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しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 5 帝都戦争 死魔と志摩
その昔、二人の可愛い双子の兄妹が居ました、名前は兄が死魔、妹が志摩でした、その双子はとても仲が良く、時にお互いの食べ物が別々だった時、何時も分け合って、食べていました。
そしてそんな仲睦まじい兄妹にとんでもない事件が起きました、それは兄、死魔の死、でした──兄の死魔は誰かによって殺された、と言うものではなく、『不慮の事故』だったのです──兄の死に対して、妹の志摩は涙も出せませんでした、何故なら毎日あまり離れる事の無い兄妹だったのですから……『居なくなった』、という感覚が無いのでした、だから彼女は涙が出なかったのです、逆に言えば、『離れた事が無い』ので、『離れた悲しみ』、と言うものが自分の中で確認出来なかったのです──そして彼女はまだまだ力を隠していた、そう、志摩は霊を見る事が出来る人間だったのです、やがてその能力は大人になるにつれて無くなっていますが、完全に消えた訳ではなく、『たまに幽霊の声が聞こえる』程度のものでした、、小さい時からその能力を自覚していた志摩は兄を探しました、そしてあっさりと見付かりました、そんな兄と少し会話して、少しの間だけ過ごして、そして成仏しました──ですが、志摩の中にはもう一つの人格、『死魔』が現れようとしました──そして死魔は喧嘩っ早い少年でした、何時も怪我を作ったり作られたりで、何時も生傷が絶えない少年でした、でも、そんな人格がか弱い少女の肉体に宿ったら? そんなのは簡単だ、『少女の肉体が壊れる』、と言う結論が早いだろう、だが双子である、か弱くても死魔と同等、もしくはそれよりも少し下程度の力を持っているのだ、体はある程度頑丈だった、そしてある時、不思議な傷がある事に気付いた志摩は『もう一つの人格』がある、と自覚する、そしてその人格に合う様に自分の体を改造し続けた──そして手に入れたのが今の体である、そして中学校卒業の時、心の中の人格、『死魔』は思いました、『今迄自由にしていたけど、もう俺は要らないな』、と──そして志摩が寝ている間に志摩の人格を呼んで、話し合いをしました、自分が消える事、お前一人でもやっていける、だって俺の妹だから、そして我侭に付き合っててくれて有難う、この体はお前の物、そしてこの人格はお前が作り出した者、だから本当の俺じゃない事──それを全て伝えて死魔は消えました、志摩は泣きました、分かってた、そんな事、だけど、だけど、『心を埋めてくれた』のはお兄ちゃん以外居なかった、だからもっと居て欲しかった──それは中学校を卒業をした思春期の少女には耐えられなかった、そして数日は自分の部屋に引き篭もって、泣き喚いた、だけどもお兄ちゃんは帰ってこないんだ、天国のお兄ちゃんが笑ってくれる様な妹になるんだ! 志摩はそう思いながら自分の力──死魔と融合した力を何か守れる様な仕事──警邏に入ったのです──
「だから……私は兄が誇れる様な妹になりたい、だから警邏を選んだんです」
「へぇ、そうなんだ、兄が死んだのか、大変だったなぁ」
志摩は色也に言った事がある、だけれど、無関心だった、それでも良いのだ、伝える事はとても大切な事だからだ──
「お兄ちゃん、見ててね、私は守るんだ……皇居を、平和な日本を!」
志摩はそう言いながら戦車に向かって特攻を開始した──
「中々、硬い装甲だなぁ……骨が折れそうだ」
そう言いながら色也こと、俺は戦車に乗って、戸を開けて、中に入って、中の人物を殺す、そして戦車の中の人物を外に出して、戦車を操る事にした、完全に初心者なので、操縦は下手糞だが、頑張って動かすしかない。
そして俺はボタンを一杯押したりして、弾を発射する、だがもう弾が切れてしまった。
仕方無い、前に倒した奴らの戦車を使用するか! そう思いながら俺は急いで後退する、そして戦車の中の人間を戦車から退かして、戦車に乗り込む、後方に後退したので、弾の発射距離の事も考えなくちゃいけない、万が一、死魔に当てたら死んでしまうだろう──それはしてはならない、そう思いながら俺は適当に乱発する、すると死魔はそれに気付いて、発射した弾を足で蹴って、遠くへ飛ばす、そのまま遠くの戦車は爆発する、よし、何とか当たりかけたけど、まぁ、良いか。
「アイツ、何考えてんだよ!?」
そう言いながら死魔は冷や汗を掻く、自分が蹴っていなかったら自分ごと自滅しかけていた、危ない危ない、そう思いながら後ろの先輩を見る、前も後ろも敵だらけじゃねぇか! 殺す気か!? そう思いながら前と後ろの戦車共に腹が立つ死魔、何で私が先輩に殺されるんだよ!? 理不尽だろ!
死魔はそう思いながら心の中で泣く……今の所、戦車は30台程度、精々私と先輩を含めても10〜13台程度──中々楽しい侵略遊戯だなぁ! どっちがぶっ倒れるか、勝負だな!
にやり、と死魔は笑いながら自分の体で戦車を破壊していく──完全にどっちかが諦めるかの耐久勝負になっていた──
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