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ポケモンストーリー ダイヤモンド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 123ページ)
関連タグ: ポケモン ダイヤモンド バトル 冒険 恋愛要素 
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「第10話アイコの特訓、ヒコザルの進化」
 クロガネシティに現れた謎の集団。それをいともたやすく倒してしまったジムリーダー、ヒョウタの実力を見たアイコは自身のポケモンを鍛えるべく207番道路に向かった・・・。
 「う〜ん、特訓とは言ってみたけど、具体的には何をすればいいんだろ・・・」
 アイコは悩んでいた。特訓とは言ってみたがどうポケモンを鍛えればいいか解らなかったのだ。
 「ヒコヒコ」
 「ムックル?」
 「イッシシシ!」
 アイコが考えている中、ヒコザル達は特訓とばかりに自分と同じ大きさの岩を持って力比べをしていた。イシツブテが軽々と岩を持ち上げているのをヒコザルとムックルは興味津津に見ていた。その光景をアイコは頬をついて穏やかな顔をして見ていた。ほかの二匹にイシツブテみたいに力をつけてやれないかと考えた。
 特にムックルを見て、羽のはばたきを何かに使えないかと知恵を絞った。そして近くにある一回りも大きな岩に目を付けた。あれをムックルの羽ばたきで飛ばせないものかとアイコは思いついた。
 「ムックル、貴方の羽ばたきであの岩を浮かせられる?」
 「ムックル!」
 アイコが頼むとムックルは力強く一声上げて、その大きな岩のある方へと飛んでいった。
 「ムー、ムックルーっ!」
 ムックルは思い切り翼を羽ばたかせて風おこしをして岩を浮かせようとした。しかし大きな岩はビクともしない。ムックルは更に羽を羽ばたかせるが岩は動かないままだった。
 「ムックル、頑張ってーっ!」
 「ム、ムックルーっ!!」
 アイコからの声援を受けたムックルは渾身の力を振り絞って翼を大きく羽ばたかせた。
 「ヒココ・・・!」
 その頃、ヒコザルはイシツブテのように自分と同じ大きさの岩を持ち上げようとしていた。しかし当然の如く持ち上がるはずもなく、そんなヒコザルをイシツブテがふふんと笑っていた。
 「ムックルーっ!」
 丁度その時、ムックルが全身の力を出し切って見事に大きな岩を浮かせることに成功していた。
 「やったわーっ、すごいわよーっ!」
 アイコが大喜びして見守っているとムックルはその大きな岩を空高く飛ばしてみた。ところが飛ばしすぎたせいかムックルの羽ばたきが届かないところまで岩が飛んでしまった。
 「た、大変・・・!」
 飛んだ岩は勢いよく降下してアイコ達の方に落ちてきた。ヒコザルとムックルが慌てだした。
 「イシ!」
 俺が何とかすると、イシツブテがジャンプしてその大きな岩に強烈なパンチを放った。岩は粉々になったが、一部の岩の塊がアイコの方に降ってきた。
 「き、きゃあああああああっ!」
 アイコは両手を出して目を閉じた。イシツブテとムックルがまずい、と思ったその時、
 「ヒコーっ!」
 ヒコザルがジャンプして、その岩に目掛けてマッハパンチで攻撃した。岩は見事に砕けてヒコザルはアイコを救出した。
 「ヒコ!」
 「ムックル!」
 「イシ!」
 ヒコザル、ムックル、イシツブテの三匹は大丈夫かとアイコに駆け寄った。アイコは尻餅を付いていた。
 「はあ、危なかった・・。君が助けてくれたのね」
 アイコは体を起こすと、ヒコザルを優しく抱きしめた。
 「君もやれば出来るじゃない!お陰で助かったわ。本当に、ありがとう・・・」
 アイコは微笑むと、ヒコザルの額に優しくキスをした。
 「ヒコ〜」
 アイコにキスされてヒコザルは照れくさそうな顔をする。イシツブテとムックルが恨めしそうな顔をしていると、
 「ヒコ?」
 ヒコザルの体に異変が起きた。アイコ達が心配そうな顔をしていると突如として、彼の体が光りだした。そして、
 「ヒコちゃん・・・?」
 「モッカーっ!」
 ヒコザルは姿を変えていた。もうかポケモンのモウカザルに進化したのである。
 「や、やったわーっ、進化したのねーっ!」
 ヒコザルが進化したことにアイコは喜びを隠せなかった。モウカザルには、ほのおのみならず格闘タイプが付いている。クロガネジムに挑む準備が出来た。ヒョウタとのバトルが、始まろうとしていた・・・。

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