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しりとりシリーズ 『もやもや』の『その後』
…………何年が経っただろうか? 自分は自宅の中でそう思いながら溜息を吐く、段々と昔の記憶が消えかかっている、もうじき自分も死ぬのかなぁ? と思った時だ、『USAMI』の事を思い出した。
あぁ、そんな子いたなぁ、自分の好きな格好で現れたんだっけ? そう思いながら必死に過去の記憶を思い出す、もうじき自分も死ぬかもしれない、だったら『USAMI』を作って介護生活を受けてしまえば良いのか、と考えて自分は家に篭って『USAMI』を作る事にした。
時はタイムトラベルが出来る時代なのだ、『USAMI』を自分の過去に送り付けて昔罹った『もやもや』の病気を少しでも解消してもらおうと自分は考えた、あっ、これを考える事で昔の自分は『USAMI』を『もやもや』の病気、だと思ったのか、うん、そりゃそうだよな、謎の空間に辿り着いて『USAMI』に介護させてもらうとか……普通有り得ないよな、というより自分が寝ている間にタイムマシンが出来ているのがもっと驚く内容なのだが──よし、頑張って作らないとなぁ……そう思い自分は頑張って『USAMI』を作っていく──
最近のアンドロイドや二足歩行型ロボットは一般人の自分でも手頃に買える値段で手頃に作れる簡単な物となっている、なので『USAMI』の見た目だけ覚えていたら簡単に作れるのだ。
今日も頑張って作らないとなぁ、そう思いながら自分はゆっくりと思い出しながら作る──
「ふむ、何とか完成したな、後はこれを過去に送りつけるだけか……」
自分はそう言って『USAMI』をタイムマシンに乗らせ、過去の自分の精神に送りつける、さぁ、『USAMI』で頑張って『もやもや』を倒してくれ、そう思いながら自分は大きな安堵感で生まれた溜息を吐く──
「…………」
「最近あの人が外から出ないわねぇ、死んでいるかもしれないなぁ」
そう言って自分の住んでいる家の大家さんが自分の自宅を叩く、何も反応がないのでマスターキーを使用して自宅に入る。
「うわっ!?」
そう言って大家さんは驚いた、それもその筈だ、自分の姿が痩せこけて白髪になっているからだ。
「うわわわわ、は、早く救急車呼ばないと……!」
大家さんはそう言って電話をかける、すると数分経ってから救急車が現れる──
「……ていうのが此処に来る手前の貴方です」
そう言って自分の目の前に座る大家さんが言う、成程な、自分は『USAMI』と『もやもや』の所為で痩せこけてしまったのか……そう思いながら自分は『もやもや』の治療を行っていく、早く『もやもや』から解放されたいな、自分はそう思いながら自分の手を見る、自分は『USAMI』と絡んだ事実がある、『USAMI』の食事を食べた胃がある! 自分にとって『USAMI』は実在したんだ! 自分はそう思いながらゆっくりと目を閉じ、また目の前に『USAMI』が現れる事を待つ──だが『USAMI』を作ろうとする少し前迄現れず、思い出せない事を自分はまだ知らない──
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