二次創作小説(新・総合)

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未だにカオスなのかもしれない非日常
日時: 2024/09/24 21:29
名前: HAL (ID: J0KoWDkF)

皆さん、初めまして。HALと申します。
過去3度も挫折をしたにも関わらず、やっぱりどうしても小説という形にしたかった物語を書きたくなった為に、この度4度目の執筆再開をさせてもらいました。今まではカオスな日常をテーマにしてきたのですが、今回とうとう”非日常”なんてワードを堂々と書き出すようになってしまいましたが……まぁ、おおらかな目で見て頂けますと幸いです。


〔 目 次 〕

プロローグ >>1-6
オリエンテーション to ラジオ >>9-17
集う3高校。彩り、音撃、甲子園 >>18-21
誕生日記念 ~HALの回顧録~ >>34-37
舞ヶ原と奏坂と「自分達」の将来想起 >>47-49
裸族講座 (前編) >>53-57 (後編) >>60-68

【阪奈編】
首領首領大乱闘 >>22-33

【九瓏編】
愛をと○もどせ!告白選手権 ~VS天空中央高校~ >>38-43
九瓏とその好敵手達の秋 >>71

【自己紹介】
阪奈、九瓏、迅、雷那 >>50
イロドリミドリ >>69
HaNaMiNa、舞ヶ原シンセ研究所 >>70



─ 注意事項 ─

・この小説ではクロスオーバーが発生します。
・この小説では、独自解釈によるキャラ設定(キャラ崩壊率???%)が幾つか施されていますので、どうかご了承ください。また”設定変更の可能性”もございます。なんなら既に実行してます(大問題発言)
・圧倒的文章量(の少なさ)、徹底的誤字数(の多さ)
・キャラ貸し出しも可能としておりました。その際はコメント欄にて許諾をお願い致します。
・荒らし相手にはそれ相応の処置をしますのでそのつもりで。
・3度も挫折してるという事実からも察せられるように、更新頻度は壊滅的に遅いです。またしても挫折する可能性もありますし、更新できたとしても数ヶ月かかる事も予測されますので、よほど暇がある方のみが読まれることを推奨致します。
・これは人によって制限されていない様なのですが、こちらの小説ではマナーを守った投稿をお願い致します。



─ 登場ジャンル ─
モンハン、パワプロ、イロドリミドリ、オンゲキ、オリキャラ


── ようこそ、C-Refへ ──

誕生日記念 ~HALの回顧録~ ( No.37 )
日時: 2023/09/24 00:51
名前: HAL (ID: J0KoWDkF)

著者がダウンして未だに起き上がらないまま、シーンは次々と進んでいく……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



結構問題そうな料理名のラインナップがぞろぞろと揃っており、11名は困惑する。が、折角入ってしまったお店なので、何か比較的マシそうな料理を頼む事にした。頼んだ料理は以下の通りである。



迅:辣麺
王牙:鳥丼
龍:カレイライス
影無:唐揚げ
充人:半バーガー
輝羅:PPAP
ウード:マルゲソータ
ブレディ:カキ氷
アズール:ペペロンチーゴ
セレナ:Vノンブラン
ノワール:パンケーキ



そこから11人分の料理が全て揃うまでに、15分もかからなかったという。しかし、せっかく何が来るのか分からない料理を頼んだのだ。その衝撃を分かち合いたい、と迅が申した事で、実は全員目隠しをして待っていたのだった。



王牙「………ねぇ、そろそろ全部運ばれたんじゃない?」
輝羅「それもそうだな。じゃあそろそろ目を開けることにしますか………!!」
ノワール「なんか怖くなってきた………;」
ブレディ「泣きてぇのはコッチもだよコンチクショウ………;」



迅「じゃあ目を見開くぞ………」

11人『せーーーーのっ!!!!』



  <●><●> <ガンッ!



そんな彼らに待ち受けていた料理とは………!?





























迅:汁の2割が朱色の油?のようなものになってる醤油ラーメン
王牙:いかにもパズ○ラに出て来そうな黄色い鳥の魔物が丼の中に
龍:鯛めしの要領で上に鰈が乗っている
影無:見た目は普通の唐揚げ。しかし殆どが何故か細長い
充人:上部のパンが無くなったハンバーガー
輝羅:桃とパイナップルと林檎がふんだんに使われたパイ
ウード:ゲソをふんだんに用いたピザ。ソースにはイカスミも使用
ブレディ:見た目は肌色っぽいかき氷
アズール:青いペペロンチーノ、っていうかイチゴパスタ
セレナ:何処かで見たことのある火山っぽいモンブラン
ノワール:食パンの上にショートケーキが乗っている




