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*23*
弐章仮想世界の推論
氷見弥達が苦戦している中、
某研究所。
「ふむ、良い感じになっとる。」
僅かに残る白髪、汚らしい肌をした老人は微笑しながら画面を眺めている。
「しかし、醜いものだ。なぁ、あぁ、醜い。敵に窮地にたたされ、仲間を撃つか。ケフフフ。」
髪と同様にしかない歯がにやけた口から見て取れる。
誰が見ようと、汚い、そう思うだろう。
「人は醜い。今更何をいっている。」
老人の背後、書物の散乱した道を男が姿を現す。
「おぉ、元帥どの。いやいや、大総統閣下でしたかな?」
媚びているかも曖昧な態度に、ため息混じりに男は口を開く。
「全く、邪学者は仲間にさえ興味を持たないのか。俺は、総帥と呼ばれてる。覚えてほしいものだな。」
仲間にさえ興味を持たない、老人は「そうでしたな。」と微笑するだけだ。
「さて、これがお前の研究成果・・・?」
モニターを覗くその姿はけっして大人しいものではなく、どこか、荒々しい。
「ケフフフ。違いますよ。これは、ちょっとしたゲームですよ。そう、“ゲーム”。」
そこには、氷見弥達の戦場が映っていた。
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