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*36*
参章現実という絶望論
対立する二人。暗い一室にて。
それは、異様だ。大人に、挑む中学生。そう見えなくもないが、ただ・・・。
その部屋を包む空気は、異常だった。
にらみ合いは、数分続いていた。
「ク、アハハハハハ。」
この笑い声が響くまで。そして、同時に部屋の空気が変わった。
「なるほど。俺の殺気、よく耐えた。お前の覚悟、凄いな。」
人が変わった。そう氷見弥は感じた。たしかに、不穏な気配は奥底に感じる。けど、
同じ人間に思えなかった。
「悪かったな。ちょっと試した。すまないな。」
「いえ、・・・少し・・・。」
眠い。そう言いきれず。氷見弥は目を閉じた。
狼は、その寝顔をみながら自虐的に笑う。
「俺は、こいつをなんだと思い、感じてる。自らに重ね合わしてるのか、全く。バカだよ。素直に敵だ。なんて・・・。いえないんだよな・・・。甘ったるい話だ。人を単位が兆に到達するほどなぶり殺し、世界を喰らい、破滅としてある現象。それが、おれだよな・・・。どれほど、生きても。かわらねぇ。かわれねぇ。はぁ、火羅。あいつなら、なんていうかな。・・・おもしれー。それで終わりそうだな。」
クソ野郎が。
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