完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~
*79*
【第十三話】
『未完の英雄 エストパルク』
レジェンドエリアの奥深く、ザンシャインの目が覚める
ザンシャイン
「う、うん...?」
たくっちスノー
「おお!目が覚めたかザンシャイン!」
ザンシャイン
「ここは...試練はどうなった?」
エストパルク
「よくやった、試練は合格だ」
ザンシャイン
「そうか...」
サビィ
「おめでとうっす!俺たちもモニターから見てたっすよ!」
亜区里
「ヒーローってあんな話をするのか...」
ダメタル
「実際、俺が連盟を抜けたのは番組が終わって必要ないと判断されたからだからな」
菖蒲
「ああ...」
ザンシャイン
「...メタルポリタン。」
ダメタル
「ザンシャイン...鋼鉄刑事は映画化もされていないし、海外でDVDが発売したなんて聞いたこともない、あれは...」
ザンシャイン
「私から見た、メタルポリタンの図さ」
たくっちスノー
「...というと?」
ザンシャイン
「思い出したんだ...」
ザンシャイン
「メタルポリタン、オモチャ世界にやってきたばかりの頃の私は...君のようなヒーローの後釜を任されて、嬉しかった」
ザンシャイン
「その反面、怖くもあった」
ダメタル
「怖い?」
ザンシャイン
「ああ...閃光騎士ザンシャインの視聴者は、メタルポリタンとほぼ同じだ、果たして、私にメタルポリタンの代わりが務まるのか?そんな事を考えることがあった」
ザンシャイン
「メタルポリタンという存在は...私にとって、とても大きな存在だったんだ」
ザンシャイン
「きっと、オモチャとして生まれたばかりの私なら、この試練を乗り越えることは出来なかっただろう」
ザンシャイン
「今の私があるのは、メタルポリタンのようになりたいという思いがあったから...つまり、貴方のおかげなんだ、メタルポリタン。」
ダメタル
「.....そうか。」
サビィ
「先輩のおかげ...かぁ!なんか来るものがあるっすねぇ!」
ダメタル
「ああ...ザンシャイン、俺もあんたに言っておきたいことがある」
ダメタル
「俺はお前...ザンシャインに嫉妬していた」
ザンシャイン
「...私に?」
ダメタル
「番組が終わった後...俺はお払い箱のように世間に捨てられ、代わりにお前が出来た」
ダメタル
「俺達を愛していた者達は皆、ザンシャインの方を向いていった...裏切られた気持ちになって、自暴自棄になった」
ダメタル
「気が付いたら、ダメタルポリタンなんて呼ばれるくらいになってしまった...まぁ、自業自得さ」
ダメタル
「ヒーローとして復帰したときも、最初はお前を倒すためという不純な目的の為だったしな...」
ザンシャイン
「...メタルポリタン。」
ダメタル
「俺はお前を認めるわけではない...ただ、俺もお前みたいにヒーローとして真っ直ぐだった頃を思い出せた、ありがとう、ザンシャイン。」
ダメタル
「だから約束しろ、この騒動が終わったら俺と勝負するんだ」
ザンシャイン
「...ああ、約束しよう、メタルポリタンの為ならいくらでも」
メタルポリタンとザンシャインは手を取り合う。
ダメタルポリタンと呼ばれていた彼の心に、別の考えが芽生えた瞬間でもあった。