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四章残された希望論
ヒッポキングの死体は無惨だった。
脳天から真下に向かい、狼の足の幅だけ
無い。
削られたりちぎられたわけではなく、無いのだ。
それは、斬撃の跡も同じだった。その部位が消え去り、絶命させられた。そう、狼の力とは、
“万物を破滅させる力”である。この力を用いれば、
あらゆる武器も堅さや切れ味を無視して滅し、
生物の体細胞そのものを失わせ、
形ある全てを消し去り粒子さえ残さない。ことが可能である。
常に極大消滅呪文メドローアと同様の闘気を纏える。黒く淀んだ破滅を纏う狩人、それが架狩狼である。
彼は、生きる現象。
罪深き、現象。
人であった、現象。
“人で在りたかった、現象”。
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