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第14話ハクタイの森、ナタネ登場パート4
アイコ現在の手持ち
モウカザル(ひんし)、ムクバード(ひんし)、ヨルノズク、イシツブテ
森の木の頭上に、幽霊ポケモンのゴーストがいた。おどろどろしげにうめき声を上げていた。
「きゃーっ、お、おば、おば・・け・・!」
ゴーストを見たナタネはすっかり腰砕けになってしまった。
「まさか、仲間のゴースを攻撃された仕返しで・・・」
ゴースはゴーストに進化する。ゴーストが現れたのは、仲間をいじめられた」仕返しなのかと、ヒョウタは推察した。
「なんて、考えてる場合じゃないね、アイコちゃん、戦えるポケモンは残ってる?」
「はい、この子やイシちゃんなら」
「この場を乗り切るよ。ズガイドス!」
ヒョウタはボールを出してズガイドスを繰り出した。アイコもヨルノズクを出してこれに立ち向かう。
「ヨルちゃん、エアスラッシュ!」
アイコの指示でヨルノズクはエアスラッシュで攻撃に出た。ズガイドスもげんしのちからで攻撃に出る。だが、ゴーストは煙のように消えてしまった。
「な!」
「ど、どこへ?!」
消えたゴーストを探すアイコとヒョウタ。その時、
「ゴースト!」
ゴーストが現れて分身を作り二人の周りを取り囲んだ。更にシャドーパンチでズガイドスを攻撃した。攻撃に出ようとしたヨルノズクをさいみんじゅつで眠らせてしまった。
「ヨルちゃん!」
「く、まずいな」
ゴーストの分身に囲まれ、回避できない状況にいるヒョウタたち。ナタネはまだ腰砕けでいた。
(どうしよう、このままじゃヒョウタくんたちが、でも、怖くて体が動けない。)
彼らを助けないといけない。けれど、自分は知っての通りゴーストポケモンは怖くて仕方ない。どうにもできないナタネにヒョウタが言った
「ナタネちゃん、力を貸してくれ。君の助けが必要なんだ」
「ええ、でも無理だよ、私、お化けが怖くて・・」
「怖いのは僕だった同じだよ。でもね、人間はその怖さを乗り越えて戦わないといけない時があるんだ。ナタネちゃん、人の助けになるようなことをしてご覧。すごく気持ちがよくなれるよ」
「ヒョウタくん・・・」
ヒョウタの厳しくも優しい言葉に、ナタネは何かに動かされた気持ちになった。ジムリーダーの彼がゴーストに勇敢に立ち向かえるなら、自分だって、
「私だって・・ジムリーダーなんだから!」
ナタネはロズレイドに木の高い場所へつるのムチをさせた。ムチは木の上にいる何かを絡みとる。
「ゴ、ゴースト!」
そこにはあのゴーストの姿があった。アイコたちを囲んでいたのは幻影で本体は消えたように見せかけて木の上にいたのだ。
「アイコちゃん、これを!」
ヒョウタはねむけざましをアイコに渡してヨルノズクを目覚めさせた。
「行くよ、ズガイドス!」
「ズガ!」
「ヨルちゃん、ゴットバード!」
二人の指示でヨルノズクはゴットバード、ズガイドスはアイアンヘッドのダブル攻撃でゴーストに大ダメージを与えた。ゴーストは力なく呻いて姿を消すのだった。
「ありがとう、ヒョウタくん」
戦いのあと、ナタネはヒョウタに感謝した。
「お化けは怖いけどだれかの助けになるのってすごく気持ちがいいわね。それを教えてくれてありがとう」
「お、お化けが怖いのは相変わらずか、でも僕の言ったことを解ってくれて嬉しいよ」
ヒョウタに礼を言ったあと、アイコに言った。
「ごめんね、決着はジム戦で決めましょう。再戦を心待ちにして待っているから、じゃあね」
ナタネはヒョウタを連れてハクタイシティへと戻っていった。
「あの人、とても強かった。私、勝てるのかな?」
ナタネを見送ったアイコだが、心の中では大きな不安が包んでいた・・・・。