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*82*
デイジー
「それでここからが重要なんですよー」
アレックス
「え?ここから?」
デイジー
「ほら、ここ...」
デイジーは契約書の大きな字の部分を指差す
アレックス
「えーとしっかり見ておかないとな...えっ」
【貴方の神の名前を決めてください】
アレックス
「神の...名前...?」
デイジー
「はい、その下の欄にはどのような神か、人間にどのような効果をもたらすか...」
アレックス
「いやいや待って待って、え?」
アレックス
「神様って自分で考えるの?」
デイジー
「え?そうですよ?神をこちらで考えて、オリジナルの宗教を...」
アレックス
「いやいやいや、それは流石にまずくないか」
デイジー
「え?何がですか?」
アレックス
「その...色々と罰当たりじゃね?勝手に何かその...実在しないものを作ってあたかも存在しているように振る舞うなんて」
デイジー
「宗教なんて5割がそんなものですよ」
アレックス
「おい、その発言は色々とやばいだろ」
デイジー
「僧侶になりたいんですよね?それなら適当に神をつけておくんです神が背中にいるだけでどことない安心感が湧いてくるんですよ」
アレックス
「あ、ああ...」
アレックス
(やばい)
デイジー
「後は定義文さえ考えておけばいいわけですよ、こうやって村に押し掛ければ信仰心の深い老人なんかはコロッと...」
アレックス
「...」ゾクッ
アレックスは気づく
僧侶は神の...宗教の仕事
触れてはいけないブラックな領域に入り込もうとしていたことに...気付いてしまった
アレックス
「ご、ごめーん今日はちょっと考えていいかな~」
デイジー
「えー?なんで?」
アレックス
「さ、最初は軽い気持ちだったんだよ!金稼ぎたいなーって、そう思っただけなんだ!」
アレックス
「でもなーこんな面倒なら俺もすぐへこたれるだろうしなー!」
アレックス
「お、俺やっぱり違う仕事にするよ、キャロルにはごめんって言っといて、じゃあな!」
デイジー
「ちょっと、アレックスさん?」
話を遮って、アレックスはテレポートで消えていく
デイジー
「...失敗した」
クレアス
「ご愁傷さまだな、よそのデイジー」
デイジー
「クレアス...その口ぶりからして【例の】クレアスですか」
クレアス
「そうだな、敵でも味方でもない例のクレアスさんだ」
デイジー
「...貴方なんなんです?なんで私やアレの邪魔をするんですか?」
クレアス
「そうだな...俺は別にあいつの味方ではない、この『世界』が消えるのが嫌なだけだ」
クレアス
「次は誰が、何をするつもりだろうな?」
デイジー
「.....」