  な  ん  だ  コ  レ



迅「何だよこの如何にも辛そうなラーメンwwwww こんなの食えるのかよ?www」
王牙「ねぇちょっと待って!? なんかもろに魔物居るんだけど大丈夫なのコレ!?」
龍「あぁ?そんなもん倒せばいいだろうが。鳥っぽいんだし卵もあるし味は保証されてんじゃねぇのか? ………しかし俺の読みは外れたか。カレー食いたかったけどコレじゃ鰈めしじゃねぇか」
影無「………コレ本当に鶏の唐揚げ?;」
充人「味は保証できるんだろうけどさ……… 上部のパンが無ぇから掴めねぇじゃねぇか; これまた面倒臭ぇもん作りやがったな………;」
輝羅「嘘だろwww ネタ枠狙ったはずなのに1番の当たりじゃねぇかwwwww」
ウード「ヤベェwww マルゲリータ頼んだと思ってたらマル『ゲソ』ータだったわwww お陰で来たのはイカ尽くしのピザってwww」
ブレディ「よ、良かった……… 俺のはまだまともなかき氷だったか………;」
アズール「うーん……… 青色の料理って食欲が失せるんだよね; しかもその状態で寄りによってイチゴパスタって; 何処かの天パ侍じゃないと食べないんじゃないかな?;」
セレナ「………ねぇ、私この料理何処かで見た気がするんだけど?;」
ノワール「いや、確かにパンとケーキなんだけど……… コレは……ねぇ?;」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「ほぅ、ネタ振り全開の昼飯回ですか。これは丁度いい面白さを突いてるのでは?」
「それとあの5人、確かゆめひめsideの子世代さんじゃなかったかしら? ここでコラボ枠を用意するとはね」
「うーん、私からしたらどれもおいしそうな気がするんだけどなぁ……」
「お前、正気か? 青いいちごパスタに火山みたいなモンブラン、挙句の果てに魔物がドンと乗った料理だぞ? 旨いと思うか???」


……えー。なんとこちらのシーン、ゆめひめさんのオススメシーンとして実際に教えていただいた場面だったりします。やはりコラボシナリオというのは責任が重い分記憶にも残りやすいのかもしれません。


というわけで、次が最後の切り抜きになります。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ゾーマ「それでは二回戦を始めるとしようか。よーーい………」



 \パァン!!/



合図と共に走り出した8人はなんとかお題を手にし、出来れば簡単なお題が来てくれる事を願った。そうして現れたお題を見た選手達はというと………


幽香「………あら、そういう事ね」
慧音「む!? コレは何処かで見た事があった筈なのだが………」
輝夜「成る程、これなら楽勝ね」
諏訪子「コレか~ ………けど誰なら持ってたりするかな?」
他4名『………………………………??』


今度は半数近くものメンバーが頭に?を浮かべたり、何かを必死に思い出そうとしたりして、その場から動かなくなってしまった。一回戦とは若干違う難色の反応に、観客達もそのお題の内容に興味津々になっていた。



紫「………作者、コレは一体………?」
晴哉「うん、まぁこんな反応する奴は増えるだろうな、とは思っていたさ。だから今回も一部の観客と読者の皆様に早速お題を公表しようじゃないか」
タブー「さてはさっきよりタチの悪いお題入れたな………?」
晴哉「人によるかな? 一部の人からすればむしろ簡単になったと思うんだけどな……… じゃあいくよ?公開!!」



そうして運営からの許可のもと、観客達に彼らの反応の原因となったお題が見せられたのであった。それがどんなものなのかというと………





パルテナ:『橄欖』
幽香:『鬱金香』
ゲムウォ:『鑿』
慧音:『弾機』
輝夜:『賽子』
サムス:『蕃茄』
リンカ:『扁桃』
諏訪子:『笊』





一部の観客『YO☆ME☆RU☆KA\(^o^)/』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



阪奈&九瓏「「???????????????」」
雷那「あっ、バカ2人があまりの難問ぶりに開いた口が塞がらなくなっちゃった」
迅「まぁ無理もないでしょうよ。どう見たってこれ難読漢字じゃないですか。よくこれ借り物競争でやろうと思いましたね……」


最後のシーンは実際の運動会シーンから。運動会の代名詞とも言える借り物競争の第二幕での場面である。漢字のような一般教養には少しばかり強い、正しくHALワールド全開なスタイルと言えるだろう。

