完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~
*108*
【第十八話】
『アグリーヒーロー』
...アグリー美術館のどこか、支配人の居るところ
支配人...亜久里富男がうずくまる近くで、石動は優雅にコーヒーを作っていた
富男
「ハァッハァッ...」
石動
「ははは!ついにバレちまったなぁ」
富男
「亜久里逆間...何故、俺からマイスマイル社の社長の椅子を奪った、俺は...売れるオモチャを何度も考えたのに!!」
石動
「でもヘッポコ職人は事実だろ?俺だってガキの頃は竹トンボとか風車とか作ってたけど、あんたって折り紙だってまともに出来ないじゃないか」
富男
「ぐっ...いいからさっさと奴らを倒せ!!」
石動
「いくら俺でも、完璧に倒すことは出来ない」
石動
「あんたもよく分かってると思うがマガイモノは不死身だ、体を木っ端微塵にされても、肉眼では見えないほどの黒い液体が瞬く間に体を再生させる」
石動
「0.00000000000000001ミリも残さずに消し飛ばすなんて、普通の生き物では到底不可能だ」
富男
「それが出来るのがマガイモノキラー...なら!!」
石動
「無理無理、俺マガイモノキラーじゃないし...俺も人工の奴を作ろうとしたけど、上手くいかなかった」
富男
「それでもアグリー十元倶か!?」
石動
「俺だって出来ないことくらいあるよ、生き物なんだから」
富男
「くっ...なら野放しにしろと?」
石動
「殺す以外に方法はあるだろ...なぁ?ゼットエンド」
「ああ...」
ゼットエンドと呼ばれたフィギュアはニヤリと笑い、富男の肩を叩く
ゼットエンド
「俺は試してみたいんだよ...不死身の生き物は、はたして心まで不死身なのかを」
富男
「...?」
石動
「期待してるぞ?ほら、仕事疲れの一杯」
ゼットエンド
「お前のコーヒーなんかいるか、ブレンドの勉強してろ」
ゼットエンドはエレベーターのボタンを押し、エリアへと向かった
石動
「うーん、今回は豆にも拘ったのにな...」ズズス
石動
「そりゃ、俺の淹れるコーヒーが不味いことぐらい分かってるけど、今はある程度マシに...」ズズス
富男
「惣一」
石動
「はいはい?」
富男
「奴は何をするつもりなんだ?」
石動
「さぁ?」
富男
「えっ?」
石動
「俺はゼットエンドにあいつらの設定を見せただけだ」
石動
「...これは面白いことになりそうだ」