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五章空虚な持論
「あの、杖ってなにかありませんか?」
「お客さん、正気か?」
このやり取りをどれほど繰り返しただろう。途中に買ったマスクとサングラスにより、ただでさえ浮いている・・・。そんな男が杖を求める。異常なことでしかなかった。
「お客さん、二つも武器を持ってますよー。」とか、
「杖。あ、つえー武器・・・ですか・・・?」とか、
「あ、ああ。あのね、玩具屋さんを探してみてね。」なんて言われたこともあった。痛い子みたい・・・。
悲痛なほどに、苦戦している。最悪は、棒・・・か・・・。
廃れたある店、また同じ展開を考えながらも僕は入店した。怪しげであり、まさにお化け屋敷だった。かろうじて、看板に武器屋の文字が見える。
「あの、すみません。杖って売ってないですか?」
無人の店内に声が響く。誰もいないのだろうか?
「店先に居ないで、ちょっと奥まできてくれんか?」
微かに聞こえたその声に従い、足を奥へと進ませる。
一歩、二歩、三歩目・・・。
何もない、けど何か居る。消しきれない微かな気配。
近くに、何か居る!?
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