他にも第二作の象徴である運動会では、ハイキン○ウォー○ングを模した選手宣誓、クリクリ&リンレンの謎の体操、海獣大集合の綱引き、腹筋崩壊必至のムカデ競争、自陣が揃って音ゲーネタしか擦らないカラオケ大会など、どう見ても爆笑要素しかない本編となってるので、未遂に終わってしまったとはいえ、是非読んでもらえると非常に有り難い。




──斯くして、晴哉のこれまでの物語を振り返るVTRは終わりを迎えた。……最も著者はというと、開幕早々ボコボコにされて気絶していたのだが;


まだまだ始まったばかりと言えるHALの物語。この先4人を待ち構えているのはどのような運命なのだろうか。是非とも読者諸君には、その行く末を見守ってもらえると幸いです。



迅「じゃあ管理人はまだ伸びてますが、そろそろ締めますか」
雷那「ん、賛成」


『これからも、私達4人の物語を宜しくお願いします!!!!』





おーしまい。


今回は誕生日特別短編なのであとがきとかも特にありません!!←

それでは今回はこの辺で! 感想をどうぞ!!

愛をと○もどせ!告白選手権 ( No.38 )
日時: 2024/01/28 16:56
名前: HAL (ID: J0KoWDkF)

今回の物語の舞台は千将高校。芳賀九瓏の母校で、長い校歴があること以外は特に特色の無い高校である。一応、近年は甲子園常連校になりつつあるようだが、甲子園で目立った成績を収めたことはまだない。

今日も今日とて、1日の授業を終え、放課の時間になる。
野球部員一同は更衣室に移動し、ユニフォームに着替えた後、校庭のグラウンドの一角に挨拶をして練習を始める。いつもの光景だ。
だが、私達が普段目にしない部分では、もう1つの日常が送られているのであった……



「……という訳で、以上が部員の練習中に私達が行う業務になります。何か質問はありましたか?」
「レンはもう仕事に慣れたから大丈夫だけど…… 阪奈さんは大丈夫ですか?」
「うん、一通りは大丈夫! 確認を取りたい時は直ぐに話すから、その時はお願いね! ……でも、皆凄いんだね。まねーじゃー、っていうのも大変な仕事なんだね」
「その通りです。私達は直接野球をするわけではありませんが、野球に対する熱意は他の部員達と同様、強く持っています。ですから、こうした裏方の仕事などを手伝う形で、彼らがより野球に注力出来るよう努めているのです」



グラウンドの角際で確認をとっていたのは3人の女の子。
1人は四角いメガネをかけた如何にも理知的なマネージャー、真祢田まねだ 紗穂さほ
1人はピンク色の長髪の上部をツインテールにした今はまだ気弱な後輩マネージャー、片桐かたぎり れん
そしてもう1人は…… 何故かこちらの世界に遊びに来ていた狩野阪奈であった。




曜「けど驚きましたよ。まさかキャプテンがあの異界から女の子を連れてくるなんて」
拳一「それなー。てっきり九瓏の奴はそういう色恋みたいな話には無縁だとばかり思ってたんだけど……」
大心「しかもいきなりマネージャー志望らしいじゃないか。随分と気に入られてるようだな!」
九瓏「……俺はこれでも止めたんだよ; だが、アイツは一度やると言ったらなかなか止まらないからな…… 矢部じい監督への説得が思ったよりすんなり進んで良かったぜ…………;」


ランニングを終えたメンバーは次に体操へと移る。その際、現在に至るまでの顛末を部員達にせがまれていたのだ。

まぁ実際何があったのかというと…………


─────────────

「私も学校行きたい!!」

「「「いや本当に唐突だな(ね)(ですね)!!!???」」」

阪奈「私も皆みたいにがっこーせいかつ?っての、やってみたいの!」

雷那「そう簡単に言うけどねぇ……;」
迅「転入にはどうしたって試験とか書類とか、こう……複雑なやり取りが必要になるわけですよ」
九瓏「こっちの言語や常識も十分理解が出来てない阪奈をいきなり高校に通わせる……ってのは、流石に無理ある話だよな……」

阪奈「えーっ!? じゃ、じゃあさ! せめてこう、がっこーせいかつを近くで見れるような事って出来ないの!?」
九瓏「そんな事言われたってな…………」
迅「………………? いや、待ってください。九瓏、貴方たしか野球部でしたよね?」
九瓏「? それが今なんの関係になるって……」


迅「いえ、野球部でしたら『OB』でしたり『外部誘致のマネージャーやらコーチ』だとかで理由づけしてあげれば、一応部活内くらいなら同伴させれるのでは、と思いましてね……」

雷那「うっわ、迅天才じゃん」
九瓏「はァ!? 俺が受け持てってんのかよ!?」
阪奈「えー! 良いじゃん九瓏! 本っ当にお願い! 野球のルールとかちゃんと覚えてお手伝いとかもするから!!」

