お洋服愛好会?ってのは聞いた事ないけどよぉ……!」
迅「この先に行かせる訳にはいかねぇ! いくぜ、茜会長、箱部ェ! HALsideのギャグカオス組の底力、思い知らせてやr……」
愛海(W)「たかが一般人、3人如きで止められると思ったら甘々のあまちゃんだよっ!! ズボンもスカートも関係無しっ! ひっちぎりing、My Way!!」
\ビリビリビリビリビリビリッッッ!!!/
「「「ば、馬鹿なああああああああっ!?!?!?」」」
しろにゃ「な、なるちゃーーーん!?!?」
雷那「先輩ーーー!? 迅ーーー!?」
W683side恒例の裸族技【裸族馬車(単に肉体で馬車っぽく形成して移動するという技)】の侵攻を防ぐべく、HALsideのおふざけ三銃士が揃って立ちはだかった。……のだが、馬車の先導に立っていた愛海師匠(W)たった1人相手に為す術なく敗北。流石はW683sideが誇る先輩裸族の実力……なのだろうか。ちなみに3人の様子は、迅が制服のズボンをホットパンツスタイルまで破かれる(但し中のドラゴン柄のトランクスは無事)、茜がスカートをギリギリパンツが隠れるかどうかレベルまでひっちぎられた状態、なるに至ってはそもそも舞高の制服にスカートが無いせいで全体的に引っかき傷のように切り裂かれていた() 女性陣に至ってはそよ風ひとつだけで恥じらう事態なのだが!?
裸族暴走は、何人たりとも止められぬ
- 裸族講座(後編) ( No.64 )
- 日時: 2024/07/04 21:55
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
茜「ぐっ、ぐぬぬ……っ! よもや私の衣服まで狙われることになるとは思わなかったぞ……っ!!」
雷那「先輩、下手に動かないでください……! ……パンツ、容易に見られますよ()」
茜「やめろォッ!? せっかくその事実から逃げようとしてたというのにっ!!」
なる「んな事で恥じらってる場合かよ! あたしらはまだまだ戦わなきゃなんねぇーのよ!!」
白奈「で、でもどうしましょう……! あの裸族馬車、もう人力で追いつくのは無理ある速度で駆け出していきましたよ……!?」
迅「まぁまぁ落ち着きなさんな。今から奴らを追うってのは流石に無理ある訳なんで、諦めてプランBに切り替えませんと」
雷那「…………色々と配慮してくれてんだろうなーってのが分かるから彼女としては嬉しいんだけどさ、土下寝で提案しながら電話試みるとかシュールにも程がない?」
……さて。裸族暴走を止められなかった一行は、プランBを展開する為に一斉に電話をかけていた。……つまるところ、プランBとは先制で連絡し裸族襲撃に出来るだけ向こうに備えてもらうという事であった() まぁ、これが出来なければ日常小説はまかり通らないだろうからな…………;
──C-Ref球場にて。
吾郎「 黒 沼 ち ゃ ~ ん ! ! 」
一馬「……今回の3打席勝負は決着が着いただろ。残りは次回に持ち越しだ」
吾郎「そう固いこと言わないでくださいよ。私が野球を続けているのも、他ならない黒沼ちゃんが野球の道を突き進んでるからなんですから……」
九瓏「……おい、柊一郎。アイツ、ひっぺがしてもいいか?」
柊一郎「アハハ……; 僕も、米田の兄さんがそっちの……黒沼くん、だっけ? 彼と因縁……なのかな? そんな縁がある事を知らなかったから……; ……? 電話がなってるみたいだよ?」
九瓏「? 俺宛てに? 一体誰から…………」
\ピッ/
九瓏「もしもし、九瓏だ」
迅「あっ、私です。緋桐迅です」
九瓏「こんな時間に何用だよ」
迅「今、C-Ref球場に居るんですよね?」
九瓏「あぁ。それがどうかしたか?」
迅「実はこっち、裸族の講習会を聞きに行ってたんですが……」
