罪とDesert Eagle~
作者/檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc

第一章「散々な4月(エイプリルフール)」 第四話『厚木先生(モンスター・ティチャー)』
クリーンヒット!
「弱いな! 口だけ育ったんじゃねぇの。」
さぁ。かかってこい! 俺がケチョンケチョンにしてやる。そして土下座させてお前のことを散々けなして帰るぞ!
「ひどい奴だな。僕は事実を言ったわけじゃないか。」
よし、決めた。今日の食事はハンバーグにしよう。
「ミンチにしてやる!」
ジャブを両5回、ボディブローを2回混ぜて殴った。すべて体の弱点に入り普通の人ならK.Oだがこいつは――
「いいパンチだね。さあ、かかってこいよ」
ピンピンしている。青あざもあるのになぜ元気なんだ?両手を広げて自分が抵抗しないという顔をしていてやがる。俺は、数多くの敵を沈めてきた右ストレートを放った――。桜は、【わかっていた】といってるように悠々と避けた。
「当たってないぞ。どうした? エネルギー切れか?」
くそ! 右フック、左ストレート、左フック、ボディブロー、左ジャブ、右ジャブ、左ジャブ、右ストレート、ボディブロー、左フック、右アッパー、ボディブロー、右フック、左ジャブ! 桜はそれを【すべて躱した】 さっきまでは、【すべてあたっていた】のに――
「お前、能力者か!」
肩で息をしながら見た顔は、俺を馬鹿と認識している顔だった。
「さぁね僕はわからない」
「くそ、どりゃ!」
大技に出たが、躱される。この野郎――殺してやる。殺意が芽生えたその時だった。
パン! 一発の銃声が響いた。
「おめぇら、何やっとる! こんなに教室をめちゃくちゃにして!」
どっかのやくざの声だと思ったら、髪を後ろで結んでいる女の人がいた。手にはトカレフTT33を上に向けている。 やくざの女か?
「教員室に来い! 説教だ!」
いきなり言われても…… まず先生なのか?
「あの…… どなたですか?」
穏やかにゆっくりとまるでパニックしている人に話しかけるように言ったら
バン!
【撃った】。耳のそばを通っていった弾丸の熱さが感じることができる。
「俺の名は厚木陽子。よぉく覚えとけ!」
今日二度目の死を確信した。

小説大会受賞作品
スポンサード リンク