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デッドバスター 
作者: KING ◆zZtIjrSPi.  (総ページ数: 151ページ)
関連タグ: 友情 バトル 
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*127*

「電球の燈火“ライトバーニング”!!!!」
「おらぁぁぁぁ!」

 ヒュンヒュンと襲い掛かる電気の光球を花京院は全て斬り伏せる。
 そしてすかさずリムは電気の鎌に変形させ、彼に斬りかかる。
 が、先ほどの聖と櫟のダメージが残っているのか先ほどより確実にパワーは衰えていた。

「……くそっ!」
「………」

 ダン!とリムは花京院の腹部を蹴り飛ばす。
 だが、花京院は何も抵抗しようとはしなかった。
 その様子にリムは眉をひそめた。

「……!なぜ避けない!私をバカにしているのか!手負いだからって!」
「……違ぇ」
「ふざけるな!」

―――ドンドンドン!
 と、雷の光球を花京院に向けて放つ。
 殺意と苛ただしさが彼女の脳内を支配していた。

「早く死ね!ここまで腑抜けているとは思わなかった」
――――お願い。×××……。

 罵詈荘厳を浴びせなられながも空語は抵抗しようとはしない。
 防御に徹する気だった。
 それでもなおリムは攻撃を続ける。

「なぜ!なぜ……」

 鎌で切り付けても。
 光球で攻撃しても。
 花京院は避けない。
 だがリムは気が付かなかった。
 目から涙が流れていることを――――……。

「……リム。俺もさ、高校の……お前といる時間が楽しかった。周りがなんと言おうと。でも、お前はつらかったんだよな……。親が強盗に殺されて、辛くて、死にたいぐらいもがいて……恩人…それがクローディアってやつなのが気に食わないけどよ……」
「やめろ……来るな……!」

 フラフラと、花京院はリムに歩み寄る。
 ついに、リムは彼に攻撃をすることを放棄した。
 だが、ギッと彼を睨みつける。
 そして両手を上にあげ雷を両掌に集中させる。

「私の悪夢め、此処で消えろ!!消えろ!!消えろぉぉぉぉぉぉ!!」

――――ズドオオオオオオオオオン!!!
 確かに凄まじい雷撃は彼に直撃したはず、だった。
 だが、その瞬間、彼女は抱きしめらる感触を覚えていた。

「……え……?」
「悪いな、リム。何が何でもずっとお前の傍にいてやればよかったんだ。今ならわかる。お前の気持ち……」
「離せ!今更何になる!」
――――お願い、空悟。私を―――――……。

―――ザシュッ。
 抱きしめたまま、花京院は如月をリムの胸元に貫かせた。
 リムは沈黙を続けたまま、うなだれた。

「……不意打ち、攻撃か。私も腐ったものね……」
「……っ。リム……」
「……ありがとう、空悟……」

 リムは最後だけ、優しげに微笑んだ。
 そして目を閉じるとそのまま動かなくなった。

―――お願い空悟。私を殺して……。
 もう、復讐は疲れたの……。

 幻だったかもしれない。
 幻聴だったかもしれない。
 だが、花京院はそうリムの心が聞こえたような気がした。

「―――――――っ!!!!!!」

 花京院はリムを抱きながら大声を上げて泣いた。
 だが、わかることはいくら泣いても彼女は帰ってこない。
 それだけであった。





No30    秘めたる思ひ

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