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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 237ページ)
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*143*
名無しの怪物
「なんで負けてるの?本当に何してんの?ここまでなんだったの?」
幻徳
『....くっ』
福ちゃん
「あの子達の偽物を作るなんて、よっぽど貴方は私たちを怒らせるのが上手なんですね」
プリシラ
「悪評を立てるつもりだったのであれば、その作戦は愚かとしか言いようがありませんけどね」
名無しの怪物
「悪評なんかじゃないさ、皆の大事なものを失わせて、俺の気持ちを何となく分かってもらえたらいいのにな」
クラマ
「ふざけんな!そんな事の為だけに偽物を作って、世界中で暴れさせたのか!」
ローズマリー
「あのデーリッチ達が...どれだけ苦しんでたのか分かっているのか!?」
名無しの怪物
「アレを見たら分かるだろ!?代わりなんて作れるでしょ!!」
たくっちスノー
「黒影剣を作れてねぇくせによく言うよ!!」
たくっちスノー
「大体さ、お前覚えているのかよ!?」
たくっちスノー
「剣さんがどんな世界で生まれどんな顔をしてどんな体をしているのか!ただやみくもに作ったって出来るわけないだろ!!」
名無しの怪物
「そんなのどうでもいいだろ!」
たくっちスノー
「どうでもいいと思った結果生まれたのが僕だろうが!!」
ローズマリー
「呆れた...こんな調子で恋人を作ろうだなんて」
龍我
「だから言っただろ?あいつは剣じゃなくて都合のいい人形を愛してたんだよ」
名無しの怪物
「もう...一つの生命にムキになるなよ!!そこにいる女だって...いくら死んだっていくらでも作れるんだ!」
福ちゃん
「あら、なんで私?」
クラマ
「はぁ!?お前もう一度言ってみろ!!」
たくっちスノー
「さっき言っただろ!あの時の海斗君のように、名や体は同じでも、結局は...」
名無しの怪物
「同じだよ!!人生がどうとか、歩んできた道とか...そんなの関係ないじゃないか...都合の悪いことを回避するために、新しい物を」
クラマ
「そういうことじゃねぇよ!!」
福ちゃん
「クラマ君...」
クラマ
「いいかよく聞け怪物...俺たちは生きてるんだ」
クラマ
「人間はもちろん、妖精も、モンスターも、神も...そしてマガイモノも!!」
たくっちスノー
「...!」
クラマ
「生きているからこそ上手くいかねぇことだってあるんだ」
クラマ
「福の神様だって...ハグレ王国だって、間違ったことだって一つはしただろうさ!」
クラマ
「俺だって大きな失敗して福の神様からすっげぇ痛いゲンコツ喰らったことはある!」
クラマ
「福の神様だって間違いだらけの道を進んでた事だってある!ハグレ王国だってくだらないことで喧嘩する!」
クラマ
「だが俺は不条理な人生を頑張って生きてきた福の神様に着いていこうと思った、つまずいても立ち上がるハグレ王国が気に入ったんだ!」
クラマ
「失敗と成功の繰り返し、それが人生だ、黒影剣もそんな風に生きてきたんだ」
クラマ
「生き物の人生は誰の勝手にも出来るわけねぇ!」
クラマ
「生き物はお前の操り人形じゃねぇんだよ!!」
名無しの怪物
「....!!」
福ちゃん
「クラマ君...」
たくっちスノー
「....まいったよ、言いたいこと全部言われちゃった」
たくっちスノー
「分かったか、僕らはお前の『モノ』じゃない」
たくっちスノー
「僕らの生きざまを簡単に思い通りに出来ると思うなよ」
福ちゃん
「また何かを作って...また私達の世界へ仕向けてくるのであれば」
ローズマリー
「監理局だろうと何だろうと...相手になりますよ」
名無しの怪物
「......」
【つるぎちゃん は ボク の モノ だ】
名無しの怪物は消えていく....
マクスウェル
「さやっと僕の仕事か...氷室幻徳!お前を無許可の時空移動、及び別世界襲撃の容疑で逮捕する」
幻徳
『ちっ...!!』
デーリッチ
「これでひとまずは解決したでち...けれど」
幻徳
「奴に宣戦布告していたが...いいのか?」
プリシラ
「他人の人生を蝕む奴なんかに私達は負けられませんよ」
ローズマリー
「ああ...もうあのデーリッチ達のような可哀想な存在の為にも、私達は戦わないといけないんだ」
メニャーニャ
「報告のために一時帰還しましょう」
たくっちスノー
「ああ...」
...
福ちゃん
「私たちも幻徳さんと話し合いをしないとね」
龍我
「そういやこっちも依頼だったな」
たくっちスノー
「ねぇ、クラマ」
クラマ
「ああ...すまない、一人で勝手に」
たくっちスノー
「いや、むしろ君に感謝したいくらいだよ...ありがとう、マガイモノを生き物と言ってくれて」
クラマ
「...まあな」
福ちゃん
「かっこよかったわよ、クラマ君」
クラマ
「有難う御座います」
たくっちスノー
「聞いてもいい?クラマって福の神様の事は好き?」
クラマ
「え?そりゃあまぁ...好きだけど」
福ちゃん
「あらあら、急に告白なんて私困っちゃうわねぇ...」
クラマ
「違います!そのような意味で言ったのではなく!」
たくっちスノー
「正直になったらいいのに」
福ちゃん
「そうそう」
クラマ
「...もう、俺先行ってますからね!」
福ちゃん
「あっ待ってクラマく~ん」
たくっちスノー
「.....」
龍我
「あの二人結構仲良いよなぁ...ん、どうしたたくっちスノー」
たくっちスノー
「なぁ、ハグレ王国って...いい国だよな」
龍我
「どうしたんだよ今更」
たくっちスノー
「僕はざくざくアクターズをクリアしている、だから時にとんでもない事が起きても...皆の力で乗り越えたことをよくわかっている」
かなちゃん
「妖精王国だって、一時期はとんでもない事がありましたが...どうにか乗り越えましたものね」
たくっちスノー
「誰かの思い通りになった都合のいい人生より、苦難がありながらも皆と乗り越える人生の方が素晴らしいに決まってる」
たくっちスノー
「だからこそ僕たちは名無しの怪物を止めなくちゃならないんだ」
大きな意思を胸に、少年少女は未来のため歩き出す!