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*16*
しりとりシリーズ 『菊』の『その後』
あぁ……私は壊れた──それでも私は──
あれっ? 此処は……?
絡繰の私、『菊』は綺麗な銀色の世界から目を覚ましました、此処は一体何処でしょう?
「あぁ、目覚めたんだね、私は博士で良い、私は君を拾って、何とか修理をしたんだが、喋る事や、体を動かす事が出来ないんだ──そして人格も壊れたまま──」
そうなのですか──もう私は無駄なからく──
「でも、何れ、この日ノ本の技術が進化したら、君もまた動くかもしれない──だから、今はもう一度寝てくれないか?」
成程……今は無理だから、未来の技術に任せるのですか──
そう分かった瞬間、私はまた寝ました──
「おーい、起きろネボ助」
ガチャリ、頭を叩かれて、私は目覚めました──目の前には、髪をボサボサにした金髪の海胆(うに)──いえ、人間です──が居ました。
「貴方達は……?」
あっ、声が出せる、つまり今は未来なんですね──
「お前、名前は?」
「私は絡繰の『菊』──」
「アンドロイドな、お前」
「えっ?」
体を見る、すると硬い銀色の体になっていまし──って裸!?
「キャー! 見ないで下さい!」
「もう遅いよ、後、お前は覚えているか分かんないけど、あんたを改造しようとしたおっさん──いや、ロリコンジジイか──の子孫だ、んで、今は絡繰って言うのは『アンドロイド』って言うんだよ、そしてお前は『機械の体』を手に入れている──まぁ、未来の力って事かな?」
「成程──つまり、私は未来の力で『あんどうろいど』って奴になっているんですね?」
「アンドロイド、な? まぁ、そうだな──まぁ、俺等のメイドになってくれや──いや、伝わらないか、家政婦だな、そう家政婦になってくれや」
金髪の海胆──まぁ、少年だが──が言う、そして自分の思い出を思い出してから、色々な事があったなぁ、と思う。
今は今、私が変わらなくてどうする? そう思うと、早くこの世界に慣れたいと思う。
私は屈託の無い笑顔で言った。
「はいっ! ご主人様!」
私、絡繰の『菊』改め、あんどろいどの『菊』として頑張ります!
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