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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 237ページ)
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*29*
そして、福の神はクラマに担いでもらい、上空から進んでいた
福ちゃん
「空の上ならフロードにもバレずに調査できますわね...」
クラマ
「ふ、福の神様!!ほ、ほんのちょっと!!ほんのちょっとだけですがおも...」
福ちゃん
「え?聞こえませんよ?」
クラマ
「なんでもございません、はい!!」
福ちゃん
「えーと、写真の人は...あそこ!」
クラマ
「えっ...はい、今降ります!」
...
クラマ
「ああ...もう少し羽を鍛えないとな」
福ちゃん
「クラマ君、あれよ」
クラマ
「あれ...?確かに写真のフロードって奴ですね...」
福ちゃん
「追いかけるわ、見失わないようにね」
クラマ
「はい!」
...
福の神達が追いかけると、フロードは倉庫のシャッターを開けて奥へと入っていくのが見えた
福ちゃん
「あそこね...何か話し声が聞こえる」
クラマ
「ボイレコのスイッチ入れときますか?」
福ちゃん
「ええ...何々?」
...
「おい、ちゃんと上手くいっただろうな?」
「あ、ああ...」
「あのハグレは相当いい顔してるから高く売れるぞ...それに間抜けそうだし、あっさり引っ掛かるぞ」
「.....なぁフロード、お前本当にハグレ売買なんてやるつもりか?」
「ああ、この仕事が一番稼げるんだ」
「...お前、変わったな」
「兄貴が世界に取り残されているんだ、なんで名前も顔も知らない奴の事を気にかけることはない」
「...だが」
「なら一生無職のままでいいのか?弟に稼いでもらっていいのか?」
「奴隷商売で食わせてもらう気なんて微塵もない」
「そうかい、それならお前はもう兄と思わないことにする...もう31になるし対した額にもならん、消えろ」
「そうさせてもらうよ、さよならだフロード」
...
福ちゃん
「なるほど、こういうことだったんですね」
「あっ...!!」
クラマ
「今の内容は録音した...全部話してもらおうか」
「違うところで.....」
.....
福の神とクラマは男をハグレ王国のこたつ喫茶に連れて話す
「...そうか、俺の事を調べに来たんだ」
クラマ
「」
「ええ、聞かれた通りフロードというのは俺の弟の名前です...本当はレイリーという名で」
福ちゃん
「貴方の名前の事は対して重要ではありません、先ほど内容は...」
レイリー
「...つい一昨日の事、弟が訪ねてきたんだ、ハグレを生け捕りにしたいから囮になれと言ってきたんです」
レイリー
「フロードは若い女のハグレを売りさばいて生計を経てていた...裏の世界じゃどこにでもいると言っていたが...」
クラマ
「俺も福の神様からよく聞きますよ、ハグレの奴隷商人だとか、ハグレを騙して危険なことをさせるとか...」
福ちゃん
(ハグレの立場が多少良くなっても、やっぱりこういうのは尽きないもの...?)
クラマ
「なんで止めなかったんだ、あんた兄貴じゃないのか?」
レイリー
「出来ないんだ...俺はあいつと違って何の職にも付けていない、金もなくて...どうこう出来る立場じゃなかったんだ...」
レイリー
「だがあの柚葉という女と会ったとき良心が痛んだんだ、俺より若くて幸せそうな女をフロードなんかにやっていいのかって...」
クラマ
「それでシャッターの中で断りに来たわけか」
レイリー
「ああ...そしてこれであいつとも絶縁になった、けれどフロードは実力行使で柚葉を奪いに来るでしょう」
福ちゃん
「.....」
レイリー
「分かっています、弟を止められなかった俺も同罪」
レイリー
「だから自首して、フロードの事をハグレ王国と帝都に公表します」
福ちゃん
「フロード...いいえ、レイリーさん、よく決心してくれました、後は私達に任せてください」
レイリー
「でもフロードは強い、そこらの人間じゃ止めることは...」
福ちゃん
「心配は要りません、人の恋を利用する輩は個人的に許せませんから」
クラマ
(な、なんかすげぇ怖いオーラが出ている!)