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*85*
ミラ
「え?」
ミカヅチ
「...あまり人前で使用したくはなかったのですが、やむを得ません」
レウォル
「何をするつもりだ?」
ミカヅチ
「少し時間稼ぎをお願いします」
ミラ
「分かった!」
レウォル
「竜水術!」
ミカヅチ
「...頼みますよ、『天背院』」
ミカヅチ
「ウアアアアアアアアア!!!」
ミラ
「な、何か本当にとんでもない物が現れそうね....」
レウォル
「...おい、見ろ!ミカヅチの羽を!」
ミカヅチの背中から、黒い羽が生え、欠けていた翼が元通りになった
そして....黒い羽の部分、体の右半分の肌が濃くなっていく
ミカヅチ?
『ヒッハアアアアアア!!!』
ミラ
「えっ、何これ?」
レウォル
「アンバランス...」
ミカヅチ
『食事の時間だァ!欲望を餌にオレは生きる!さぁ、全て喰らい尽くしてやる!!』
ミカヅチらしき天使?は右腕を回し、首を捻るが、そこから左側の顔が
ミカヅチ
「待ってくださいよ、狙いはあの龍のみです、そこら辺分かってくれないと...」
ミカヅチ
『ああ!?指図すんのか!?オレのおかげで大天使にまでなれたっていうのにヨ!』
ミカヅチ
「はいはい...」
ミラ
「ミカヅチ、それは一体?」
ミカヅチ
「後で説明しますよ、それじゃあ頼みます天背院」
ミカヅチ
『よっしゃあああ!!』
黒い方のミカヅチの右手がぐにゃりと形を変え大きな口のようになる
ミカヅチ
「ミラ様、レウォル様、僕...いえ、僕らの後ろに下がってください、食べられては困るので」
レウォル
「食べられる?ミラなら大剣振り回して突き破れるから心配いらないだろう」
ミラ
「あんたねぇ...」
ミカヅチ
「あ、いえ、物理的なものではなくて」
ミカヅチ
『早く喰わせろ!!』
ミラ
「はいはい...」
右のミカヅチは口を更に大きくして、ドラゴンの前に出し....
ミカヅチ
『能力補食(アビリティータ)!!』
そのまま包み込んだ
....
地面へとゆっくり降りながらミカヅチは説明する
ミカヅチ
「天背院が食べるのは能力。」
ミカヅチ
「特殊な力や技術を餌とするのが彼です。」
ミラ
「彼って...一体何者なのよ、そいつ」
ミカヅチ
「そうですね...僕は天背院ミカヅチではあるんですよ」
ミカヅチ
「正確には僕がミカヅチで、彼が天背院なんです。」
レウォル
「...二つの魂?」
ミカヅチ
「ええ...というか、まだ終わらないんですか?天背院。」
ミカヅチ
『だってよぉぉぉ!!結構味がなくならないんだよ!それに旨いし!』
ミカヅチ
「ガムか何かですか...もういいでしょ」
ミカヅチ
『チッ...ほらよ!』
天背院は右手に含んでいた物を地面に吐き出す...だが、出てきたのはドラゴンではなく、金髪の少女であった
ミカヅチ
「これは...天背院、いつのまにこんな力を」
ミカヅチ
『いやオレじゃねーよ!この女がドラゴンに化けてたと考えるのが普通だろうが!!』
ミラ
「生きてる?」
ミカヅチ
『オレが喰うのは能力だけだ、そこらの人間と同じになっただけで死にはしねーよ』
レウォル
「そうか...一旦ここに置いておこう、今はブリュンヒルデ帝国へ急ぐぞ」
ミラ
「ああ!」
...一方、ブリュンヒルデ帝国。
冬夜
「マルチプル!炎に染まれ!深紅の宝刀!クリムゾングラディウス!」
冬夜は燃え盛る剣を作り出し、それを何百個にも増やしヒメドラゴンに放つ
肉が焦げる音と龍の叫び声が響く
リーン
『彼曰く、確実に相手を仕留めるために作った魔法らしいわよ、内部まで焼け焦げるわ』
冬夜
「アナザーの僕、こんなエグい魔法使ってたの?」
リーン
『はぁ...ヒメドラゴンは残り二匹、ま、結構やれた方とは思うんだけど』
ミカヅチ
「間に合って...いますか?」
リーン
「なにその見た目」
ミカヅチ
『だってよ』
ミカヅチ
「後で話します!今は彼ですよ彼!」
冬夜
「どうかしたの?」
ミラ
「このブリュンヒルデ帝国はアナザーワールドに関連しているって聞いたから急いで飛ばしてきたのよ」
レウォル
「途中金色のドラゴンに足止めをくらったがな」
リーン
『それもヒメドラゴンね』
冬夜
「もう一匹しか残ってないじゃないか」
ミラ
「...で、まぁあの妖精が二人ってことは、アナザーワールドってことだろうしね」
リーン
『そのアナザーワールドっていうのはどういった物かは知らないけど、面倒なことになったわね』
冬夜
「なんで?」
ミラ
「たくっちスノーから聞いたんだけど、ブリュンヒルデの王ってあんたらしいのよ」
冬夜
「え!?」
ミラ
「何故か帝国になってる、とも言ってたけど」