─────────────


……という話があって、強制的にこちらの世界に押しつけられたのであった。

尚、その後、千将高校野球部監督の矢部じい監督(大きな丸眼鏡&サンタを疑いたくなるもじゃもじゃおヒゲが特徴の監督。矢部明雄との関連性は筆者もよく分かってない)を説得させる必要があったのだが、何故か二つ返事で了承された。これもまぁ著者パワーってことで1つ許していただきたい。




政秀「聞いた話によれば、阪奈という子はこの世界の人間ではないから常識に疎いと言っていたな。であれば、常に誰かが付き添う必要もあるのだろうが……」
つばさ「そこは大丈夫ですよ! 紗穂先輩や恋ちゃんが付いていれば問題ないはずです!」
一馬「……? おい、九瓏。あの3人に誰かが付き纏ってるみたいだが……」
九瓏「? …………いや待て、アイツは…………!」


体操も一段落し、次はキャッチボールに移ろうという時に、一馬がある事に気がついた。

先程まで練習用具を用意していたマネージャー3人のもとに、見慣れない服……というかユニフォームを来た男が1人話しかけていたのだ。恐らく他校の野球部員であるのは間違いない。

通常であれば、練習の偵察であったり練習試合の申し込みなど、そこまで気にする要素ではない。……が、今回は訳が違った。



仏原「おやおや……? あの薄水色を基調としたユニフォームにイケメンオーラ漂う爽やかな雰囲気…… 正しく、女性ウケNo.1かつ大半の部員が女好きで知られる『天空中央高校』の生徒ではありませんかな!?」
柳生「なっ!? そ、そのようなは、破廉恥な野球部が存在するというのか!? そ、そもそも、そのような野球部が我が校に何の用など……! と、とにかく話を付けなくては……!!」
石触「うーん……柳生サンが行っても、あんまり説得は出来ないんじゃないかなぁ? 柳生サンとて女の子だし、返ってナンパされちゃうかもだよぉ? ……それに、珍しく九瓏クンが鬼の形相で向こうに駆け出していっちゃったからねぃ……☆」




──『天空中央高校』。

それは、学業、スポーツ、各種部活動、あらゆる分野においてトップレベルの成績を納める、全国でも有数の名門校である。当然ながら野球部やサッカー部も超一流で、一月前の夏の甲子園ではベスト4まで勝ち上がっている事で知られている。おまけに、その半数が容姿までピカイチのイケメンという、文字通りのイケメンパラダイスである。……しかし同時に、天空中央高校の大体の男子生徒が女好きとしても有名である(問題発言)。

そんな天空中央高校の生徒が、わざわざ他校まで足を運ぶ時。そういう時は決まって目的は1つである。







「……という事情なんだ。だからどうだい? 僕達と一緒に、新しいエンジェル・ロード、人生の道を過ごそうじゃないか!」

恋「は、はわわっ……// そ、そうは言われても……」
阪奈「……? えんじぇる・ろーどって……何?」
紗穂「……貴方の仰る言葉の意味が分かりません。聞いた話によれば、既に天空中央高校には数多くの女子のファンが居るとの事。何故今になって、私達を勧誘するのか。理解に苦しみます」





……そう、『ナンパ』である。



何やら不穏な始まり……? 感想はまだ

愛をと○もどせ!告白選手権 ( No.39 )
日時: 2024/01/28 16:57
名前: HAL (ID: J0KoWDkF)

「……っ! そうだそうだ。僕とした事が焦りすぎてしまったね。知らなくても無理はないさ。エンジェルナイン計画は最近立案された極秘事項なんだ。だから……そうだね、僕と一緒にお茶をしないかい? そこで改めて詳しい話をしようじゃないか」

恋「え、えぇっと…… 気にはなるんですが、その……」
紗穂「現在は野球部の練習の真っ最中です。彼らをおいてティータイムを始めれる程、私は不義理な人間ではありません。どうぞお引き取りを」
阪奈「私、色々分からない事だらけだから九瓏が居ないと嫌なの! そもそも、あなたなんでここに来たの!?」

「……九瓏、ね。実際そうさ。九瓏のテリトリー「だから」目をつけた。彼相手なら、最悪事後報告でも許してくれるだろうからね。さぁ、行こう。大丈夫、先の道なんて分からない事だらけだろうけど、僕の方が丁寧に、優しく光の道を導いてあげられる。急がないと、皆を過度に心配させてしまう……!」
「えっ、ちょっと…………!!」


