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しりとりシリーズの『その後』
作者: 彩都  (総ページ数: 108ページ)
関連タグ: しりとり 短編集 長編 ミステリ 推理 多ジャンル 
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 しりとりシリーズ 『何』の『その後』

 とりあえず、何もかも終わった──俺はそう思いながらスーツ姿のまま公園のブランコに乗った──何回も何回も俺は頑張った、だがニートを何年も繰り返しているから中々企業やバイトも取ってくれない。それは仕方無い、自分が悪いのだから──ってそうじゃない、そうやって後ろ向きになるから前に進めないんだろうが? そう思いながら自分は家に帰った──

 誰も迎えてくれない自宅に入って、俺はパソコンに電源を入れる、完全に俺は社会復帰が出来なさそうだ──仕方なくニートの時やっていたオンラインゲームを起動する──パスワード、IDを入れて、入室者を確認する、たった一人、自分以外に一人しか居ない──その一人は誰だろう? そう思って探すと案外近くに居た、レベルはまさかの10012レベル、完全に上級者じゃないか、何でこんなゲームをやっているのだろう? ここ迄レベルを上げる事も驚きだが、どれだけの期間このゲームに居座っているのだろう? そう思いながらチャット機能を使用する。

『あのー、すいません、少しチャットしません?』
『えぇ、良いですよ、最近は人が居なくて……助かりましたよ、本当、自分一人しかやってないゲームだと思ってました』
『そうですか……そういえばレベルが高いですねぇ、何時頃からプレイしているんですか?』
 本題、これが本題だ、この人のレベルがとても気になっていた、何でレベルがそこ迄あるのだろう?
『えっ? あぁ、プレイですか? 初期の方からですね、誰もいないから一人でレベル上げですよ、運営もこのゲームを見放しましたし……』
 そうだったのか、それは可哀想だ……だが俺はそこ迄の優しさは無い。
『そうなのですか……実は自分は仕事をしようとしているのですがもう働ける場所がなくてですね……このパソコンも売ろうかと思っているんです、なので、さよなら……』
 そう書き込んでログアウトする、結構使える手段である、『パソコンを売るんです、さようなら』って──そう考えながらパソコン売る気はさらさら無い、だからもう少し就職に対し、頑張ってみようと思う。

 そして一週間が経った、だが中々就職は出来ない──そう思いながら親の脛を齧ってまたニートを続けようと思う、これは俺個人の問題だから、他人は関与出来ないし、させない。
 まぁ、なる様になるさ、そう思いながら俺は昼十二時の真昼間に居眠る──

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