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ざくアクZ2!偉大なる神とマガイモノ屋(完結)
作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 237ページ)
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プリシラ
「私達プリシラ商会は、フクラップからロマンスGを売る権利を貰いに来たのです」

フワット
「どういうこと?」

プリシラ
「フクラップ社が造り、商会が買い取りそれを他の世界で販売する、そして利益は貴方達に...どうでしょうか?」

デーリッチ
「えっ、それってデーリッチ達の世界でもこれが食べられるって事でちか!?」

フワット
「あれ!?もしかして君ってハグレ?奇遇だねー俺もなんだ!」

デーリッチ
「そうなんでちか!時間ができたら遊びに来てほしいでち!」

フワット
「おー!いくいく!」

プリシラ
「...それで、どうですか?この交渉は」


「ふむ...確かにガムが色んな子供達に食べてもらえるのは喜ばしい事じゃが...」



「申し訳ありませんが、ロマンスGに関してだけは首を振れません...」

プリシラ
「何故です?」

ヅッチー
「なー、お菓子食べたい」

デーリッチ
「デーリッチもー!」

ローズマリー
「こらこら...すいません、大事なときに...」

フワット
「お菓子食べたいのか?じゃあ特別に出来立てホヤホヤの新商品を食べさせてあげるよ、じーちゃんいいよね?」


「うん、是非食べていってほしい」

ヅッチー
「えっ、いいのか!?」

福ちゃん
「すいません...」

フワット
「じゃーん!新商品のあわあわガムをどうぞ!」


「皆さんもどうぞ」

デーリッチ
「わーい!」

龍我
「あ、悪いな.....おお旨めぇ!」

ローズマリー
「美味しい..!」

クラマ
「この若さで作ったと考えると、よく出来てるな...」


「おお...また腕が上がったのぉ」

フワット
「いやいや、じーちゃんのガムほどじゃないって!」

福ちゃん
「柑さんもガムを作るのですか?」


「ええ、わし達お菓子の妖精はお菓子作りが得意で、昔は妖精の子供達と一緒にお菓子を作っていたのじゃが...皆負けず嫌いで自分が一番だと思う者ばかりで、皆わしの元を離れていってな...」

フワット
「その妖精達は今、ラムネやチョコレートといった会社でお菓子を作ってるんだってさ!」

ヅッチー
「じゃあ、ジーメルスタインのオーレって奴も?」


「あの子に会いましたか...他の妖精も同じような物でしたが、彼は負けず嫌いで、出し抜くためならなんだってやる子です」

ローズマリー
「でしょうね...」


「わしとしては会社を持った以上、人間達が喜ぶようなお菓子を作ってもらいたい、それを分からせるためにアレを作ったのに...」

クラマ
「アレ、というのは?」


「貴方達もよく知る...ロマンスG。」

デーリッチ
「えええええーっ!?」

たくっちスノー
「あのガムってこの子が作ったんじゃないのか!?」

フワット
「うん、じーちゃんは俺に『いつかこのガムよりも美味しいお菓子を作りなさい』って言われてね...頑張って勉強してるんだ!」

福ちゃん
「そうなの...」


「アレで初心に帰って、また美味しいお菓子を作ろうと思ってほしかった...じゃが、わしの行動は間違っていた」

クラマ
「全ての人間がロマンスGしか食べなくなった事だな」


「ええ...」

フワット
「ああ~...」


「わしとしては、皆に沢山のお菓子を食べてもらいたい...それなのに...ああ、すいません、お客さんにこんなこと話してしまって...」

フワット
「じーちゃんは何も悪くないって!じーちゃんのお菓子が美味しいのは事実だからさ!」

福ちゃん
「...何だか、申し訳ない気持ちになってきましたね」

たくっちスノー
「ああ、むっちゃいい会社じゃねーかここ...」

クラマ
「あの妖精め、こんな手使ってきやがって...いや、引き受けてしまった俺たちも大概か」


「一体どういう事です?」

福ちゃん
「実は、我々は...」

福の神達は全てを話した

なんでも屋「マガイモノ屋」のこと。

オーレからここを潰すように頼まれたこと。

お菓子作りより妨害という手を選んだこと


オーレの口振りからして、他の妖精達も...


福ちゃん
「すいませんでした!なんて言えばいいのか...!!」

たくっちスノー
「本当に、申し訳ない!!」


「いえいえ...貴殿方にも罪はありませんよ」

フワット
「でもどうしようじーちゃん、ここまで恨まれちゃのんびりガムを作れないよ」


「ふむ...そうじゃ、この件を期にわしらは隠居するのはどうじゃ?」

フワット
「え、隠居?」


「そう、お金や会社の事は忘れ...遠いところでゆっくりするというのは」

フワット
「いいかも!後継ぎは決めてあるの?」


「...いいや、いっそのことフクラップなんて無くしてしまおう」

フワット
「ええっ!?じゃあ社員はどうなるの!?」


「もちろん次の働き先が見つかるまでどうにかするが...」

プリシラ
「.....」

ヅッチー
「そっかー、無くなっちゃうのか、残念だな。」


「ええ...ということで、取引の件は無かったことに...」

プリシラ
「ええ...残念です」

たくっちスノー
「これって...依頼達成になるのかな?」


「これでオーレが納得してくれるといいがのぉ...」

...

フクラップ社から出ると...オーレが待ち構えていた

オーレ
「おい!?仕事の話は終わったか!?」

クラマ
「グミラという奴はどうした?」

オーレ
「ジーメルスタイン社だよ、一人で籠ってグミ造りしてやがる...どうせ無駄なのによ」

ローズマリー
「無駄...君達の長が作ったお菓子に敵うはずがないと、我々にこんな手段を取らせたのか?」

オーレ
「文句あるかよ...このままじゃ金稼げないんだよ...」

福ちゃん
「...もう行きましょう」

オーレ
「待てよ!?フクラップを潰す件は...」


たくっちスノー
「それならとっくに片付いた」

オーレ
「え?」

たくっちスノー
「ま、その後の事は考慮しませんけどね...行こうか皆、お菓子買ってから帰ろうぜ」

ヅッチー
「ああ、フクラップのガムをお土産にするか」

プリシラ
「それなら箱買いしなきゃね」

オーレ
「ま、待てよ!!おい!!」

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その後のことだ、あっちの父さんに調べてもらったら...本当にフクラップ社は無くなっていた。

でも元社員が新しくガム会社を立ち上げたらしく心配はいらないそうだ。

問題は...それ以外のお菓子会社。

その次の日、ラムネの粉からやばい粉が発見されラムネ会社が検挙。

さらにその次の日は爆弾襲撃がチョコレート会社の妖精の命令によるものと発覚し消滅

...あのグミのジーメルスタイン社も、グミラ・ジーメルスタイン氏がオーレ氏がグミの材料偽装をしていたことを告発したそうだ

そして、お菓子の世界の住民の恨みを買ったちび妖精達は逃げるように都会を去ったという...

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