九瓏「裸族の講習会ってなんなんだよ() ……けど、電話したって事は、何か起きたのか?」
迅「……裸族がC-Refを襲撃しにくると。なので予め、とりわけ裸族に弱そうな人を避難させるべきだと思って連絡したんですが……懸念事項は何かありませんか?」
九瓏「 」
裸族がやって来るから、避難の必要があれば済ませるように。
いざこれを何も知らない人間がやろうとすると、当然ながらどう対策を取ればいいかなんて分かるはずがないのである。ましてや九瓏率いる千将高校は女性部員も数名おり、彼女達の避難対応を如何様にすべきか、九瓏に判断が委ねられることと…………
九瓏「まぁ柳生は剣道の達人だから自衛は出来るだろうし、蒼鳥は重度の飛行機オタクだからな。裸族如きにたじろくような奴らじゃない筈だから、避難の必要はねぇだろ」
迅「九瓏。思ったより事態甘く見てません???」
九瓏「まさか。マネージャー2人を考慮したとしても、片方はどれ程混迷を極めた状態でも的確にツッコミを入れてくれる冷徹マネージャー、もう片方は俺らの最終兵器だぞ? 何処に心配する要素があると。……むしろ注意を促すべきは、天空中央高校の面子の筈だ」
九瓏「……おい、柊一郎。緊急事態だ」
柊一郎「えっ、何かあったの?」
九瓏「近いうちに、衣服を脱ぎ捨てた変態集団がここを襲いに来るらしい。避難の必要がある人員がいないか確かめてくれないか?」
柊一郎「ごめん、なんて???????」
柊一郎「うーん…… こっちの野球部は、女の子への人気こそ高いけど、別に女性部員は居ないからね。そんなに気にする事は無いと思うよ。……あっ。でも、彩理さんだけは避難させた方がいいかも。そうしないと虹谷君が何しでかすか分からないから……;」
九瓏「分かった。避難のさせ方はそちらに委ねる事になるが、別に構わないな?」
柊一郎「うん。丁度今、彼女達は部室に戻ってるはずだから、そのまま待機するように言っておくよ」
ろくに裸族の存在も知らない一同に緊急事態を伝えるというのは、困惑もするし骨の折れる工程だ。しかしこれも、C-Ref在籍メンバーのメンタルを少しでも保護する為。バカバカしい話ではあるが、茜会長から楓副会長へ、白奈からアリシアナへと、裸族警戒の報せは伝達されることとなった。協議の結果、イロドリミドリ方面は、1年生が多めなHaNaMiNaは流石に精神衛生上宜しくない気がするとの事で、七々瀬が先導して避難。オンゲキメンバーに関しても、純粋無垢が特に過ぎるあかり、柚子、千夏の3名を葵が責任をもって避難させることにしたという。まさかまさかの主役群勢、ASTERISMが全員退避という事態である(爆弾投下)。
茜「……ふぅ。ともかく、これで一応避難勧告の方は間に合った訳だな。諸君、御苦労であった!」
迅「えぇ。後は、我々も急ぎC-Refに戻らないと……」
なる「……ところでよ。ちょっと気になってた事があるんだが…………」
白奈「誰か、1人忘れているような…………?」
雷那「えっ? …………そういえば。美亜は何処行ったのよ? たしか第4講義の辺りにトイレに行くって言ってきり…………」
──場所は移って、C-Ref。
学園の一大事という危険極まりない時期に馬鹿げた事に首を突っ込んでいた生徒会長に呆れつつも、生徒会副会長・九條楓は、総員への避難、警戒勧告を粛々と進めていた。
楓「……そうですか。では仕方ありません。奥の談話室でスマ○ラに付き合ってあげてくだい。止むを得ない事態であると推測されますので。……ふぅ、これで一通りの避難勧告は間に合いましたね。あとは、出来うる限りの対抗措置w……「た、大変だぁーーーっ!!」 ……っ!? どうかしましたか、結城莉玖さん!」
急な叫び声に何事かと目を向けると、⊿TRiEDGEのがおー系ロックンロール少女がバタバタとこちらに駆け寄ってきた。随分と慌ただしい素振りを見せているが……?
