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しりとりシリーズの『その後』
作者: 彩都  (総ページ数: 108ページ)
関連タグ: しりとり 短編集 長編 ミステリ 推理 多ジャンル 
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 しりとりシリーズ 『交差』の『その後』

 始めまして、俺は弟です、あの時勇者にされた弟です、今考えてみると兄のやった事は自分でも有難い事だったのです、まぁ、今はその話を置いておきましょうか、兄はその後国王の一人娘と結婚して王様になりました、そして兄の王権になって、税金も少なくなり、国民は喜びました。
 そしてもう戦わなくても良いのに、まだ騎士団で人を募集しています。
 もう兄の王権で平和なのに──そう思いながら俺は呑気に茶を啜るんですがね──
 そしてもう何年経ったでしょうか? 俺にも息子が出来て、もう一人立ち出来る年になって言ったんですよ、『俺、騎士団長になりたい!』って──驚きましたよ、まさか兄と同じ道を歩もうっていうのか? とか思いましたよ? ですがね、それでも小さな子、カッコいい存在=騎士団長って事に気付いたんですよ、『あぁ、やっぱり俺の一族は戦いが好きなんだなぁ……』と思いましたよ。
 そして旅立ちです──息子の応援をしながら俺は見送る事しか出来なかった訳ですよ──不甲斐無い父親でゴメンな? 俺にはこれしか出来ないんだ──
 そして国王の兄から一報が、何と息子が『騎士団長間近になった、応援してやれよ?』と来たのである、あれからもう五年も経ったか──長い様で短かったなぁ、そう思いながら妻に話した。
 妻も大層喜んでいた様で、二人で手紙を出す事にしました。
 そして一週間もすれば家に手紙が来ました、息子の手紙でした、それを見た時は大層喜びました、俺は喜びました、元気にしていて──
 そしてまた数年が経って、息子は騎士団長になりました、それを聞いた時は腰を抜かしました。
 すると家に誰かが来ました、屈強な男──名前を聞く迄知りませんでした──自分の息子だったのです、こんなに成長して……
 もう感涙ですよ、感涙……そして息子は顔を店に来ただけと言って王国へ戻りました。
 何とか生きていて嬉しかった、それが今の気持ちです──俺やお母さんが死んでも元気に生きろよ……
 そう思いながら私は寝ます──明日も楽しい日々になれば良いなぁ、そう思いながら私は睡魔に襲われる。

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