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「第20話ヨスガシティ、神隠し事件」パート3
アイコ現在の手持ち
モウカザル、ムクバード、イシツブテ、ヨルノズク、スカタンク、ゴルバット、ポケモンのタマゴ
ふれあい広場に突如現れたフワライド。その猛攻の前にアイコたちは苦戦を強いられていた。そして割れた空間の中でヨルノズクが見たものとは・・・。
時が止まってしまっているかのような異空間の中、その中では多くのポケモンたちが無気力に浮遊していた。ヨルノズクはその空間の中を羽ばたいていた。そして、じんつうりきを使って彼等の過去を見た。
ヨルノズクの脳裏に映った光景。それは割れ目の中に吸い込まれてフワライドの作った空間に閉じ込められるポケモン達だった。あのフワライドが事件の元凶かもしれない。ヨルノズクは異空間の中を出た。
出たところで、かなしばりの効果がきれた。フワライドは動き出そうとしたがヨルノズクはじこあんじをしてフワライドの心の中を見る。
そこで見えたのは、あるトレーナーに広場で置き去りにされ、何日も主人を待ち続けるポケモン、しかし、いつしか心が荒んでしまい、一人になりたくないがためにポケモンたちを閉じ込めていく・・、あのフワライドだった。
「!」
アイコは何かが聞こえてきた気がした。ヨルノズクがテレパシーを使って語り始めたのだ。あのフワライドは捨てられたポケモンである。異空間のポケモンを救うためにも彼を説得しなければならない。アイコはフワライドに語りかける。
「分かったわ、貴方が怒っている理由が。捨てられたことは悲しいと思う。でも、人間の中にも善人はいる。それは分かってほしいの」
しかしフワライドは、嘘だ!と言わんばかりに一蹴した。接近してアイコに襲いかかろうとする。
「ゲンガー、彼女を!」
メリッサがゲンガーを向かわせた。ヨルノズクもやむを得んとフワライドに立ちふさがる。その時だった。アイコのバックから何かが動き出した。
「な、何かしら」
アイコはバッグを開けると中からタマゴが出てきた。ひびが割れて今にも生まれようとしていた。
「もしかして・・」
アイコの言うとおりだった。タマゴはパカッと割れて・・・、
「トゲピー、トゲ、プリィーっ!」
タマゴから、はりたまポケモンのトゲピーが生まれた。
「ワーオ、ポケモンの誕生を間近で見れるなんてーっ!」
メリッサが驚嘆の声を上げたのも束の間、フワライドが迫ってくる。トゲピーは、恐れを知らずかフワライドに接近した。ヨルノズクがテレパシーでアイコにトゲピーに指示を出すよう伝えた。
「分かったわ、トゲピーちゃん、あまえる!」
アイコが指示を出すと、トゲピーはあまえる仕草をした。それをみたフワライドは思わず動くのをためらってしまう。トゲピーは両手を前に出して、きれいな光の粒子をフワライドに放った。いやしのはどうである。いやしのはどうはフワライドの心にある闇の感情を解き放った。小さなはりたまポケモンはフワライドの心を救ったのである。
やがて空から神隠しにされたポケモンたちが出てきてゆっくりと落ちていった。これでもう、ポケモンが行方不明になることはないだろう。
「フワーン」
フワライドは小さなトゲピーに感謝した。そして、アイコに抵抗することなくその場にとどまる。アイコは優しく頷き、ボールを投げてフワライドを手持ちに迎えた。
「ありがとう」
アイコはトゲピーを抱きかかえて優しく抱きしめた。それを見てメリッサは安心したようにジムへと戻っていった。彼女との戦いを楽しみにして・・。