莉玖「大変大変、大変なんだぁーーー!! 大変! 大変が現れたんだよっ!」
楓「…………? 大変? 大変が現れた、と言いますと?」
莉玖「だーかーらーっ!『たいへん』がやってきt……? ああっ、違う!『へんたい』だ! 変態がさっき、向こうの演習場方面から襲いかかってきたんだ! もう既に何人か被害が……っ!!」
楓「!? 直ぐに事態の沈静化を果たしに行きましょう!」
莉玖からの報せを受け、暫定統括の楓は問題の演習場に向かったのだが…………
虹谷「はーーっはっはっはっ!! 麗しきレディ達を襲っている不埒な輩は君達かい?」
東雲「いけませんね。女の子を不当に傷つけようなどと……」
神成「俺のオンナに勝手に手ェ出してんじゃねぇよ!」
『うおおおおおおおおおおおお!!!』
飯男「女がどうだとか、ゴチャゴチャうるせぇんだよ!! ターゲット:ユニフォーム、ロックオン!!」
ゲネオ「ククッ。この場にいらしてる方々があなた方にとって何なのかは、我々にとっては預かり知らぬ所。我々の新たな門出の生贄となって頂きましょう! 繊維:ポリエステル100%、出力:33.4%!」
マカオ「アパッ! ショウジュン:ヒザウエ10センチ!」
『三位一体! ズボンひっちぎりィィィッ!!!』
\ビリビリビリィィィッ!?!?!?/
『うわあああああああ!?!?!? ボク(僕/俺)達のユニフォームがああああああああ!?!?!?』
演習場は大混乱そのものとなっており、現地に辿り着いてしまった裸族達の手によって「脱・お洋服愛好会」という謎のスローガンが場の中央を支配してしまっていた。
既に裸族技の被害をモロに受けてしまったのか、仏原拓男(千将高校のあのオタク男)、御形アリシアナ(イロドリの頼れるバンマス)、高瀬梨緒(莉玖の先輩)、早乙女彩華(えっち耐性皆無)の4名が倒れ込んでおり、先程の襲撃で新たに天空中央3人組も倒れ込んでしまっていた…………
鞘花「くっ……! 何なのですかこの変態達は!? 我が小浪一刀流を持ってしても、まるでかすり傷ひとつすら与えられない……!」
大心「恐らく戦い慣れてるんだろうな! 全く取り押さえられる気がしないぞ!!」
政秀「おまけに、数的にもこちらの方が不利だろう…… ここに在籍してるメンバーの過半数は女子だからな;」
咲姫「あら、失礼ね。オンゲキっていう特殊な次世代スポーツとはいえ、私達だって役に立てない訳じゃないわよ? …………それよりも」
これ以上の被害を出させまいと既に何名かが応戦してくれていたが、裸族の侵攻を防ぐのが精一杯と防戦状態なのは明白だった。
しかしながら、中でも特に問題だったのは────
咲姫「どうしてあなたがそっちにいるのよ! 美亜っ!!」
- 裸族講座(後編) ( No.65 )
- 日時: 2024/07/04 22:03
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
彼女達が相対する先に居たのは件の裸族一味、なのだが。W683sideから景気づけでプレゼントでもされたのか、彼らは痛褌を巻いて変態性をパワーアップさせていたのだ!? 勿論、柄物なので褌には絵が描かれているのだが、よく見てみるとシャ○マスやらデ○ステでよく知られるあの子やその子のあられもない姿ばかり……; ……まさかとは思うが、お前らこの子達のことよく知らないまま履いてたりしないだろうな?
飯男「あ"ぁん? そんなもん知ってるわけねぇだろうが」
ゲネオ「ククッ。しかし、他ならぬ裸族の先立から頂いたもの。丁重に扱う他ないでしょう?」
ガレス「まぁ強いていうなら、プリントされるくらいには有名な娘達なんじゃないの? ウチらもそんくらい有名になんなきゃって事じゃん?」
マカオ (´・ω・`)?
