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恋桜 [Cherry Love]  ――完結――
作者: 華憐  (総ページ数: 176ページ)
関連タグ: 恋愛 三角関係 高校生 美少女 天然 
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*155*

土曜日になった。朝起きると、スマホで時間を確認。

「7時……17分か」

私はそのままスマホをスタンバイ状態に落そうかと思ったが、LINEからの連絡があったことに気付く。桜田高校生限定のトークルームからの連絡や、優那、涼香、そして美樹とのトークルーム、そして……亮さんからの連絡だった。私は真っ先に、学校のトークのほうを確認し、その後、美樹たちの会話の様子を楽しく拝見する。そして、最後に緊張しながら、亮さんとのトークルームを閲覧した。

”やあ、おはよう”
”うーん、おはようというのかな?もう3時だし……”
”まあいっか”
”知ってると思うけど、僕は逢坂亮だよ”
”いつも弟がお世話になってるね”
”ありがとう”

案外普通の返信に安心しながら、私も”普通”の返信をする。

”いえ、そんなことありませんよ!”
”寧ろ私のほうが徹くんにお世話になってるくらいですから”

よし、これで大丈夫と思い、立ち上がった瞬間にLINEからの連絡が。今回はちょうど亮さんと起きてるタイミングが合ったらしい。って、亮さん、睡眠時間3時間ほどしかないんじゃ……。

”あはは、本当真奈ちゃんはいい子だね”
”ところで、桜田の体育祭っていつなんだい?”
”弟が頑なに口を開こうとしなくて”

どうして逢坂くん、お兄さんに教えてあげないのだろう?と変に思いながらも答える。

”9月19日の木曜日ですよ♪”
”その日ってお月見じゃ……?”
”そうですよ〜。皆で体育祭が終わった後、お月見するのが伝統なんだそうです”
”へえ、いいね。泉橙にはそんなのないよ”
”そうなんですか。普通に体育祭を楽しむ、みたいな感じですか?”
”うん、まあ、そんなところだね。告白大会とかあるんだけどね笑”
”こ、告白大会ですか……”
”そうなんだよ。先生が面白がってね”
”先生駄目じゃないですか”
”まあね”

こんな感じで中々スムーズに会話が流れていく。

”ちなみに泉橙はいつ体育祭なんですか?”
”んー?”
”10月の中旬だよ”
”そうなんですか”
”でも、それくらいのほうが涼しくていいですよね”
”そうだね。9月といえば残暑だもんね”

こうしてあれこれしているうちにあっという間に8時になりそうだ。

”すみません”
”え?急にどうしたの?”
”まだ朝ご飯食べてなくて……”
”ああ、そういうことか。全然いいよ。早く食べてきなよ”
”ありがとうございます”
”なんか僕が悪いことしちゃったのかと思ってしまったよ”
”そんなことないですよ!”
”では、食べてきます”

私はそう打つと、スマホを机上に置いて、階下へと降りて行った。


――そして時は流れ、9月19日。あっという間に当日を迎えた。


今日だけは特別に、体操服での登校が許されるが、皆それはダサいと言って、制服で登校する。そして、一昨日から線引き等々、色々な準備をしたグラウンドに集まり、開会式宣言を。そして、それが終われば、すぐに各種目へと移行する。ちなみに色分けは赤・青・水・黄・黄緑・白だ。これは、学年ごとではなく、クラスごとで縦向きに割り振られる。私達1-Bを例に挙げて説明すると、1-B、2-B、3-Bで青チームとなるのだ。そして大分前に説明したようにこのチームの色は1年生が毎年決めれるようになっている。

「おっしゃ、1年生2年生!皆で円陣組むぞ〜」

3年生の女の先輩がそう掛け声を掛ける。私達後輩は「はい!」と一様に返事すると、適当に隣の人と肩を組み合って、先輩後輩関係なく円陣を組んだ。それはまあ、大きな円陣なわけで、他チームに迷惑そうな顔を向けられたがそんなのお構いなしだ。

「青チーム、絶対優勝するぞ!」
「おー!!」

総勢120人くらいの声が一斉にグラウンドに響き渡る。その声に驚いてか、他チームが一斉にこちらを振り返る。そしてどこか恨めしそうに私達を見た後、次々に他チームも円陣を組だし、掛け声を掛け合った。

既に――戦いは始まっている。

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