ハンターとしての性なのか。怯える恋と粛々と異を唱える紗穂を庇うかのように、阪奈は2人の前に立っていた。が、同時に阪奈はとある事を思い出していた。


──九瓏や雷那達の世界は、阪奈の世界とは大きく異なる。
野生にモンスターなどは存在せず、日常に危険が潜んでいるわけでもないので、皆揃って武器を持っていない。ましてや、安易に人を傷つけてはいけない。
阪奈は『ハンター』である事も相まって、余計に一挙手一投足に気をつけなければならなかった。

……だが、このようなナンパに対する有効打を、生憎阪奈は持ち得ていなかった。



(いつもだったらここで私が撃退しておしまい、だけど……今はそれじゃダメ。でも、このままじゃ……!)

今まで不祥事紛いの出来事は全て己の腕で解決してきた阪奈にとって、最大の武器を封じられた今の状況は、ある意味、初めて精神的な意味で追い詰められ始めた【危機】だった。


(お願い…………! 誰か……………………!!)


































「 千 将 の マ ネ ー ジ ャ ー を 勝 手 に ナ ン パ し て ん じ ゃ ね ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! ! 」


\ ば し こ ぉ ぉ ぉ ぉ ん ! ! ! ! /


「ぎゃあああああああああああ!?!?」





────刹那。

今まで聞いた事もないような芳賀九瓏の怒号と、渾身の飛び膝蹴りの一撃が、グラウンドに木霊した。


どさっ


思いっきり吹っ飛ばされた天空中央高校の生徒が、音を立てて倒れ込む。

……或いはこの時、『別の何か』が落ちたのかもしれない。

















九瓏「……ったく。他校の生徒にも積極的にナンパとはな。校風に流されて堕ちたもんだな、『柊一郎』」


あの一騒動が治まった後、千将野球部と柊一郎という天空中央高校の男は、もはやただの業務的倉庫と化してしまった部室に場所を移していた。


柊一郎「アッハハ……; まぁ、あの現場を目撃されたとあっては、返す言葉もないけどね」
紗穂「……お言葉ながら失礼します。先程の雪村さんの発言、そしてお二人が直ぐに他愛もない会話を始めた点を踏まえますと……貴方達はどういった関係性で?」

室内の雰囲気は一触即発……が想定されていたのだが、2人とも争う気概は一向にない。一体どういう事なのかを尋ねてみると……



九瓏「ん、あぁそうか。お前らにはまだ言ってなかったな。紹介する。雪村ゆきむら 柊一郎しゅういちろう。……俺の中学の頃の同級生だ」

柊一郎「改めて、初めまして。さっきはこちらとしても道を踏み外した誘い方だったよ。本当にごめんね?」


なんと2人は、中学の頃の同級生だという。たしかに、それだけなら2人の腐れ縁具合にも納得である。

……だが、この事実を前に驚いた人物が居た。




仏原「……ンン? お待ちくだされ、九瓏殿。たしか九瓏殿が中学時代に在籍されていたのは先王中学校…… 中総体で幻の優勝を遂げたといわれる有名かつ問題校だったのでは……?」


先王中学校。
2年前、全国中学校体育大会(略して中総体)の野球部門において、事実上の優勝を果たした学校である。しかしその後、とある不正が発覚したらしく優勝は取り消されたとニュースになった。

九瓏と柊一郎は、そんな問題真っ只中な世代だったのだが、この事について部員は今の今まで一切知ろうともしてこなかった。


柊一郎「……そっか。やっぱり、皆も知ってたんだね」
九瓏「……悪ぃが、その事については触れないでやってくれ。後遺症とかがあるわけじゃねぇんだが……お前らには信じてもらいづれぇ話なんだ」



九瓏からの説得もあり、結局それ以上の詳しい話を伺う事は憚られた。この詳細について語るのは、まだ暫く先のことになるだろう。

それはともかく、話は柊一郎の方に戻る。


九瓏「で、だ。紗穂から聞いた話によれば、本校にだって女子マネージャーが多くいそうなもんだが、最近は他校のマネージャーを各地から引き抜こうとしてるらしいな。…………何があったんだ??」

柊一郎「アッハハ…… やっぱり変に思うよね? 僕も当初はそう思ってたさ。けど、こっちとしては案外笑えない事態になっちゃってね…… 話だけでも聞いていってほしいんだ」



かつての九瓏の仲間、雪村柊一郎はそう言うと、今回の出来事についての発端を明かしはじめた……



九瓏、怒りの一撃

愛をと○もどせ!告白選手権 ( No.40 )
日時: 2024/01/28 17:03
名前: HAL (ID: J0KoWDkF)