ダメだ。全く理解してる気配がない。人間文化に馴染んでないからとか言われたらそこまでだが、だとしたらこんなイラスト描かれた皆さんが不憫でしかない。
しかし、だからこそ、彼女の存在は裸族にとって大きな助けとなっていた。
美亜「にゃふふふふ♪ これだから皆はまだ野蛮だと思われちゃうんだよ。美亜ちゃんの手にかかれば、どんなフルーツの情報だっておちゃのこさいさいなんだからっ!」
「「「「おぉ~~~~~~っ!!!!」」」」
愛海(W)「まさか、あたし達の事をビッシリと把握してるだなんてね…… 柏木美亜ちゃん、とんでもない逸材かもしれないね……!」
ウッキーR(W)「だっぺ! 裸族技の精度はまだしも、オラ達にも負けず劣らずの身のこなしをしてるっぺ!」
ワリオ(W)「うむ! これでHALsideの裸族も、新たなステージに進んだと言えるだろう!」
「ふざけないでください!!!」
裸族達が新たな仲間を祝ってる素振りだったが、当然ながらその場に居なかったので状況を理解出来ない者達が大多数であった。
中でも、美亜と同じ『マーチングポケッツ』のメンバー:東雲つむぎは、純粋組故に今は不在のリーダー:日向千夏の分も含めた信じられないという思いが強く根底にあった。
つむぎ「確かにみゃーは、その…… 言ってしまってはなんですが、女の子に目がない、少々オジサンめいた女の子ではあります…… でもっ! それでも、決して他の人にまで危害を加えるような人じゃありません!! あなた達、みゃーに一体何をしたんですか!!」
涙を浮かべ、目の前で起こってるあまりにもカオスな現状を前に身体が震えて堪らないものの、何としてでも抗おうとするつむぎに対し、当の美亜はというと……先程までのにゃふ顔は何処へやら。まるで心を潰されているかのような、苦しい表情を浮かべていた。
やはり美亜に何かがあったのではと疑う面々だったが、皆の間を割るかのように2人の男女が前に出てきた。
亜音「……あなたは、美亜さんのお友達なんですね。急に彼女の考え方を改めさせてしまった事については、本当に申し訳ありません」
乱歩「……彼女に一体何をしたのか、だったな。真実を知る覚悟があるのなら、俺の口から話すが……どうする?」
モンスター組の中では比較的温厚で話が分かる亜音と乱歩だが、裸族&裸族ファンとして身を置いてることもあってか、その表情は正しく真剣そのもの。モンスターとしての威圧感が、つむぎの前に立ち塞がっていた。
──しかし、東雲つむぎの意思は確固たるものだった。
乱歩「……良いだろう。それは、俺達が裸族講座を急遽取り止めにし、この場に乗り込もうとした時の事だ…………」
──────────────────
「さっきの裸族講座、凄い感銘を受けたんです! 裸族が行ってる活動、もっと教えてくれませんか!」
──それは、問題児3人をこの手で脱ぎ晒してやった後の事だった。
なんと柏木美亜は、爆走を続ける裸族馬車の真ん前に飛び出してきたかと思えば、第一声から思いっきり裸族の活動に興味津々だと打ち明けていたのだ!? あれっ、美亜ちゃん本当にそっち側だったっけか!?
飯男「あ"ぁん!? おい小娘、馬車が走ってるってのにいきなり楯突くのは危n」
乱歩「まぁ待て、落ち着け! 少なくともこの子には敵意は見当たらないだろう? ……しかし、どうしましょうか、霖之助さん。俺達、このような展開は初めてで……」
相変わらず何にでもがんを飛ばそうとする飯男を抑えつつ、乱歩は霖之助に助言を求めた。何せ、彼らからすれば初めての『知人以外の裸族肯定者』だからだ。
霖之助「……うん。僕達、裸族の考え方に共感してくれる人っていうのはとても大切だからね。しっかりと丁寧に導いてあげるんだ」
霊夢「ワリオ尊師(W)も言ってたでしょ? 裸族は日々、活動を広げるために布教活動をしてるって。丁度いいわ。折角なんだから、あなた達自身で彼女に裸族の活動を教えてあげなさい?」
ガレス「へぇ? なるほどねぇ?」
裸族たるもの。裸族文化を広げるための布教が出来なければ、生活圏を得るのも一苦労。その重要性、及び大変さを理解してもらうためにも、霊夢達はこの場を研修の1つとしたのだ。
……いや、裸族が生活圏を得ようとするってのも変な話なのかもしれないが。
……しかし、皆さんはある事をお忘れではないだろうか?
