完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~
*9*
「第8話クロガネシティいわタイプと歩む男 前編」
203番道路でソウスケに勝ったアイコはクロガネゲートに足を踏み入れた。クロガネゲートはクロガネシティへと続く洞窟である。アイコは次なる地であるクロガネシティへ向けて歩を進めた。と、その時
「イッシ!」
がんせきポケモンのイシツブテが現れた。アイコはヒコザルを出してこれに挑んだ。ヒコザルに、ひのこを放たせ続けイシツブテに少しずつダメージを与えていった。そしてある程度ダメージを減らしたところで
「行くよ!」
アイコはモンスターボールをイシツブテに目掛けて投げた。ボールはイシツブテに見事命中。しばし動いたところでカチっと止まりイシツブテを捕まえた。
「やったーっ、捕まえたよーっ!」
三匹の手持ちを捕まえてアイコは喜んだ。そのボールを掴むとポンと投げてイシツブテを出した。
「イッシ!」
「これからよろしくね、イシちゃん!」
アイコはしゃがむと手を差し出してイシツブテと握手をした。クロガネゲートの出口まであと少しのことだった。
〜クロガネシティ〜
「ふう、やっと出られたね。ここがクロガネシティか・・・」
クロガネゲートを抜けたアイコは一汗拭いてヒコザルやムックル、イシツブテと一緒にクロガネシティを一望したクロガネシティは草地のない荒地を開拓した地で、化石を復元できる研究所や鉱石の取れるクロガネ炭鉱と言う施設があった。
「すごいねー、見てみて。あのレールから色んな石が運ばれてるんだね」
「よう、アイコ」
アイコがしばしクロガネシティを見ていると、幼馴染であるソウスケが声をかけてきた。
「あ、ソウスケくん」
「やっと来たのか、相変わらず遅いぞ」
「それはソウスケくんが早すぎるからでしょ」
「まあ、そいつは置いといて。アイコ、いいものを見せてやるよ」
「?」
ソウスケはバッグからケースを取り出すと、それを開けて、ある物を取り出して、アイコに見せつけた。
「じゃーん、凄いだろ!」
ソウスケが見せたもの、それは丸い形に黒い色がメインのバッジだった。
「それって・・?」
「何をって、クロガネのジムバッジだぜ」
「ええ、ジムバッジなの?!」
アイコは羨ましそうな顔をしてソウスケが手にしているバッジを見つめた。
「ジムリーダーのヒョウタって人に勝って、見事に手に入れたんだぜ。バッジを手に入れたってことはチャンピオンへの道がまた一歩開けたことになるんだぜ」
ソウスケは自慢そうな顔をしてチャンピオンになることを語り、アイコに挑戦を勧めてみた。
「ふーん、そこまで言うなら私も挑戦してみようかな」
アイコは早速、クロガネジムへと入ろうとした。丁度その時、炭鉱の近くで何か騒がしいことが起きていることに気付いた。そこでは作業員達が、ある謎の集団にあることを強要されていた。
「これは困った方々ですね」
「我々はこの炭鉱にある鉱石を必要としているのです」
「貴方がた、ここにある鉱石をすべて我々によこしなさい!」
鉱石をすべて渡すよう迫るその集団は、行動原理が読めない掴みどころのない連中だった。宇宙人のような服装に青緑のおかっぱ頭、胸部にはGのマークが付いている。
「そんな無茶苦茶な!」
無理やりな要求をされて作業員達は当然反発する。その光景をアイコとソウスケが見ていた。
「何だあいつ等、まるで宇宙人みたいな奴らだな」
「本当だ。ねえ、大変なことになってるよ」
「解ってる、よしアイコ、ちょっとお灸を添えに行こうぜ!」
「うん!」
アイコとソウスケがボールを取って謎の集団を止めようとした。
「ちょっと待った!」
そこへ、一人の青年が声をかけてきた。灰色の作業服に、一際目を引く赤いヘルメット、目には眼鏡を掛けている、穏やかな瞳をした青年だった。
「あ、あんたはジムの・・・!」
「おっと、今は言わないでくれるかな?」
その青年はソウスケと会っているようだ。
「でも・・・」
「大丈夫だよ。ジムリーダーの肩書きは伊達じゃないから」
そう言ってジムリーダーを名乗る青年は涼しい笑顔を見せてボールを取り出してその炭鉱の近くへと走っていった。果たして、彼は・・・。