──とある日の天空中央高校。

一月前の夏の甲子園ではベスト4まで勝ち上がるなど、高い成績を治めてきた名門校であることは間違いない。
次こそは全国優勝の目標を掲げ、雪村も含めたスター級の選手を揃えて準備万端、の筈だったのだが…………




ひょいっ

ただのキャッチボールだというのに、制球が定まっていないのか、ボールは相手のミットから大きく外れた方向へ飛んでしまった。

モブA「っとと! おい、虹谷! どこ投げてんだよ!」
虹谷「あっはは、すまない。……どうにも今日は調子が乗らないんだ。ちょっとティータイムにしようか?」

そう言って早々に練習を切り上げようとする、長い金髪を結った劇画的な眉毛が目立つイケメンなこの男、虹谷にじたに まこと
現・天空中央高校の絶対的エースで、七色の変化球を操る凄腕のピッチャーである。……のだが、どうにもこのところ、その真価を発揮出来ないでいるようだ。



カツーン
パツーン

神成「……んー。このバット、どうにも音色がイマイチだな……」
モブB「なぁ、神成。そんなやる気のないバッティングは投げてる側にも失礼だぞ?」
神成「うるせえ、肩慣らしだよ肩慣らし。いいから文句言わずに投げろ」

バッティング練習の最中。球を打つ「音」に着目する紫髪の男が1人。彼の名は神成かみなり たける
高名な指揮者の息子で、本来は音楽の道を突き進む予定だったらしいが、運命の交錯なのか今は野球にのめり込んでいる。だが、どうにも最近は音の調子が良くないとのこと。



カーンッ
ポロッ

東雲「おやおや、今日のキミはずいぶんと気まぐれなんですね。倦怠期、ってやつなんですかね」
モブC「お前なぁ…… その、ボールを女の子扱いするやつ、やめないか……?」

ノック練習中にも変な反応をしている男が1人。メガネをかけたエレガントそうなこの男の名は東雲しののめ 翔也しょうや
彼もまた女の子からの注目を浴びる存在なのだが、本命は他でもない『白球そのもの』。完全に野球ボールに恋をしている、多分見た目が一番ヤバイ男である。



柊一郎(……おっかしいなぁ。夏の甲子園までは皆万全の状態でプレイしてた筈なのに、最近どうも皆道に迷ってる…… 特にこれといった原因は思い当たらないんだけど…… 怪我? 病気? それともメンタルに何か……?)

「お困りのようですね、柊一郎」


虹谷、神成、東雲の3名は、今の天空中央高校を率いる大事な主力選手達。彼らの不調はチーム全体にも影響を与えかねない。柊一郎はこの現状を憂いていた。勿論、危機感を持った者は他にも居た。


柊一郎「あっ、米田の兄さん」
米田「フフ、兄さん呼びはよしてください。別に私がリーダーを張っているわけではないでしょう?」


そう言って柊一郎の隣に立つ、長髪で右目を隠した長身の優雅そうな男。名前を米田よねだ 吾朗ごろうと呼んだ。


柊一郎「それもそっか。ごめん」
吾朗「恐らく、あの3人の不調についての話でしょう? あさひ監督は根性論でどうにかしたかったようですが……大方通じないでしょうね。それは柊一郎も分かるでしょう?」
柊一郎「うん。僕らの思考回路も、どちらかといえば虹谷君達よりだからね……」


どうしても天空中央高校に入学する生徒は、秀才であると同時にそれまでモテていた形跡がある者が多くを占めていた。
先王中学校で一番モテていた雪村や、現在進行形で夢女製造機などと揶揄される完璧系王子様の米田も例に漏れることは無く、虹谷達の考えることは悲しいくらいに理解出来てしまった。



そんな次の日の事。

今日もなかなかやる気が起きない虹谷達。そんな中……


「キャー! 虹谷くーん、頑張ってー!」


……ふと、女の子の声が聞こえた。

それもその筈。野球部は超一流の名門クラスなのだから、どうしたって応援するファンは多いものである。ましてや女子からの声がかかるというのはめっぽう多い事だった。


虹谷「はははは! 応援ありがとう、レディ達! では見せてあげよう。ボクのあざやかな変化球を!」


……次の瞬間だった。

それまで全く覇気を見せてこなかった虹谷の送球は、天上から雲を突き抜けて飛来するかの如く、急激なキレを魅せて下降した。


柊一郎「っ!?!? ……ハハッ。流石だね、虹谷君」
虹谷「ふっ、レディの応援がボクに無限の力をくれるのさ」
柊一郎「よく言うよ。じゃあアレかい? 女の子がいつでも君の傍にいれば最強だとでも?」
虹谷「女子を、いつも…………?」


