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*133*
「覚悟はいい?ラスボス」
「ラスボス……何ともまあ低能な響きだ」
「正解……よっ!」
――――ガキィィィィィン!
かぐやはクローディアに向かって斧で切り付けた。
クローディアは素早く出した大剣でそれを受け止める。
「ほう……。お前、女にしては力があるな」
「そりゃどーも!」
―――ギンギンギン!
斧と大剣の打ち合いが始まった。
反射・スピードは今の所互角のようだった。
結晶の中でくじらは弱々しく郡司に告げた。
「郡司……。あなただけでも出てください……。この機械は確実に私の血を奪っています……」
「バカ言わないでくれくじら。こんなもの一発で……」
郡司は如月を抜き、くじらをつないでいる機械を真っ二つに斬った――はずだった。
しかし、機械には傷1ついていない。
反動で思わず郡司は仰け反ってしまう。
「……なんで」
「これは……ただの機械じゃありません。かつて国民すべてを犠牲にしてまで作ったストライドの塊です……。ドラゴンの血を抜くためだけに作られた……悲しい産物」
「くそっ。何で壊れない……」
何度如月で切り付けても傷がつく気配は一向にない。
それが郡司を焦らせる。
(くじらが死ぬようなことがあったら耐えられない……!)
「……かぐや、無茶です。今すぐにでも戦いを……」
「かぐやなら大丈夫。アイツは――強いから」
そう言って戦闘中のかぐやを見た。
生きる死ぬの状況の中でもかぐやの目は死んではいなかった。
No35 amazing aria
「リザルテ!」
「フン、こんなもの簡単に切り捨てる」
「ただの光球だと思わないで!」
ズバズバとリザルテの光球を切り捨てていくクローディア。
かぐやは勝気に笑う。
そしてパチンと指を鳴らすとドドドドドン!と斬られたリザルテが爆発した。
「……ぐっ」
「やったっ」
「だが甘い」
「あっ」
ガッツポーズをした瞬間、背中を斬りつけられてしまうかぐや。
爆発によって生み出された爆風が少しずつ消えていき、クローディアの表情が見えるようになった。
彼はグイッと口元の煤を拭き取った。
「――さっきの攻撃は少しびっくりしたぞ。姫らしい可愛らしい攻撃だったがな」
「調子に乗らないでよね!」
――ブン!
と、かぐやは斧でクローディアに横一線に斬りつける。
だがそれをジャンプすることでクローディアは回避した。
そしてススス……。とクローディアは刃の部分に振れる。
「俺は気が長いほうではないのでな……。一気に決めさせてもらうぞ」
(……来る、奴のソウルブレイブが……!)
ごく、とかぐやは生唾を飲む。
そして一歩下がるとクローディアに牽制をした。
スウッとクローディアは一息ついた。
「―――平伏せ、全滅する王【ファイゼン】!」
「―――――!!」
その刹那。
かぐやの意識は一瞬にして奪われた。
感じたのは腹部に感じる鋭い痛み。
意識を失う前にようやく気が付いた。
腹部を横一線に斬られたのだと――――………。