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しりとりシリーズの『その後』
作者: 彩都  (総ページ数: 108ページ)
関連タグ: しりとり 短編集 長編 ミステリ 推理 多ジャンル 
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 しりとりシリーズ 『村雨』の『その後』

『不(あらわせず)の里』──そこに一人の少年が居た、その少年の名前は『不生(いかさず)』──その少年が手に入れた刀、『村雨』、この刀を巡って、少年不生が生きるのは乱世となる現代か、それとも敗者となった一族の恥となるか──それは分からない──

 しりとりシリーズ 『村雨』の『その後』 不生の戦い 1 『村雨』の持ち主、『不生』

「……はぁ、暇だなぁ」
 そう言って少年、不生は芝生の上で寝転がりながら呟いた、隣にはネコのまん丸がいる。
「今日は特訓が無い日だから暇なんだよなぁ、まん丸ぅ、お前に自分の気持ちが分かるかぁ? ……分かる訳無いよなぁ」
 そう呟きながらまん丸を持ち上げる、すると『キュイーン』とまん丸の瞳が動いた、それもその筈、まん丸はネコでは無い、正確に言えば、『ネコ型ロボット』だ、しかもネコの毛を一本一本まん丸の人工肌に合わせて作った一級品だ。
 そんな機械の事を一言も知らない不生はまん丸を撫でる。
「みゃーん」
「アハハ、お前は可愛いなぁ」
 そう呟くと、一人の少女が現れる、少し胸が膨らんだ少女、『不萌(もえず)』だ、彼女は『不の里』のくの一である、不生より、少し年上だ。
「あら、不生じゃない、どうしたの?」
「あっ、不萌、実は父上が休みを間違えてて、今日が休みだったんだ、だから暇で暇でしょうがないのさ」
「……ふーん、だったら、ちょっと付き合ってよ」
「えっ? 付き合うって何が……?」
 少し厭そうな顔をして、不生は溜息を吐く、その表情を読み取って、不萌が言う。
「あら、いいのよ、そのまま今日は暇を持て余しなさいよ?」
 そう言って、不萌はスタスタと不生の目の前から歩いて消える、不生は走って追いかける。
「待ってよ! 自分も暇なんだよ、行くって! 付き合うからさぁ!」
 その言葉を待ってました、と言わんばかりな顔をする不萌、まさか厭な予感がしますがぁ……と思いながら冷や汗を掻く不生、そして不生と不萌は現代の格好をして、『不の里』を出る──そして不生は後悔するのだが、今はまだ知らない──

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