そこまで言いかけた虹谷は、まるで天啓を得たかのように目を開かせた。


虹谷「そうか、まさにそうだ! なぜボクは今まで気づかなかったんだ……!」
柊一郎「えっ? ……ちょっ、虹谷君、何処行くの!? ……なんか嫌な予感がするんだけど…………」




……柊一郎の嫌な予感が的中するのに、大して時間はかからなかった。
練習終了後、虹谷からの緊急ミーティングにより、部員は全員グラウンドの一角に集められていた。



虹谷「今回皆に集まってもらったのは他でもない。ボクたち野球部の今後の方針についてのお話だ」

虹谷「今もボクたちはこうして、高校野球界の頂点を目指し練習に励んでいる。……けどキミたちも気づいてるはずだ。今のままでは何か足りないと」

虹谷「それが何なのかを考えた結果、ボクはある結論に至った。それは……」

「「「「 それは………………っ!? 」」」」








 ズ バ リ 、『 女 子 』 だ っ ! !



柊一郎「……………………えっ?」


虹谷「厳しく激しい練習の日々ッ! そんなボクらに力を与えてくれるのは、女子のあざやかな声援以外にないッ! そこで、校内から有志を募って、大々的にマネージャーを増やすんだ!」



虹谷「これぞ名づけて……【 エ ン ジ ェ ル ナ イ ン 計 画 】!!」



柊一郎「い、幾らなんでもバカ過ぎる計画だろ……;」
神成「そうだな。前からバカだとは思っていたが、最高にバカだな、お前」
柊一郎「そ、そうだよ! 神成君からも言ってあげてよ……!」











神成「イイ計画じゃねーか! 乗ったぜ!!」

柊一郎「 」


東雲「僕も賛成です。応援する女の子がいればいるほど、あのコと僕の仲も燃え上がりますよ……!」

柊一郎「 」


吾朗「バカな計画、とは私も思います。ですが、常に多方面から女の子に言い寄られる位なら、エンジェルナイン計画としてひとまとめにしてもらえた方が、私として助かるんですよね……;」

柊一郎「           」




 な ん と い う こ と で し ょ う


校風が生んだ悲劇というべきか、柊一郎の想像とは裏原に、米田も含めた全員がエンジェルナイン計画に賛同してしまったのである。

旭監督に相談しても、自分で部員の心を動かせない以上、暫くは虹谷のやりたい様にやらせるとの事。果てには、現後輩マネージャーの月影つきかげひかりさんまで積極性を示しており、エンジェルナイン計画の実施は秒読み状態となってしまった。



なんじゃこりゃ…………

愛をと○もどせ!告白選手権 ( No.41 )
日時: 2024/01/28 17:08
名前: HAL (ID: J0KoWDkF)

だが、それだけであればエンジェルナイン計画は校内で実施され、九瓏達のもとに訪れる事は無かったはずだ。
実はこの計画には、ある落とし穴があった…………


柊一郎「はぁ…… エンジェルナイン計画とはいうけど、何から始めればいいのか……」

「うふふ、なに悩んでるのかなー?」

柊一郎「…………えっ、この声って…………」


柊一郎が後ろを振り返ると、そこには虹谷とよく似た金色の長い髪を結った、おっとりとした長身の女性が立っていた。


「じゃーんっ! 彩理さん登場ーっ!」
柊一郎「彩理さんじゃないですか! 体の方はもう大丈夫なんですか?」
彩理「うん、平気平気。もうすっかり回復したから。さーて、休んだ分も取り返さなきゃ! しっかりみんなを支えないと!」

虹谷「ね、姉さん! 休んでないとダメじゃないか!」
彩理「あっ、誠! 誠のこともちゃんとサポートするから期待しててね!」
虹谷「そんなこと言って。張り切りすぎると、またケガするよ」
彩理「もーっ、そんな事ない! いいから早く自分の練習に戻る!」

柊一郎(流石の虹谷君でも、双子の姉には頭が上がらないんだよね~)


虹谷誠の双子の姉、虹谷 彩理さいり
体調を崩しがちな面があるものの、愛らしい性格と献身的な姿勢で皆から慕われている。虹谷自身も、彩理さんの前でだけは真っ当な弟を演じ続けているのだ。

だが、彩理さんのマネージャー業復帰に伴い、エンジェルナイン計画を大幅に修正する必要が出たらしい…………


──────────────────



九瓏「……つまり、アレか? その虹谷のお姉さんに怪しまれないように、校内からのスカウトではなく、校外からマネージャーを募ることにしよう、と…………」
柊一郎「まぁ、そういう事になるね」


