完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~
*78*
ヒールⅢ
「奴等は眠ったか?」
鈴が耳元を扉に当てると、山賊のようなイビキが響く
鈴
「...そうっぽい」
ヒールⅢ
「よし、そろそろ潜入だ...音をたてるなよ」
鈴
「せ、潜入?」
ヒールⅢ
「ここの主人には話をつけてある、これは公認されている仕事だ」
鈴
「え、ええー?」
ヒールⅢ
「...治療開始」ガチャッ
ヒールⅢは扉を開け...眠っている男の近くに治療器具を設置する
鈴
「え、何を?」
ヒールⅢ
「見ればわかるだろう、治療だ...こいつ、相当不衛生な生活していたな...宿屋に8000Gはふんだくってやらないと」
鈴
「えっ、治療?宿屋で?えっ?」
ヒールⅢ
「ぼさっとするな、そこの器具取ってくれ」
鈴
「わ、分かった!」
...
ダッツ
「ヒールⅡ!」
ダッツの方は回復魔法で戦士の傷を癒す
アレックス
「ははぁ...なるほどね、宿屋に止まるとHPが全回復するのを不思議に思っていたが、こういうタネがあったのか」
ダッツ
「僕たち僧侶はこうやって冒険者を治療して宿屋からお金をもらうことを収入源としているんです」
ダッツ
「回復という唯一無二の個性を活用できるいい仕事ですよ」
アレックス
「ああ...でもさ、宿屋ってMPも回復するだろ?あれはどうしてるんだ?」
ダッツ
「あ、それは普通に聖水飲ませるんで大丈夫です」
アレックス
「あ、そうなの...」
...
ダッツ
「ひるみさん、交代しましょう」
ヒールⅢ
「ある程度治療は済ませた、回復は任せたぞ」
ダッツ
「はい」
鈴
「...色々とすごかった」
アレックス
「そっちは一体何してたんだよ...」
そして、次々と新しい客が入ってきて...治療は夜まで続いた
アレックス
「あーもうクタクタ...」
鈴
「あっちこっち動き回って疲れたよ...」
ダッツ
「でも今回はそれなりに収入を得ましたねひるみさん」
ヒールⅢ
「ああ...」
アレックス
「いくらぐらい貰ったんだよ?」
ヒールⅢ
「今日働いた分で12万Gだろうか」
鈴
「じゅ、120000!?」
ダッツ
「僕はそんなに使わないので、この内の一万Gをアレックスさんに譲りますよ」
ヒールⅢ
「渡しておかないとたくっちスノーの奴がうるさいだろうし、私も一万Gをこいつに...で、残った五万Gを分けあって解散だ」
アレックス
「一日で...一万G...これなら...」