飯男「……おい、乱歩。裸族文化を布教ったってどうすりゃいいんだよ? オレが部下を集めた時なんかは、力を示したりカリスマ性でどうにかしてたんだがよ……」
ゲネオ「ククッ。今回の相手は人間の少女。……我々の従来のやり方が通じる、というわけでもないでしょうね。残念ながら……」
ガレス「だーから言ったじゃん! こんな時のために裸族宣材PV作ろーよって! ……あれ。でもまだあれ未完成だったんだっけ?」
マカオ「アパ。マカタチ、ラゾク、ミジュク。ダカラ、オシエ、ウケタ。アパッ」
乱歩「…………そうだったな。ひよっこ裸族の俺達じゃあ、これといって布教に使える「何か」すら持ち合わせてないんだったな……;」
美亜「え、えぇっと…………本当に大丈夫?;」
……そう。この新人裸族一同、そもそも裸族としての心構えすら足りてない状態だったから裸族講座を開いたのであって、ようやく裸族としての正式な第一歩を踏み出せた矢先で布教も宣伝も何も無かったのである。
気概一つだけで布教が出来る程、裸族の道は甘くない。そもそも羞恥心の方が普通は勝つし、伴う危険だって格段に多いのだ。
裸族の回想、今回結構筆が乗りました
- 裸族講座(後編) ( No.66 )
- 日時: 2024/07/04 22:08
- 名前: HAL (ID: J0KoWDkF)
「えぇい! 情けないっ! それでも胸を張って裸族と呼べるものかっ!!」
布教への有効打1つも持ち合わせていない新人裸族達を見かねたのか、とうとうワリオ尊師(W)達が立ち上がった!
ウッキーR(W)「全く、情けない話だっぺ! この裸族として培った圧倒的なマッスルボディを以てすれば、どんな人間だって惚れ込むに違いないんだっぺ!!」
愛海(W)「……う~ん、どうだろうね~? なんていうか、あの子はあたしと似たような雰囲気があるんだよね。シンパシー、ってやつかな? だからさ、これなんかどうだろう? あたしの今1番のお気に入りで、裸友も参加してるんだけど……」
特に共感性を感じるという愛海(W)が、奏坂のにゃふにゃふ娘に手渡したのは、とある映像だった。一体何が映っていたのかというと…………
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花村(夢)『アッハハハ! 愚かなホボムネチラの大地の民達よ! たった今奪った裸の大樹の力を以て、この地をお洋服に染めてあげるよっ!!』
ジャクリン(W)『そうはさせへんで!! マルハダーカ王国の王女として、アンタに好きな様にさせて堪るか!!』
日菜子(W)『勿論、私達の大切な勇者シミパンを倒させはしない!!』
コリエンテ(W)『今やそっちが思っている様な貧弱な国じゃないんだよ! 皆で力を合わせてぶちのめしてやる!!』
花村(夢)『クッ……! どうしても言う事を聞いてくれないんだね…… だったら、こっちも相応に相手してもらうよ! 行け、闇の最強裸族コンビよ! ぼくの野望に仇為す勇者達を、悉く闇に葬っちゃって!!』
メイプル(ゆ)&ゴーグル(ゆ)『『ラジャー! 魔王スケブーラ様ー!!』』
茄子(W)『そんな…… まさか私の持つヌードスピリットを以て世界が滅ぼされるなんて……! お母様、お爺様……私はこのまま、らぞきゅあに恩すら返せずに終わってしまうのですか……!?』
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美亜「こ、これは……!?」
愛海(W)「最近段取りの不手際で公演が遅れてしまった事で話題になった、有名な裸塚の胸組公演『ぬぎぬぎらぞきゅあ!~phantasm lost~』だね」
ガレス「うっわ! マジで演技パねーじゃん!! 皆、自分の持ち味を活かして裸族として日々頑張ってんだね~ ……ウチらも裸族としてケンサン?積めば、こーした公演に出演して皆にユメを届けられる、ってわけ?」
愛海(W)「もちろん! その高みまで登ってこれたなら、その時は一緒に裸族ミュージカルに出よ~よ!」
いやお前ら、純情な中学2年の女子になんてもん見せとんねん!? ……いや、別に純情ではなかったか?(超失言)
しかしこの裸族ミュージカル、参加面子がいちいち豪華すぎませんかね!? なんか大御所級の裸族も見受けられるんだけど!? あとタイトルだとか経歴も割と(今となっては少し前の)時事ネタ突っ込まれててツッコミが到底追いつかないのだが??? それとそのタイトルをわざわざ選んだってことは某子世代&第七大好き作者を初めとしたニチアサプリキュア大好き作者陣をまたしても敵に回す気満々じゃねぇか……(諦観)
そんな裸族らしさ1000%の超大作を目にした美亜は、ガタガタと身体を震わせ…………
「こ、こんなに活き活きとした可愛く、美しく、逞しいフルーツなんて、本当に初めて……!! あたし、本当に感動しちゃった! もっと彼女達に近づきたい…… そうと決まれば、美亜ちゃんも裸族……に…………っ」
う、うわああああああああああああ!?!? と、とうとう可愛いオンゲキキャラからも裸族が現r…………?