柊一郎からのとんでもない経緯を聞いた九瓏達は、すぐにどうこうも言い出せるはずもなく、やがて黙り込んでしまった。



九瓏「……とにかく、俺から言える事は。これは最終的にマネージャーの意志が尊重されるべきだ。俺達ただの部員がとやかくと割り込めるような話じゃあねぇ。 ……その上で聞く。紗穂、お前は柊一郎の要望に対して、率直にどう思った?」



紗穂「……そう、ですね。私自身がどうしたい、という感情は全くありません。ですが、客観的な視点で話を進めるのならば、この示談にはメリットとデメリットがあります」

紗穂「メリットは、相手校の情報をより仕入れる事ができる事。他の学校からもマネージャーを募る気でいるのなら、尚のことでしょう。デメリットは、単純にチームのマネージャーが減ってしまう事です。現在分割して担当している仕事の負担が増えてしまうのは、痛手であると同時に皆さんの時間も奪いかねないからです」


九瓏「……この期に及んで、よく主観じゃなく客観的に話が出来るな; 尊敬に値するぞ……」
紗穂「それほどの事ではありません。…………まぁ、何処かの誰かさんが、今日から新しいマネージャーを用意してきたので、1人くらいなら最悪マネージャーを派遣しても大丈夫な状態ではありますが」
九瓏「うぐっ; その点は悪かったって……」



九瓏「……まぁ、お前らにも一応話は聞いておくか。恋、それに阪奈。2人としては、この案についてなにか思うところはないか?」


頼れるマネージャー、紗穂の意見を踏まえた上で、今度は恋と阪奈に話題を振ってみる。

恋の方は終始挙動不審になっており、まともな意見をすぐに聞き出せる様子ではなかった。
一方、阪奈の方はというと、ひとしきり考えに考えて内容がまとまったのか、少し時間を経た後に急に目を見開いて、こちらにこんな提案を持ちかけてきた……








阪奈「はい! 私いい案思いついちゃった! 2人ともマネージャーに居てほしいなら、『その思いをちゃんと私達に伝えてほしい』の!!」


「「 ……………………はい?? 」」


紗穂「……なるほど。両者とも、誠心誠意を込めた『告白』をする事で、自分達の元に居てほしいように【説得】する、という事ですね」

つばさ「うわぁ……! なんだかとてもロマンティックな感じですね!」
柳生「うむ。まねーじゃーとてちーむの一員。引き止めたければ、心で、力ずくで抑え込まねばなるまい!」
恋「み、皆さんもそれでいいなら、レンも頑張ります……!」


これまた阪奈から飛び出したとんでもない案に、女の子達は大賛成。しかし当然ながら、九瓏達や柊一郎からしてみれば溜まったものではない。だが、今回の要望は他でもないマネージャーが主導を握っている。選手達は、彼女らの意向に従う他なかった…………




────────────────




迅「という訳で、緊急で始まりました『あのコを引き止めろ! 告白選手権』!!」

『ウワァーーーーーーーーーーーッ!!!!』

選手一同『 』



迅「という事で、司会を務めさせていただきます、舞ヶ原高校2年、緋桐迅と」
雷那「解説を務める、乙女心が分からない奏坂学園高等部2年、夕立雷那よ」
「「宜しくお願いしまーす」」


雷那「ルールは至って単純。参加選手は1人1回告白を行い、マネージャー達に部に存続してもらいたい意向を伝えてもらうわ。最終的な決定権はマネージャー3名に委ねられてるから、後ろのギャラリーの人達は本当にただの賑やかしよ、注意してちょうだい」

イロドリミドリ組&オンゲキ組『わぁーーー!!』


迅「それでは次に、参加選手の発表です。今回は千将高校から8名、チャレンジャーの天空中央高校から1名の参加となります。一見不利そうに思われますが、マネージャーを引き抜こうとしてる訳ですからね、その位のハンデはあっていいだろうという事でした。あと、天空中央生はとにかくモテるとのお話も伺っております。その辺の実力も要チェックですね。また、女性部員の皆様は今回参加は控えるとの事です。「そういうのが見たいわけではない」との事でしたが……どういう事なんでしょうね?」




……ええー、イロドリ組やオンゲキ組がいきなり生えてきたことからもお察しのように、現在一同はC-Refに場所を移しております。

マネージャー達の大暴走に二つ返事でOKを出したバ管理人の手により、色々と(無駄に)大掛かりな企画へと変貌を遂げてしまったのだ。誰がここまでやれと言った。




  な  ん  だ  こ  れ


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