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五章空虚な持論
「あなたは、僕の敵ですか?それとも、味方ですか?」
足を止め、問う。焦らず、悟られないように・・・。
「なぜ?私は何もしていないと思うが・・・。」
「では、僕の周りにある気配はなんですか?」
今は足元に居る。見えないが居る。
「周り?どれどれ・・・。」
そういって、声の主は店の奥から出てくる。丸い眼鏡をかけ、優しそうなおじさんだった。店の主人は僕の足元を見るなり、驚いていた。
「いや、失礼しました。・・・しかし、見えるのですか?」
「見えはしませんが、気配は分かります。これは・・・。」
言葉の合間に、主人は声を荒げる。
「こらぁ!!イタズラしおって、お客様だぞ!!」
怒声が店に響きわたる。
すると、気配は主人の方へと向かい姿を表す。
黄色い体、大きな帽子、長く垂れ下がった舌、足がなく、胴体の短さが印象に残る。
足が有るはずの場所は、まるで尻尾のように先が細くしゅんとしている。
そう、ゴーストであった。
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