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*66*
【第十話】
『もしも平凡じゃない日常』
突如現れた未知の存在『ハガネ』
あり得ない生き物の登場し、崩れていく日常の最中、アレックス達は...?
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あれから数日後...生き物の形をした謎の金属体『ハガネ』は次々と姿を表し、世界を襲撃した
アレックス
「.....」
ライチ
「どうよアレックス」
アレックス
「未だに信じられない...えーと、ハガネだったか?」
ライチ
「おん、ドラゴン型の奴をあのブライアンが発見し命名したのが始まりだよ」
アレックス
「そいつが現れたのって何時だ?」
ライチ
「アレックスが遠出して一週間後だってさ」
アレックス
「.....そうか」
ライチ
「生き物じゃないって事以外は何も分からず、見境なく生き物や住宅を襲う...」
アレックス
「人間も、魔物も...そして魔法も対抗出来る者はあまりいない」
ライチ
「でもさー、アレックスが遠征して得たものだってデカいじゃん」
ライチ
「アレックスが倒したハガネを加工して武器を作る手法を広めて、最近ではある程度対抗出来るようにもなったし」
アレックス
「それは...そうだけど」
ライチ
「それなのに...何をそんなに落ち込んでいるんだい」
アレックス
「...なんか、怖くてさ」
ライチ
「怖い?」
アレックス
「俺達ってさ、毎日王様に呼び出されて、魔王をぶっ飛ばして、なんだかんだで終わる...そういうのが当たり前の生活だったじゃないか」
アレックス
「でも、ハガネっていう奴が現れて、そんな毎日が壊された」
アレックス
「俺だけじゃない、他のやつらの当たり前も無くなっていった」
アレックス
「何もかも分からないものに侵食されて、最後には世界まで壊れてしまうんじゃないかってさ...」
ライチ
「.....」
アレックス
「はー...勇者が弱音吐いてもしょうがないよな」
ライチ
「そうそう、せめて外出るときぐらいはいつもの調子でいないと」
アレックス
「ああ...そうだな、そうだよな。」
ライチ
「ほら、リナもレナもハガネ狩りしてるんだ、お前も行くぞ!」
アレックス
「ああ...」
...
~冥界~
ヘル
「...白天星、赤天星、来たか」
カレン
「え?なんでここにヘルがいるの?」
カザヤ
「ここ...あの人の仕事場」
カレン
「え、そうだっけ?」
ヘル
「...まぁ、宵の居るこの世界は黄泉国から離れているからな、まぁそれはいい」
ヘル
「白天星、お前が探っているのは例の『ハガネ』とやらじゃな」
カザヤ
「どう...何か分かった?」
ヘル
「特になにもな...砕けたハガネの魂がここにやってこない以上生き物の可能性は薄いと見たが」
カザヤ
「そっか...」
ヘル
「しかしお前も災難じゃな...せっかくの休暇だというのに」
カレン
「この間まではアパートでゴロゴロしてたからねー」
ヘル
「じゃがお前達の正体を知っているのはお前を送った『たくっちスノー』と呼ばれる者とこの世界の生死を管理する宵だけじゃ、気付かれないようにな」
カザヤ
「分かってる」