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しりとりシリーズの『その後』
作者: 彩都  (総ページ数: 108ページ)
関連タグ: しりとり 短編集 長編 ミステリ 推理 多ジャンル 
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 しりとりシリーズ 『村雨』の『その後』 不生の戦い 9 不萌の一日

 朝五時、少し紺色の空の時間、不萌は起床する、そしてパジャマから、忍装束に着替えて、朝の運動を開始する、肩には角さんを乗せて散歩がてらのマラソンをする。
 朝六時、一時間で軽く5キロメートルを走る、次に家に帰って、風呂に入る、くの一たる者、毎日を綺麗に過ごさなければならない。
 朝七時、軽く一時間、シャワーと湯船を堪能した後、朝ご飯を食べる、ご飯は大盛りで食べ応えがある玄米を使用。
 朝八時、七時半にご飯を食べ終わった不萌は三十分間の座禅で胃の中の物を消化しておく、そして自分が食べた物のお茶碗やお皿を洗って、洗い流す。
 朝九時、不生を探す、そして見つけて、買い物の荷物持ちを手伝わせる、そして三十分後、私服に着替えた不生と共に東京に向かう。
 朝十時、電車の中で不生と共に協力プレイのゲームを攻略、そして何とか協力プレイで敵を倒して、おおはしゃぎ。
 朝十一時、他のクエストに協力プレイで不生とプレイ、不生が何度かヘマをしたが、何とか敵を倒して、一安心、そして東京の渋谷に辿り着く。
 昼十二時、何とか自分の欲しい物を購入出来て嬉々となる、だが、敵の忍者二人が不生の『村雨』を奪いに来て、危機になる。
 昼十三時、敵の忍者二人を何とか倒す、そして休憩がてら、ハンバーガーのお店に向かい、昼ご飯を摂取する、不生の『東京に来たらまずはハンバーガー』という言葉に頷いて行く事に。
 昼十四時、不生と一緒にゲーセンで遊ぶ、カーレースで不生が三位、不萌が五位という結果になり、キレた不萌が不生とアイスホッケー勝負をする、アイスホッケーでは不萌が圧勝。
 昼十五時、おやつを探しにケーキショップでケーキを食べる、不生はチーズケーキ(スフレタイプ)を注文、不萌はショートケーキを注文して、現代の甘味を堪能する。
 昼十六時、遅くなると親が煩いので、帰宅する事に、電車に乗って、不生と協力プレイのゲームをする、だが、スマホのゲームなので、タッチ操作が下手糞な不萌の所為で敗北する。
 夕方十七時、他のゲームで協力プレイをする事に、何気に不生がそのゲームでの上位ランカーと知る、マジかよ、と思う、不萌だが、本当に上手くて、協力プレイの意味がなかった。
 夕方十八時、里に戻って、不生の親に色々と報告、『もう、奪う奴が現れたか』と一言言って、不萌の前から離れる。
 夜十九時、夜ご飯、今日の夜ご飯は白身魚の煮付けだった、とても美味しく頂いた。
 夜二十時、明日の修行の事を考える、もう少しアレンジが欲しいと考える、必死に悩んでも、頭の中にはアイデアの一つも思い付かないので、寝室に行く事にする。
 夜二十一時、汗を掻いたので、風呂に入る事に、シャンプーが切れたので、明日買いに行く事を考える。
 夜二十二時、お風呂から上がって、パジャマに着替えて、ベッドの中に入る、だが、あまりにも熱いので、布団は蹴って飛ばしてしまう。
 そして翌日。
 朝五時、少し青色が濃い色をしている空、そんな空の色をしている時間に不萌は起床する。
 朝六時……と、不萌の一日の行動表を見る不生、不生は不思議そうに言う。
「不萌ぇ、お前、本当、早起きだなぁ……何気に事細かに書かれてらぁ……」
「そりゃそうよ、だって一日の行動表なんだから」
「お前、こんなの毎日書いているの?」
 不生がそう言うと、不萌はうん、と頷く、そんな不萌を見て、不生は大きな溜息を吐く。
「几帳面と言うのか、生真面目、というのか……これ見てると何か自分を縛っている感覚がするなぁ、自分はこういうの、書きたくないなぁ……」
 不生がそう言って、一日の行動表を不萌に投げる。
「まぁ、好きな人がやれば良いのよ、どうせ暇人のやる事でしょ?」
「確かにそうかもしれないね、だけど自分達は暇人かな? 違う、忍者だから、毎日が忙しいだろう?」
「何それ? 私より年下の癖にいちゃもんでもつける気?」
 不萌がそう言うと、ハァ、と溜息を吐いて不生は言う。
「あー、簡単に言えば、いちゃもん、というより、呆然とした感情かな? 実際不萌の方が自分より強いんだ、だから自分より活躍して欲しいね、『村雨』より、自分より……」
 不生の言葉に、不萌は笑った、いきなり笑われて不思議がる不生。
「な、何だよ……不萌?」
「いやぁ、今日の不生が可笑しくてね……フフフっ!」
「……そ、そうかなぁ? おかしい所なんか無い筈だけどなぁ?」
 不生はそう言って、頭を掻いた──

「ふぅ、今日も色々あったなぁ、今日は総理大臣の不動さんを倒したんだっけ? 結構豪華な家だったなぁ、相当儲けているよ、私も不動さんみたいにお金持ちになりたいなぁ……」
 不萌はそう呟きながら、深呼吸する、今日の不生はカッコよかったなぁ、そう思いながらベッドの中へ移動して、寝ようとする、今日の自分は頑張った、明日の自分も頑張って欲しいな、昨日の私との約束だぞ、そう意気込んで、目を閉じた──昨日の自分は昨日の自分、今日の自分は今日の自分、明日の自分は未知の自分、心の中でそう呟きながら寝息を立てる──

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