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*78*
...
「ザンシャイン!」
ザンシャイン
「...んん」
「起きるんだ、ザンシャイン!」
ザンシャイン
「...はっ!!」
ザンシャインが目を覚ますと、自分はかつて住んでいたオモチャの世界に居た
ザンシャイン
「ここは...そうか、もう試練は始まっているのか」
「何を寝ぼけている...こっちを見ろ!」
ザンシャインは首を掴まれ、無理矢理視点を変えられる
ザンシャイン
「お前は...ムーンスクレイパーか、どうかしたのか?」
ムーンスクレイパー、閃光騎士ザンシャインの悪役であり、この世界のザンシャインにとっては腐れ縁のような存在だった
ムーンスクレイパー
「ザンシャイン、連盟がお呼びだ、遅れるなよ」
ザンシャイン
「分かった」
ザンシャインが了承すると、瞬く間に舞台が連盟の基地へと切り替わる
ザンシャイン
(なるほど、夢だからか...これは便利だな)
「ザンシャイン、早かったじゃないか...ま、ひとまず座りなさい」
ザンシャイン
「は、はぁ...」
ザンシャインはいつものように連盟の席に座り...いつものように会議が始まる
ザンシャイン
「...メタルポリタン!」
メタルポリタン(夢)
「....」
「どうかしたのか?」
ザンシャイン
「...いや、なんでもない」
ザンシャイン
(メタルポリタンがまだ連盟に居た頃か...)
「では、会議を始める...まず、我らオモチャの、原作の視聴率を発表する...ポリタン君」
メタルポリタン(夢)
「ああ...」
原作の視聴率...それは、オモチャの強さを表す人気度を計るものであり、人間の世界で言うところの支持率と同じものだった
メタルポリタン(夢)
「セイジットシリーズは第二期に入ってからも視聴率は安定している」
メタルポリタン(夢)
「××も○○も上がったり下がったりもせず、変わらずだ」
「そういえば小耳に挟んだんすけど、鋼鉄刑事メタルポリタンが...」
メタルポリタン(夢)
「ああ、劇場版『鋼鉄刑事メタルポリタン 』がこの間公開したそうだ」
「公開から数日で観客動員数50万人らしいじゃないか!さすが鋼鉄刑事シリーズだ」
「その売り上げで、海外版DVDが発売決定したって言うし!」
ザンシャイン
「なんだって...凄いじゃないか、メタルポリタン!」
メタルポリタン(夢)
「そんなことはない...そうそう、劇場版で新しいヒーローが登場するらしい、確か...ボルトポリタンだったか」
「うむ、話をつけておこう」
「それにひきかえ後番組のザンシャインは...」
ザンシャイン
「え?」
メタルポリタン(夢)
「おい、視聴率の事を俺たちがどうこう言ってもしょうがないだろう」
「でもさ~!」
ザンシャイン
「...メタルポリタン、閃光騎士ザンシャインの視聴率は、どれくらいなんだ?」
メタルポリタン
「...2.9だ」
ザンシャイン
「なんだって!?」
メタルポリタン
「気にするな...ザンシャインがつまらないわけではないのだから」
ザンシャイン
「...そうか、ありがとう。」
「そんな視聴率で恥ずかしくないの?それでもあのメタルポリタンの後番組なの!」
ザンシャイン
「.....」
「メタルポリタンの後という立場が、どれだけ重たいのか、分かって」
ザンシャイン
「分かってい」
メタルポリタン
「やめろ!!」バシッ
夢の中のメタルポリタンは、ヒーローフィギュアを殴り飛ばす
ザンシャイン
「...」
メタルポリタン
「こんな会議やってられるか...失礼する」
「ま、待ってくれメタルポリタン!この会議は後々中継され」
メタルポリタン
「そんなもの知るか、視聴率で政治ごっこがしたいのならヒーロー連盟なんて名前を捨てろ!」
ザンシャイン
「.....」
メタルポリタン
「行くぞ、ザンシャイン」
ザンシャイン
「ああ...」
ザンシャイン
(.....メタルポリタンの後という、重み)
ザンシャイン
(だんだん思い出してきた、私は昔...)
ザンシャインが休む暇もなく、場面が切り替わる...今度はヒーロータウンの酒場だ
メタルポリタン
「飲みな、今夜は奢る」
ザンシャイン
「いや...悪いよ、奢ってもらうなんて」
メタルポリタン
「...ザンシャイン、お前は視聴率についてどう思う?」
ザンシャイン
「え?」
メタルポリタン
「視聴率が無いということは、人気がない、人気がないということは、売られない」
メタルポリタン
「俺はそんな世の中は間違っていると思う」
ザンシャイン
「...はぁ」
メタルポリタン
「ヒーロー連盟だってそうだ、売り上げ至上主義のこの世界が、人気ヒーローばかりを寄せ集め、不人気や問題があったヒーローをすぐ切り捨てる」
ザンシャイン
「それは...仕方ないことなんだ、連盟の決まりなのだから」
メタルポリタン
「そうか...なら、はっきりと言わせてもらう」
メタルポリタン
「ザンシャイン、ヒーロー連盟を辞めろ」
ザンシャイン
「え?」
メタルポリタン
「もちろん、不人気だからとかそういうわけじゃない...お前はこんなところで腐って終わる人材じゃないってことだ」
ザンシャイン
「連盟を抜けろって...しかし、フリーでなんて」
メタルポリタン
「俺はお前の事を思って言ってるんだ、あそこに居たら、お前は一生俺と比較し続けられるだろう...」
ザンシャイン
「言わせておけばいい」
ザンシャインは立ち上がり、メタルポリタンの方を見る
ザンシャイン
「私はヒーローフィギュアだ!ヒーローに生まれヒーローとして死ぬ、そういうオモチャだ!私にはヒーロー連盟しかない!」
ザンシャイン
「売り上げ至上主義が連盟を、世界を腐らせるというのであれば、私はそんな世界を変える!」
ザンシャイン
「原作が不人気だろうとなんだろうと、私はヒーローとして生き続ける!」
ザンシャイン
「そしてメタルポリタン!私は必ず...貴方を越えてみせる!!」
メタルポリタン
「...!!」
ザンシャイン
「...すまない、少しカッとなりすぎた」
メタルポリタン
「...いや。」
『立派だぞ、ザンシャイン。』
その言葉を聞いた後、ザンシャインの意識は薄れ...
「試練合格...見事だ、ザンシャイン」
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【次回予告】
ザンシャイン
「メタルポリタン、私は...」
ダメタル
「俺もあんたに言っておきたいことがある」
たくっちスノー
「エストパルク、お前も戦うつもりなのか...?」
エストパルク
「ファットマンだってやったんだ...私だって逃げずに戦う!!」
エストパルク
「それに...私にも一人、恨んでいる人間がいるものでな」
次回、スーパーダメタル英雄嘆
【未完の英雄 エストパルク】
エストパルク
「人間...俺たちと、子供のヒーローを...返せっ!!」