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恋桜 [Cherry Love]  ――完結――
作者: 華憐  (総ページ数: 176ページ)
関連タグ: 恋愛 三角関係 高校生 美少女 天然 
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そして翌日。
今日は土曜日なので学校はない。
本来ならば土曜日も部活動もあるが、テスト2週間前ということで、現在は活動停止中である。

「うーん、今日は何着て行こうかな?」

私は朝早くから起きて、クローゼットの前に立っていた。

「まだ春だから、夜遅くなることも考えれば、絶対薄着は駄目だよね。となれば、重ね着が一番便利。それで、今回は女子だけじゃないからズボンを履こう。となれば、この服装が一番いいよね」

私は独り言をぶつぶつつぶやきながら今日の勉強会へと着ていく服を決めた。
それはというと、七分袖のブラウスに薄手のピンク色のニットを合わせた重ね着にジーンズを合わせる、といういたってシンプルな服装だった。
そもそもが、勉強会なのだから、そこまでお洒落する必要もない。

「よし、これで行こう」

私は鏡で自分の姿を確認しすると、髪型をどうするか考えた。
普段は、髪を下ろしているので、今日は結って行こうと思った。

「んー、勉強するときは、髪が邪魔にならないほうがいいよね…?」

そう呟やいた時に、1つの髪型が頭に浮かびあがった。
それは…ツインテールだった。
一応誤解を招かないようにするためにも説明をしておく。
ツインテールと言うと、頭の高い位置で結う、まさにA●Bのまゆゆとかいう女の人の髪型を想像する者が多いが、決してそればかりではない。
昭和風な頭の低い位置で結う2つ括りも立派なツインテールだ。
私のはというと、後者の方だ。

「よし、OK」

私はツインテールをし終えると、髪飾り選びを始めた。

せっかくツインテールをしたので、リボンを付けて行こう。

そう考えた私は髪飾りを大量に入れてある箱を開けた。
そして、そこから迷わずに、2つのリボンを取り出すと、それで髪を飾った。

「おぉ!ツインテールもなかなか良くなるものね!」

鏡の中のリボンに感動を覚えながら、私は朝食を取るべく、階下へと降りて行った。

リビングでは、母が既に朝食を作って待っていた。

「あら、今日はどこかへ出かけるの?」
「うん。凜の家に」
「なあに?そういう関係なったの?」
「なってません。というか、そういう関係ってなに?」
「お子ちゃまは知らなくていいのよ。それより、何しに行くの?」

お母さんが興味を示しだすと、止まらない。
それに、隠す必要性も見当たらなかったので、正直に答えた。

「勉強会をするの。勿論、凜の他にも最近仲良くなった美樹や逢坂くんとも一緒にやるの」
「あれ?逢坂くんて、新入生代表挨拶をしたあの子!?」
「うん。そうその人!その人が私たちに勉強を教えてくれるの」
「凄いわね、真奈!あなた、相当ついてるわよ!」

そう言って、2人で興奮気味に話しながら朝食を取っていると、いつの間にか約束の時間になりそうだった。

「あ!そろそろ行かなくちゃ!」
「まだ9時30分よ?」
「10時集合なの」
「そう。気を付けて行ってらっしゃい」

そう言って、私を笑顔で見送ってくれた母。

本当に優しいなぁ。

そんなことを思いながら、勉強道具を持った鞄を横に抱えて歩き出した私。
勿論、目的地は凜の家だ。

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