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*172*
サーヤと同じ、ダークブラウンの瞳と髪。
気の強そうな瞳は光が宿っている。
「………」
「…」
無言の見つめあいが続く。
変化を感じ取り振り向いた伊吹も、目を大きく見開いている。
「…紗綾… 解る…?」
綾香は不安そうに顔を歪め、サーヤを見つめ続ける。
「お…お母さん…!」
サーヤは叫ぶと同時に綾香の胸に飛び込む。
「う…あああ…ッ」
「っ…うぐ…」
サーヤも綾香も、両目から涙を流し抱き合う。
ひとしきりそれが終わった後。
「紗綾、あの時…置いていって、ご免なさい。 私があんな奴に着いて行かなきゃ…!」
言っているうちに、綾香は再び涙を流す。
「お母さん」
「っ」
「謝らないで。 誰も…お母さんのこと、恨んでなんかないよ」
サーヤの暖かな微笑み。
綾香は救われたように…、まるで花が綻ぶように笑顔を見せた。
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