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デッドバスター 
作者: KING ◆zZtIjrSPi.  (総ページ数: 151ページ)
関連タグ: 友情 バトル 
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*132*

「……クローディア様ぁ。レオン、イリヤ、リム、ゴットフリード全4名、死にましたぁ……」
「――――そうか。あいつらはよくやってくれた……」

 モニターを消し、クローディアに報告するテット。
 それを聞いた彼は悲しそうに玉座を立った。
 その表情はとても悲しそうだった。

(……ったく、あの役立たず4人アイツら何やってんだよあのクソッタレども!!クローディア様にあんな顔させてんじゃねーぞ!ほんっとうに使えねーカスばっかだな!死刑、死刑、絶対死刑!って、もー死んでるかあのゴミたち……)

 笑顔のまま、心の中でボロクソ言うテット。
 だが彼女の心の中は誰もわからない。
 しばらく物思いに耽るように立っていたクローディアだったが、何かを感じ取ったかのようにゆっくり玉座前の階段を下りた。

「―――来る」
「まさか、奴らが……?」

 ああ、と低く呟くクローディア。
 テットはゴクリと生唾を飲んだ。




                      No34   ラストバトル




「郡司!あの奥にあるでっかい扉にくじらがいるのね!?」
「ああ、間違いない」

 タタタタタと全力疾走するかぐやと郡司。
 早く、くじらを助けなければ。
 じゃないと、瀬良隊や三城隊、そして日本にいるみんなが報われないからだ。
 ハッとしてかぐやはズザッと立ち止まった。

「……着いたわ。開けるわよ」
「……ああ」

――――ギイ。
 かぐやは、ゆっくり扉を開いた。
 扉は荘厳で、軽いとは言えないものだったが何とか開けられた。
 そして警戒しながら、郡司とともにゆっくり入っていく。
 しばらく歩いていると目に入るものがあった。

「くじら!!」

 郡司は管に繋がれ、ぐったりして繋がれている機械の隣に倒れ込んでいるくじらを発見した。
 そして慌てて駆け寄る。
 ゆっくりと抱き起すとくじらはうっすらと目を開けた。

「よかった……!生きてたのね……!」
「今からでも遅くない……です。早く……帰って……くだ、さい……」
「何言ってるのよ!あんたのためにみんな来たんだからね、アンタ残して帰るなんて絶対ありえないから」

 弱々しいくじらの言葉をはっきりとかぐやは吐き捨てるように言い放った。
 そんなかぐやにくじらは口を止めた。

「よく来たな、姫に騎士」
「……クローディアっ!」

 見下ろすように言い放つクローディア。
 そんな彼を見ながらかぐやは斧を持って牽制する。
 そして野生のオオカミのように鋭く睨みつけた。
 クローディアの背後からヒョコッとテットが笑顔で出てきた。

「待ちくたびれたよんっ。姫様と騎士様ぁ。……じゃあ、クローディア様。始めますね」
「……ああ。今までありがとう」
「……そのお言葉だけでもこのテット、うれしい限りです……っ」

 チャキッと背中からテットは長い洋刀を自分の胸に宛がう。
 ぞっとした郡司とかぐや。
 次やることは予想づいていた。

「―――さようなら、クローディア様。どうか御悲願を……!」

―――ドスッ。
 鮮血が神殿に飛び散る。
 力尽きたテットはドサッと神殿にある階段から崩れ落ちる。
 そのまま彼女が動くことは二度となかった。

「クローディアァァァァ!アンタ、仲間も犠牲にするの!?こんなことまでしてやりたい神話なんてあると思ってんの!?」
「黙れ。テットは尊い犠牲に自らなってくれた。儀式を行うには若い女の血が必要だからな。――自縛神“ソータルクロス”!」
「!」

 バッとクローディアは郡司に向かって腕を伸ばした。
 その瞬間、郡司とくじらは結晶の様な檻に閉じ込められてしまった。
 かぐやはギッとクローディアの顔を見た。

「郡司とくじらを離しなさいよ!」
「ドラゴンの血は次期に吸い尽くす……。その間に姫!お前の心臓を奪い取る!」
「かぐや!」

 バンバンと郡司は結晶の檻を大きくたたく。
 だが結晶には罅1つ入らなかった。
 かぐやはスッと斧を前に突き出した。

「……待ってて。こいつをぶっとばしてアンタたちをすぐに助けてあげる」
「それは……無理な話だ」

 クローディアはそう言って殊勝に微笑んだ。


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