…………一体全体、どうした事だろうか。
今までのHAL作品、というか大体の裸族物語であれば、一度こうしたキッカケに目覚めてしまうとあとはキレイに裸族と成り果ててしまう事が通例と化してしまっていたのだが、今回はどうやらワケが違うらしい。
かつてない異様な事態を前に、W683sideの先輩達もすぐには声を掛けづらい状態となってしまった。
ワリオ(W)「……ど、どうしたと言うのだ? 今のは間違いなく、こう、裸族としての道を新たに始める展開だったろう……?」
霊夢「……ちょっとこのパターンは、私も初めて見たわね。一体、何が彼女の衝動を止めてるのかしら……」
乱歩「……話を聞かねば、答えなど出るはずもない」
意を決したのか、乱歩が彼女の前に歩み寄った。彼の足音が聞こえて身体を少し震わせていたが、美亜は決して乱歩から視線を切ることはなかった。
乱歩「……その目つき。真剣そのものだな。裸族を志したいという意思、俺達裸友との友好関係に対しての懸念が見受けられる訳でもない。ならば、お前が感じ取っている恐怖は一体…………」
「多分、『友達への申し訳なさ』じゃないかな」
どこからともなく聞こえてきたその声に、一同は揃って振り返る。
声の先に立っていたのは、白銀のボロボロなドレスを身にまとった令嬢、上裸のあらくれ、片目隠れのバンダナ盗賊……もとい、モンハン裸族協力隊の3人だった。
井槌「急に場を離れられたものだからな; 追いつくまでに時間がかかってしまったでござるよ;」
首領原「ようやく追いついたかと思えば、今度はいたいけな少女に何やら説き伏せてるじゃねぇか。流石に事態が気になったもんだからよ、亜音に言われて話に混ざることにした、って訳だ」
井槌と首領原もこの状況を気にしていたようだが、今回は亜音たっての要望だという。彼女は周囲を一瞥した後、再び美亜に話しかけてきた。
亜音「柏木美亜ちゃん、だったよね。あなたには、これまで一緒に過ごしてきた大切な人たちがいるんじゃないかな?」
美亜「…………っ!!」
亜音「裸族にはなりたい。でも、それが結果として、今までの関係性を壊してしまいかねない。……そんな葛藤があったとしても、人間のあなたなら不思議じゃないと思ったの」
亜音の優しくも真っ直ぐ突き刺さる重たい言葉に、いつしか、美亜の瞳は涙で滲んでいた。
美亜「……うっ…… なっち…… つむりん…… 咲姫ねえ…… あたし…………っ!!」
乱歩「…………成程な。そういう事情だったか」
亜音を通じて美亜の心情を理解した乱歩は、それでも尚、顔色を一つも変えずに美亜の前に立っていた。
乱歩「……俺には、俺達には、裸族の仕来りが分からない。他の者達がどのように声を掛けるかは俺の与り知らない所だが……これは、俺個人の率直な意見だ」
「裸族としての志を共にしてくれるのは、俺達としても是非とも歓迎したい。だが、それにより今まで築いてきた繋がりまで断ち切るように強要するのは、俺の意に反する」
「他の先輩方がどう思われるかは定かではないが、俺は【必要に応じては裸族の有り様を封じても構わない】と考えている」
『!?!?!?!?!?!?』
「……そうでもしなければ、お前はこの誘いには乗らないだろう。心配するな。説得ぐらいなら俺からもお願いするし、過剰なまでの布教活動や出過ぎた真似はさせやしない。俺が保障する。……最も、お前自身が望んで行う場合は、下手に止めはしないが」
「大丈夫だよ、美亜ちゃん。乱歩の事を信じてあげて。私からも、美亜ちゃんの友達に一緒に説得するから……」
人ならざる者ではあるが、相手の立場や事情を汲んだ上で説得してくれた2人に心を動かされたのか。
この時をもって、美亜の葛藤は晴れる事となった。
「……ごめん。なっち、つむりん、咲姫ねえ、皆。……やっぱり美亜ちゃん、更なるフルーツを求めて一皮むけたい! 奏坂の皆の前では出来るだけ変なことはしないって約束するから、あたし、裸族としてもっとにゃふにゃふな人生を歩んでいくっ!!!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおお!!! 新たなる同志の誕生だっ!!!』
裸族とて葛藤があってもいいと思います
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