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*47*
「え…?」
真奈は驚いて目を見開いた。
しかし、すぐに先生からの招集がかかった。
「これから入学式だ。君たち1年生は、堂々と胸を張って、歩きたまえ」
恐らく、あたし達の学年主任であろう、少し頭の露出度の多い50代くらいのおじさんがあたし達を見渡しながら言う。
それに、あたし達は黙って頷く。
「よし、それじゃあ入場だ」
そう言って、そのおじさんが、今までしまっていた講堂の扉を開けた。
そして、私たちの前に講堂に足を踏み入れた1-Aの子達が物凄い拍手で迎えられるのが聞こえた。
あたしは、真奈や浅井、綾川くんとは遠い所に並んでいた。
だが、浅井と真奈がしゃべっているのが見えた。
そして、大分話が弾んできたのか、だんだん笑顔になりながら話している2人を見た先生が2人に罵声を飛ばした。
あたしはそれを無表情で見つめている。
嬉しいような悲しいような、複雑な感情。
それを収めるのは無表情が一番だ。
「そこ!何話してる!次はもうお前たちなんだぞ?」
「す、すいません」
「…すいませんでした」
2人が同時に頭を下げ、3秒ほどしてから顔をあげたのが見えた。
そして、綾川君が足を進めていくのを見て、慌てて後を追う2人の姿も見届けた。
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