イナイレ*最強姉弟参上?!*
作者/ 伊莉寿

第11話
る「しん…だ?」
か「なんで…」
突然ドームに来て、身内が死んでしまって…なんて、すんなり頭に入る訳ない。
私達はフェイ達から話を聞いた。泣いていて途切れ途切れだった。
昨日の昼、フェイ達は、家の中でトランプをしていた。すると、外でもめている様な音がした。
フェイがドアを開け、外に出ると。
フェ「…びっくり…した。」
か「何に?」
俯き、ようやく引っ込んだ涙をまた浮かべて、フェイは、自分が見たものを声にする。
フェ「お母さんと…」
2「?!」
フュ「お母さんとお父さんは、鎌で殺しあ…」
フュイが、続けようとしても、感情から生まれた涙が阻んだ。そして、とうとう声を上げ、泣き出してしまった。
でも、2年前の私達には、何があったのか、理解できた。
フェイ達のお母さんとお父さんをは、殺し合いをした。
フェ「結局お父さんとお母さんは…2人共…」
る「……そんな…狂ってるよ…」
か「ああ!悲しいのはやめ!!お母さんにジュースもらってくるから!なっ!」
フュイ達は頷いた。かいとは走って、家へ繋がるドアを開けて出て行った。
る「私も行ってくるね。1人だと、かいと何しでかすか…。」
2年前の私がかいとを追いかけようとして歩きだした瞬間。
フュ「霧が…」
る「?」
フュ「霧が出てたから…まど、開けてたの…でも…」
――閉めてたら、あんなの、見ないで済んだのに――
る「っ…!」
走りながら、2年前、私はずっと考えてた。目の前で、両親の殺し合いを見てしまった双子の事を。
まだ、9歳だよ。それなのに、そんなの見たら…夜、どう過ごせばいいの?
か「誰だよ?!」
る「?!どうしたの、かいと」
リビングにきた私の前にいたのは、かいと。そして、両親。それと…紅いローブの人と、青いローブの人。
大「お前ら。どうしたんだ?」
桜「ああ、こちらの方々は依頼して下さった財閥の代表よ。」
か「るり姉と同い年の人にしか見えない。」
かいとがそういうと、青いローブの人が、立ち上がる。
青「まあ、年齢は関係ないだろう。視察に来ただけなのだから。」
赤「じゃあ、あの件、頼みましたよ、流星さん。」
それだけ言って、去ってしまった。
か「お母さん、ジュース作ってよ。フェイ達が…」
桜「え?」
大「…案内してくれ。」
今は、分かるけど。その時は、よく分からないままだった。頭の中は、ローブの人達の事で、混乱していたから。
桜「―――そんな事が。」
フェイ達から内容を聞いたお母さんは、お父さんと顔を見合わせて、
桜「待っててね。今、ジュース作ってくるから。」
そういった。顔の陰りに気付いた私は後を追った。もちろん、2年前の私も。

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